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【エッセイ】ひとりごはんとインドカレー

 私はひとりで飲食店に入れない。入れてもマクドが限界だ。なぜかと聞かれると、【落ち着かない】からだ。お店に入り、メニューを選び、食事が提供され、食べる。ときどき水を足されたり、お皿を下げられたりして、お会計をする。この一連の流れがなぜか落ち着かない。自意識過剰も甚だしいが、店員さんに監視されてる気がするのだ。ちょっとでもキョロキョロと内装を見てると近づいてくる。少し水を飲めば足してくる。そして、一人でいると周りのお客さんの会話もよく耳に入る。誰かの愚痴や意識の高い会話などに辟易することもある。なので私はひとりで飲食店に行けなかった。
 ひとりラーメン、ひとり居酒屋、憧れではあるがハードルが高い。特にラーメン屋や居酒屋はひとり客だとカウンターに通される確率が高い。カウンターは特に苦手な場所だ。目の前でせかせかと店員さんが働いていてなんだか申し訳なくなる。雑な人だとガチャガチャと食器の音など大きい場合もある。落ち着きとは真逆の環境だ。どこを見ていたらいいかよくわからず、永遠とメニューを見るしかない。
 その点インドカレー屋はいい。店員さんはだいたい用がないときにはキッチンに引っ込んでお喋りしてる。言葉もわからないので万が一悪口を言われても気にならない。たまに陽気な店員さんが『ナンおかわりする?』と聞いてくるくらい。メニューも悩むほどない、というかバターチキンカレーいったく。あとホットチャイ。辛いものが苦手なので辛さはゼロ。どこのお店でもほぼこのメニューを注文する。ココナッツミルクの甘さとたくさんのスパイスの味。ナンはお店によってふわふわだったりカリカリだったり。カレーが少ないとちょっと悲しい。こんな調子でインドカレー屋を探していると会社の周りですでに4店舗も行っていた。というか多いな。特によく行くのは内装が凝っているお店だ。プチ旅行気分を味わえる。また新しいインドカレー屋を求めて記録していこう。

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