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ドライブのために覚えた歌がある

拝啓 出雲にっきさま

にっきちゃんこんにちは。
雨雲が優勢な日が続きましたね。
(お天気キャスターみたいな台詞を使ってみました)

先日はじめて近所の八百屋さんに行きました。その八百屋さんのごぼうは、洗われて白っぽいごぼうではなく、たくさん泥のついたものを売っていました。
今まで泥付きのごぼうは買ったことがなかったけれど、安かったのでレジに持って行くと、店員さんに「これなんだろう… ごぼう?」と聞かれました。

泥つきを売りにしているのだと思ってたのですが、泥がつきすぎて何の野菜かわからなくなり、それを素直に口に出してしまう店員さんのチャーミングさが最高でした。面白かったな。

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後日、同じ八百屋さんで蓮根とにんじんと里芋をレジに持って行ったら、前回とは別の店員さんに煮物作るの?と聞かれ、そうですと答えたら、「あ〜、食べたい」と言われました。
てっきり「煮物いいねえ〜」などという言葉を掛けられると思っていたのに、まさかの「食べたい」という感想をいただきました。
この八百屋さん面白いのでこれから通おうと思います。煮物作って持っていってあげたいくらいだ 🍲


さてさて、前回のにっきちゃんの交換日記はどことなく気高さを感じる句から始まりつつも、全体は生活圏をステップしながら眺めたような軽快な雰囲気がありました 🌸


・愛は沈殿せず真夜中を通り過ぐ

美しさにおける完成度が高いすばらしい句
にっきちゃんの作る句は、色彩を脳内に喚起する力(?)がとても優れているなと思っています。この句は真夜中から連想される黒色以外は文字列だけでわからないけれど、夜を照らす街の光や、闇に浮かぶ花、また"通り過ぐ"という言葉から水の流れ連想したり、一句を通してみると様々な色が味わえます。

・犬の遠吠え夢のしおりに

眠る前に見聞きしたものが夢に登場することはありますが、しおりするという表現がとても胸にストンと落ちてきました。特に昼寝など、短い睡眠の前に見たり聴いたりしたあれこれなんて、まさに現実の間に挟んだお気に入りのしおりです。
きっと面白いしおりを挟んだから、お返しに不思議な夢が見られたのかもしれないですね。

・桜から覗く黄色いハナマサ
・アンダースロウ背中ハートのシイル

桜ってまぶしいと思います。春の浮かれた気持ちとかではなくたぶん物理的に。そんなまぶしくて光ある視界の奥に、これまた目立つ黄色いハナマサ。思い浮かべる世界が明るい色彩に満ちてます。
(ハナマサって、人を呼び捨てしてるような荒っぽさと親しみが含まれて、つい口にしたくなる良い店名だなと、この句で気づきました)

2句目は、にっきちゃんが書いていた「カタカナの奥にあるこそばゆさ」が句中にいくつか含まれていて、なんだか放っておけない句だなと思いました。ちゃんと引っかかるポイントがあって、なんかかわいいやつ… "スロウ"と"シイル"が良くって、わたしも後に出てくるとある句で真似っこをしています!


ひらがなの「みるく」に君想ふの喫茶店、ぜひ今度一緒に行きたいです☕︎ 家でも喫茶店でもアイスミルクやホットミルクをよく飲むので、きっと「みるく」も好きです。

ではでは すずめ園の自由律俳句です
すごい春の句ばっかり!


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・墓地ばっかり春の窓際

・よく積もっている桜だ


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・犬眠る呼吸する丘

・酒味のチヨコレート仰ぐ月を見る

・マスターが花柄のティーカップを選んだ


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・こっちの桜の話をしてくれる

3月30日。今年はじめて桜がたくさん散った日。
去年は桜の良さとあじさいの良さをはじめて自分の心で感じました。大きな木にのびのびと咲く桜が目に入った時も、きれいだなとは思うけれど、身近に思えるのはいつも散って地面に落ちてからでした。わたしはマンホール蓋の観察という趣味柄よく下を向いて歩いているので、散る前の、何輪かの集合体の桜があんなにまんまるいなんて去年初めて知りました。まんまるな桜は、かわいい、愛おしいです。プードルのしっぽの先みたいに、まるっとしていて小さなものをたまらなく愛おしく感じてしまうのは人間の性ですか。

3月31日と4月3日はお花見をしようと思っていたのに、どちらも雨で、たくさんの桜が散りました。熱いお茶が入った水筒を家で飲んで、雨のしずくが貼りついた窓を眺めました。

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結局ちゃんとお花見はできないまま今年の春は終わりそうです。
花瓶に生けていたミニ桜は散らずに枯れて、少しずつ緑の葉っぱが芽吹いてきています。生まれたての葉っぱはとてもきれいで若い緑色をしています。花弁ごときれいに机に落ちた2輪は押し花にしました。

こちらの桜はこんな様子ですが、そっちの桜も同じくらい散っていますか、それとも毎年遅咲きで、意外と今が見頃だったりしますか。

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・まだ硬い詰襟のまま走る

・蜂のどさくさに紛れる

・ふくらはぎのつめたさパイプ椅子

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・ドライブのために覚えた歌がある

・平日の海へ行く約束

・ボトルレターのつもりで吐くため息


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去年の春に、せきしろさんにスワンボートの句を「スワンボートという言葉を選ぶのが若いセンスだ」と言っていただいたのが印象的だったので、今年もスワンボートの句を試みたのですが、全然良いのができませんでした… シチュエーションは自分の中で完全にあるし、良い光景だと思うのですが、上手く俳句にできなくてもどかしかったです。自由律俳句を作っているとよくあることだけど、こんなふうに句にできず脱落していった景色や体験がたくさんあって悔しい。

ひだりききクラブは自分がすごく頑張らないといけないし、2人でひだりききクラブだから、注目されるのも、良いなと思ってもらえるのも全て自分たち次第だなというのを、当たり前だけれど、ひしひしと感じています。
活動に対する責任はどでかいけど、良い感想やお仕事や出会いがらあったときの嬉しさもひとしおです。これからもずっと一緒に進みつづけられたらいいな!
いつか上手く言葉に落とし込めなかった素敵な光景たちも、全部句にしてあげたいです。

すずめ園より

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南海放送『杉作J太郎のファニーナイト』にて、ひだりききクラブの番組内番組『ひだりききクラブの猫にだって会釈』が現在放送中です!

『ひだりききクラブの猫にだって会釈』
毎月第1、第3火曜日 20:30頃〜(15分番組)


通称「ねこしゃく」🐈💫
自由律俳句を鑑賞したり、マンホール蓋が好きなすずめ園による「すずめ蓋クラブ」、カレーが好きな出雲にっきによる「出雲カレー研究部」のコーナーも有り!個性と癒しあふれる文芸バラエティです📚
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次の更新は4月13日 出雲にっきちゃんの番です🌸

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