雨水跳ねた裾に星座

2021年4月22日 22:17

拝啓　出雲にっきさま

にっきちゃんこんにちは。
あたたかくなったと思ったら、ちょっと寒くなって、雨が降って、今度は暑くなりましたね。雨が好きと言う人がいるけれど、わたしは雨が好きなんてずっと思えないだろうな。雨って眠くなっちゃうし…！

さて前回のにっきちゃんの自由律俳句は、春のほわんとした空気みたいに幸せな匂いが漂っていましたね本当に菓子パンみたいです🍞

「春みたいな春みたいな春みたいな春みたいな春は？」なんてすばらしくかわいい、、先週は肌寒くてかなしかったけれど、いまは春が半分通り過ぎちゃって夏みたいです。まだ四月のうちは許してあげるので、はやくちょうど良い春よ戻ってきてくれ〜、、！

「ぼけぼけしてたら朝焼けた」は、わたしが以前作った「ベンチ未満のベンチで夕暮れる」「夕暮れたシャッターの音がした」と対になってるみたい! と発見して嬉しくなりました。
ぼけぼけしてたら朝焼けたていたり、お昼寝から覚めたら夕暮れていて、どこかの家のシャッターを下ろす音が聞こえたりする、みたいな日をよく過ごしてしまうのですが、なんにもできなくってダメな日なのになぜか清々しかったりします。
お昼寝にも夜更かしにも、規則正しさでは埋められないしあわせがあるはず。

「天使なので当然です」なんて、にっきちゃんにぴったりな…！おまじないみたいに唱えたら、こっそり元気出そうな句でした。元気もらえちゃうのも天使だから当然？

それではすずめ園の自由律俳句たちです
まだまだ春は終わらない　🌸

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・丸い飯の量が多い

・風呂敷に包んである

・ケーキ屋の残り香を吸う

・ゴミ箱の上で食べる

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・雨水跳ねた裾に星座

・自販機裏にふかすふたり

つい先週の晴れた日の朝、自販機の裏側に隠れてタバコを吸う人たちを見た。自販機の裏といっても、二人の世界になれそうなほど外から隠れてはいない。人通りのややある道の脇の、なんでもないような微妙なところに佇んでいた。

電車の窓からそんな二人を見つけた時、ありそうで無い、ちょっと変なシチュエーションが妙に気になり、電車が走りだしてからも頭の隅っこに漂い続けた。
すぐそばに公共の喫煙所があるはずなのに、彼らはどうして自販機の裏を選んだのか。理由を考えれば考えるほど、納得したがるわたしの脳みそがへんてこな妄想を作り出していく。

桜も散った朝の自販機裏のタバコには疑問を抱くけれど、もしも今日が初雪の日の朝だったら。雪がタバコの火を消してしまっても、今日は許せるねなんて格好つけて言ってしまいたい。それくらい東京の雪は珍しくてわくわくするものだ。歩いてるうちに手が冷えて、温かい飲み物を買うついでに自販機の裏でタバコを吸い始めてもおかしくはない。
では、二人が少年と少女だったら。未成年はタバコを吸ってはいけないので、あんな場所での喫煙はあまり現実的ではない。現実でなかったら何だろう。そうだ、映画だ。きっとこれは映画の一コマなんだ、と考えたところで妄想を止めた。

本当は自販機のすぐ横のアパートの住人が、眠気覚ましに手頃な日陰を選んで吸っていただけなのかもしれない。そんな二人の日常を、わたしが映画みたいに切り取って見ていた。

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・こっち側から海が見える

・こんなにおいしげったの

・防犯ブザー四月の蝉か

・なかったことにしたい虫と染みと

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・このタイミングで猫

・小雨降らすの下手な日の神

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・この虹誰に見せたい

・わかったあれはレゴランド

・哀しい句にするつもりはなかった

・弓矢の早さで朝

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食べ物、旅、生活みたいな回になりました。まるですずめ園の日常を構成する三大要素みたい。(たぶん？)

「弓矢の早さで朝」では、一度眠ってしまったらひゅんとやってくる朝のことを書きました。疲れてる日なんて目を瞑ってから体感3分くらいでは…。いつでも10時間くらいに感じられる方法ってありませんかね。

「このタイミングで猫」「小雨降らすの下手な日の神」は、沼津の神社に行った時、目的を果たせずに帰ろうとしたタイミングで、突然目の前にまっしろな猫が現れた時のことを思い出して書きました。しかもその猫、ふしぎな青と黄緑のオッドアイで本当に神さまが来たのかと思いました。きれいだったな…
(しかもその猫のおかげで神社の人に話しかけるきっかけができた！)

春は猫にもよく会いますね
残り四月も春のままたのしみたいな

ではまた来週です🍵

すずめ園より