さよならグッピー
【チャンさん年中・スーちゃん2歳の頃】
~ 出会い ~
わが家の愛車フォレスターが、私のせいで傷物に…。(道の端に鎮座する大きな石(っていうか岩?!)の存在に気づかず、車体を擦って傷つけてしまうという大失態(汗))
それ以降、チャンさんは行く先々で何だかやけに嬉しそうに『かぁさんがやっちまっちゃったんだよぉ』と、色々な方々に吹聴して周り、私の心の傷口に粗塩を塗りたくってきたが、見かねた父さんの判断で修理に出すことに。
修理中は代車を貸してくれるとのことで、何かと車移動が多い我が家はホッと一安心。
週末、父さんとチャンさんとスーちゃんで車の修理屋さんへ。
その間に私は自転車で買い物に行く。
帰ってくると、ちょうど三人も戻って来たところで、少し興奮したチャンさんの高い声が聞こえてくる。
ふと駐車場に目を向けると、何とも言いがたい代車がそこに停まっていた。
その名も『グッピー』。(guppyというステッカーが貼られていた。)
グッピーは、小さくて、ボロくて、臭い、という悲しい三拍子が揃った軽自動車。
かなり古い年式であることは明らかで、滲み出る哀愁と廃車寸前のギリギリ感。
グッピーを前にして、チャンさんは『くるま、ちっちゃくなっちゃったんだよぉ』と半分嬉しそうな困り顔。
スーちゃんに至っては、修理屋さんでグッピーに乗り換える際『いやだぁ』と泣いて拒否したらしい(笑)
~ グッピーとお出かけ ~
グッピーが我が家にやってきた次の日、幼稚園から帰ると、チャンさんが『グッピーでお出かけしたい!』と言うので、二駅離れたおばあちゃん家に行くことに。
グッピーの乗り心地は、まるでゴーカート。
一歩間違えれば即ぺしゃんこの死を予感させる軽い車体。
ブンブーンと、ものすごい音を立て、アクセル踏み過ぎたかなぁとメーターを見れば30キロしか出ていない…。
それでも『おばあちゃん、くるま、びっくりしちゃうかなぁ?』と嬉しそうなチャンさんとスーちゃんを乗せ、いつもより倍の安全運転で進んでゆく。
『かえるときまで、ないしょだよ。』と、素知らぬ顔でマンションの駐車場にグッピーを停め、夕飯をご馳走になっていざ帰る時。
先に乗り込んで発車準備をしていたグッピーの横を、後から見送りに出てきてくれたおばあちゃんがキョロキョロしながらまんまと通り過ぎる。
チャンさんは大喜びして窓から顔を出し『こっちだよー!!』
「え?!ずいぶんと小ぢんまりしちゃったじゃない」と驚きながら笑うよっこちゃん。
その様子に大変満足したチャンさんとスーちゃんは、とても嬉しそうにグッピーから手を振り、おばあちゃん家を後にした。
~ さよならグッピー ~
「修理終わりました。」
なんだかんだで愛着を感じ始めていたグッピーとの生活は、予定より早い修理屋さんからの電話で突然終わりを告げる。
『なんか、さみしいね。』と話しながら、チャンさんとスーちゃんでグッピーを前に写真をパシャリ。
それでも、うちの車を迎えに行かなくっちゃねと、グッピーとのラストラン。
ブンブンブーン!!
渾身の力でうなりを上げるグッピー。
グ、グッピー…
本当に、小さくて、ボロくて、臭いぞ…!!
でも楽しかった。
ありがとう、グッピー!!
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あれからずいぶんと時が流れたけれど…
グッピ―今頃何してるかなぁ。
次の車検ちゃんと通ったかなぁ。
書いてたらまた乗りたくなってきたなぁ。
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…、数か月後、まさかの再会?!
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