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はつなつ過ぎていっぱい冬

拝啓 出雲にっきさま

にっきちゃんこんにちは!
あけましておめでとうございます🐈🌅

わたしの年末年始は、近所のお気に入りの定食屋さんで年越し蕎麦を食べて、お笑い番組を見て、ハライチのラジオと三四郎のラジオと日テレを同時に視聴しながら年越しをして、おせちを食べて眠りました。
そのほかは1月2日の夜に『リング』をひとりで観たくらいで特に何もしていません。なにやってるんだろうか…

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家にはちゃんとミニミニ門松を買って飾りました。きっちり12月28日から松の内まで🎍

そんな感じで一瞬の正月を過ごしてしまい、良い「お正月」に対する未練があったので、にっきちゃんの帰省の句やエッセイに幸せなお正月をお裾分けしてもらえた気持ちです!去年のお正月の交換日記もそうでしたし、わたしの理想のゆったりさと団欒さです。やっぱこたついいな…


・冬のあじ白湯味

夏の花火とか誰かがむし暑いベランダで吸うタバコの煙もあるけれど、白湯の湯気、肉まんを割ったときの湯気の広がり、ほかほかのお風呂、おじいさんの野焼き、冬の煙はかならずあたたかさが伴いますね。春夏秋冬白湯を飲むけれど、やっぱり冬が最高です。
一句目からにっきちゃんの自由律俳句の世界観にしっかりつつみこまれました。


・あの日待ち合わせた自販機もうない
・あの自販機のスプライトをよく買ったのに

とっても好きな風景の句でした。わたしはさみしいものに惹かれがち、自販機に想い馳せがち…
わたしには知り得ない「あの日」ですが、読んだ人にとっての「あの日」「あの自販機」「あの飲み物」がなつかしく心に浮かび上がらせる作用のある句だと思いました。


・流るる水のように飯が

これはすごい句だ…
流れる飯なんて流しそうめん以外に体験したことがないし、固定的で固形のものに結びつかないはずの「流るる」を用いたことで生まれる新感覚、、さすがすぎます。

久しぶりに実家に帰ってきて、あれもこれもと振る舞われる様子が浮かびました。困っちゃうけどそれも愛ですね。


・「魚拓だよ」凍った窓に額ひっつけ

なんとなくこの句を読んだ時、穂村弘さんの「体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ」を思い出しました。美しくチャーミングな句。
魚拓を見せてあげられる人はきっと特別ですね 灯油を溜めにいくお父さんかもしれない。


先週は東京にもたくさん雪が降って嬉しかったです。雪って本当にかわいいです。
サラリーマンのおじさんも小さい犬も、植木の葉っぱにも白い雪がちらりと乗っかって、みんな同じ飾りをつけてるようで、なんてかわいい世界なんだろうと見惚れてました。

それでは まだ雪溶けてないすずめ園の自由律俳句です 2022年!

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・冬なのに靴擦れしている

・氷点下で丸くなる肩


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・ペンギン歩きの群れが駅へ

・これみよがしにコーヒーとパンよ

トレーナーにスウェット姿の男性が、左手にコーヒー、右手に菓子パンふたつを持って向こうから歩いてくる。駅に向かう黒い群れとは対照的に、男性は薄着だった。完全に休日の格好をして、寒そうに肩を丸めて歩く姿がうらめしかった1月4日。眠そうな表情だけはこちらと一緒だ。


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・はつなつ過ぎていっぱい冬

・雪白くずっとふるびた夏

いまがいちばん良いのだと思えること、わたしはちょっと幸せなんだろう。
いろんな時間を体験してきたけれど、今日いまこの時間がいちばん長い。長いから噛み締める。
昨日もいまも来週も、いっぱいいっぱい冬がつづく。


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・蛍の煙かタバコの光か

・溶け残ったところを選んで歩く


夕闇にちいさな蛍が揺れている
真夏じゃないならタバコの光だ


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・「つゆだく」を伝えに行く

昨日、テレビですたみな丼の特集をしていた。
わたしはすた丼というものを人生で一度も食べたことがない。そのため、すた丼がどのような味付けかを知らないし、ビジュアルもあやふやだ。なんとなく、丼の中は白飯がぎゅうぎゅうに占拠し、その上に味付け濃いめの肉が山のごとく盛られているんだろうなあ、たぶん輪っかのネギも散らさせていて、生卵をトッピングする人が多そうだ、というイメージはある。

(すた丼有識者の方へ、これは合っていますか?)

テレビを見ているうちに、少しすた丼に興味が沸いてきた。見た目はだいたいわたしの予想通りで、肉は豚バラ肉、味付けはニンニク醤油ダレということが判明した。
思い返せば今までの人生で、ニンニクがメインの味付けになっている料理や、ニンニク単体を食べたことがあまりなかった。おそらく家庭の影響だと思う。
もちろん調味料のうちのひとつとしてニンニクが入っているものや、お菓子のガーリック味くらいなら食べたことがあるので、においは知っている。しかし味と言われるとうまくイメージができない。
わたしにとって、ごはんと一緒にニンニク味の肉が乗っかっているタイプの飯類なんてネパール料理レベルの未知である。

そんなすた丼のテレビを見て、わたしは「明日絶対松屋行こう」と思った。そして今日も「絶対松屋に行こう」という気持ちは揺るがないどころか、昼前になってひとりごとを言うくらいその気持ちは確固たるものであった。

そして決心通りにわたしはスーパー帰りに松屋に行き、牛めしをテイクアクトした。松屋の袋をぶら下げ自転車を漕いで家路を急いだ。
牛肉だけが乗っている黒い皿を白い飯の上にとっぷり注ぐ。白飯は肉とつゆでひたひたとなった。

これが一番食べたかったやつだ。
そして一口目を箸で持ち上げた瞬間に気付く。あの黒山椒がないことに。わたしは黒山椒のために松屋の牛めしを食べているのではないかというくらい黒山椒が好きだ。が、ないものは仕方がないので七味だけをかけて牛めしを完食した。黒胡椒がなくても牛めしはめちゃめちゃにおいしく、そのまま昼寝をし、もう夕飯は食べなくて良いことにした。

いまなら松屋は牛めし並盛で肉25%増量中です。ごちそうさまでした。

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「「つゆだく」を伝えに行く」の毛色が違いすぎて、どこに置くか迷った結果1番最後になり、番外編のようになってしまいました。わたしにもすた丼を食べる日が来るのだろうか。

自分にしかわからない感覚だけれど、「はつなつすぎていっぱい冬」は音楽ぽい、ロックバンドなイメージの句です、句だけれど。親しみやすい声で歌ってほしい。とてもお気に入りの句です。

最近はみかんを高校生ぶりくらいに自分の意志で食べてみたらおいしかったです。冬のあじ白湯味のほかにも見つけられました❄️

こんな感じで、すずめ園2022年最初の交換日記でした。今年もいっぱいよろしくお願いします!

すずめ園より

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「ひだりきき放送局 #01今更餅を食べてやる」

本日ひだりききクラブの配信イベント「ひだりきき放送局」の第一回目を開催しました❕

アーカイブは1月26日(水)23:59まで配信中です。お正月をテーマにゆったりたのしいトークをお届けしています。リアルタイムでご覧いただいた方も、いまから見る方もぜひ☕︎

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次回の更新は1月19日 出雲にっきちゃんの番です❄️

『ひだりききクラブ』プロフィール

出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している。

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