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あの人が眠る町を鈍行で通過

拝啓 出雲にっきさま

にっきちゃんこんにちは!
おひさしぶりの交換日記、うれしいです☕︎

ひだりききクラブの交換日記を約半月(わたしは順番が後だったから1ヶ月くらい)お休みしている間、以前より本を意識的に読むようにしたり、noteにも日記を少しだけ載せたりしました。自由律俳句に触れる頻度は少し減ったけれど、やっぱりにっきちゃんの言葉は恋しかったです…!

回ってきた交換日記を読み始めたとき、いままでたくさん読んで触れてきたにっきちゃんの文章の感じが懐かしくて、「おかえり〜!」と言わんばかりに、うれしい気持ちが溢れ出してゆくのを感じました。
好きな作家やバンドの新作が久しぶりに出たとき、好きな人たちがわたしの好きな言葉とか音で未知のものを見せてもらえるのは、まったくはじめて見聞きするものなのに心にぴったりハマってゆく感覚があります。それと同じ気持ちでした。

なんと前回は愛特集!💒
愛にあまりなじみのない(普段そんなに意識できていない)わたしにとって、愛に触れたり近づいたりするのには若干気恥ずかしさがあります。でも無関心なわけではないから、照れちゃいつつも木の陰からそっと覗き見するような気持ちで読ませていただきました、、!愛に憧れています


魂の旅をしている蝿

愛特集なのにちょっとさみしげな空気をまとう句に惹かれてしまうのがすずめ園…

蝿、という黒く現実的な生き物。人にはあまり好かれないかもしれませんが、その分孤高で、解放されたかっこよさもあると思います。わたしは旅もさすらうことも好きだけど、蝿だったらそれすら超越して、人が決して届かない場所や時空間までも旅できそうでうらやましく思いました。
涅槃みたいな、この世から離れた世界の句のようでかっこいい…


はぐして桃色最大瞬間風速です

一瞬で世界が変わるような気持ちの昂りが詰まった自由律俳句ですね。まさに句の通り、甘くて強い風がビュンっと通り抜けていくような読後感。漫画だったらバラの花びらが舞っているかもしれません。
ハグされる・する前と後の世界を「瞬間最大風速」と表したのが、絶妙かつ最高です… そこに桃色が入ることで強風が一気にあたたかく豊潤なイメージになります。「桃色瞬間最大風速」って書きたくなるし、言いたくなっちゃいますね🍑


若さよ手のひらに透けて微笑むもの

エッセイも、そこから生まれた若葉のようにまぶしい自由律俳句も、どちらも素晴らしかったです。
若さって、ただ未熟だったり年齢が幼いだけじゃないのはわかるけれど、「大人」って何なのか20歳を過ぎてもわからないように、永遠に探し続けていくものなのかもしれません。

もっと感想を書きたかったけれど、わたしの語彙力や読解力だとここに自信を持って書けないので、でもとにかくエッセイも自由律俳句も、独立したものとしても、相互的に見ても本当に強くまぶしいものに心を貫かれた味わいがあったということだけお伝えしたいです…… わたしもこんなエッセイと句を書きたいです。すごく、すごく素敵でした。


「昼飯にラデュレ」のお仕事日記もすきでした!クッキーとか、マカロンとか甘いものひとつあるだけで心が少しあたたかくなれるの、わたしも同じで、あの小さな1つだけで、濁ったうすい膜が剥がれていくみたいに助けられています。
にっきちゃんのお仕事話はいつも面白いので、ぜひまた書いてほしいです。このまえのひだりきき放送局の会話術・処世術もすごく面白かった…!


それではすずめ園のお久しぶりの自由律俳句です🦢


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錆びれたボーリングピンが町を見下ろす

バンソウコウ指輪のかたちに貼るつぐない



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朝松屋食べた人に降るまぶしい光り

庭でできたという柿をもらった


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長い抜け毛が透ける秋の床

あの家の表札読めなかったまま冬


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あの人が眠る町を鈍行で通過

お休みの日は何をしていますか?という問いに対して、ちゃんとした答えを持ち合わせている人はどのくらいいるのだろうか。

わたしの場合、だいたい「う〜ん、家でずっと寝てますかね」と、あたりさわりのない感じで答える。趣味はひとり旅だけれどそれ以外はあんまり出かけないし、予定のない日は心ゆくまで眠っているのも事実だ。
そんな味気ない答えしかなかった「休日の過ごし方は?」だったけれど、最近、なんとなく自分の好きな過ごし方がわかってきた気がする。

朝、テレビをつけると日テレではまだ「シューイチ!」が流れていた。なかなか良い時間に起きることができたみたいだ。時間に追われることなくゆっくりと洗濯をして、朝ごはんにはバタートーストと紅茶。フライパンにバターをひいて冷凍していた食パンを両面焼き色がつくまでごんがりと焼く。食パンは、冷凍を焼くほうがおいしく感じるのはわたしだけだろうか。

そのまま流していた「シューイチ!」などの情報バラエティ番組を見るか、ラジオを聴くかしつつ、パンを食べる。
そしてトーストを食べ終えるくらいの頃に、グラデーションのようにぬるりと化粧を始め、髪の毛をさらりとさせて、もろもろの家事をしたら外に出かける。

行き先は、あんまり遠くなくて、なおかつ買い物をするのに適当な町だ。つよい気持ちとか目的とかはないけれど、そこで日用品や雑貨や服などの買い物をして、帰りにケーキを買う。それだけ。

一人で暮らし始めてから、よくケーキを買っている気がする。ケーキをいつ食べても良い生活。おいわい、とかじゃなくてダメな日もどうでもいい日も食べるようになった。食欲が旺盛だった頃は、ケーキ1つぽっちじゃ食べ足りない!なんて思っていたが、いまやケーキ1切れでお腹も心も満足になってしまうから随分燃費が良くなったものだ。大人ってすごい。

家に帰ったら、部屋着に着替えて、ケーキを食べながらまたテレビを観る。朝とは違って、サブスクでドラマやバラエティを観る。この時間が大好きだ。それに飽きたら、読書、インターネット、ラジオを流しながら床でひと眠りするとか、そんな感じで夕食までだらだらしてしまう。その間、温かい緑茶を何杯も飲んでいるのは言うまでもない。

これがわたしの好きな休日の過ごし方(何も予定がない・誰とも会わない日ver.)の全貌である。
過ごし方とは言ったものの、一言でまとめたら「テレビを観てだらだらしてますかね」とほぼ変わらない内容だと思う。でも、一日の前半部分に少し出かけることで、お散歩にもなるし気持ちにメリハリがつくと思っている。

一番重要なのは、起きたときに「あ〜、めんどくさいしやっぱり外に出るのやめようかな」と折れないことだ。わたしは過去に何度もめんどくさくなって外出を諦めてきた。別に、これで折れたとしても家で存分に眠ったり読書したりできて良いんだけど…

この過ごし方の味気なさも「ずっと寝てますね〜」とさほど変わらないけれど、何も決めずにずっと眠っている、まったくのゼロの状態よりは、娯楽や散歩を試みようという志があるだけ良い感じがしている。


さて今週末はどこに出かけて、なにを観ようか。


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またいつかなんて言うなかなしい

会うだけじゃ物足りなくてチョコサンデー



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白くなった息を見せて

つめたいまつ毛伏せて朝露

好きだったお香みたいに匂って消えてく



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おととい誕生日を迎え、生まれてから26年が経ちました。

その日は絵に描いたような温泉街に憧れて、富山の宇奈月温泉に遊びに行きました。


旅館の窓から見えた山です


温泉にゆっくり浸かり、温泉街の散歩や、山奥の欅平というところまで続くトロッコも楽しみました。温泉街に行きたいだけで宇奈月を選んだのですが、思いがけず紅葉がとってもきれいでした。あんなに色づいた大きな山を見たのは人生ではじめてです。
そして旅先で誕生日を迎えるのも初だったのですが、なんだか旅の内容が大人すぎて傷心旅行みたいだなあなんて思いました。いっぱいたそがれました。

数年前までは年を取るのが嫌でした。だけど、なにかを26年も途切れることなくつづけているって、よく考えたらとってもすごいし、奇跡的なことだな〜 と気づき、それから誕生日があんまり嫌じゃなくなりました。
なんとなく「26歳」ではなく「26周年」と言い換えてみると、よりすごくて立派な感じがするので、最近はこの言い方が気に入っています🎊

ますます寒い日が続きますね。わたしは先日ついにマフラーデビューをしてしまいました!お母さんに誕生日プレゼントでもらったマフラー、まだたまに子どもでいさせてほしい!寒がりにっきちゃんも、あたたかく健康でいてください♨︎

ではでは🍁

すずめ園より

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次回の更新は11月30日 出雲にっきちゃんの番です🌟

『ひだりききクラブ』プロフィール

出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している。

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