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連作短歌:ドラッグストア


Beautyの内臓だろう真夜中のドラッグストアへ迷い入れば

医薬的ジャーゴンとしてAgは集中殺菌接近OK

アルコールが腸内菌を減らすなら許される方のいっそ殺戮

潤いはこれ1本!なら出尽くした涙で乾く胸にください

泣き顔もLEDに照らされて補充されないコンドームの棚

プラセンタヒアルロン酸まだ君の大切になれそうになく朝

生きつづく証なのだねトイレットペーパーが減る速度は希望


夜のドラッグストアがあやしくて好きです。
だから、一首めのうたを「うたの日」に投稿したとき、あ、これは連作っぽく色々と作ろう!と思いました。

思えばドラッグストアとは不思議な店です。医薬品を扱うファーマシーの機能を中心に置きつつ実質的にはディスカントストアで、バラエティショップみたいなコスメブランドや、さらに日用品、食品、お酒も並べて、1/3くらいはきっとスーパーマーケットにもなっていて、ないのは生鮮品だけかと思いきや、最近では野菜や一部お肉なんかも並べている店もあって、いったい何の店なのかよくわからないよ福太郎!そうだ君のことだ!

ドラッグストアの、あの演出されていない雑多さが好きで、あけすけなPOPとかが好きで、たいして用事もないのに行ったりするのはどうしようもない人間くささの引力が多分そこにあるからだと思う。
たとえばカルディでタイカレーを買うときと福太郎で鍋キューブを買うときと、同じ人間でも明らかに人格が違う。それが我ながら楽しくて、そして福太郎で鍋キューブを買う方の自分が、なぜだか妙に愛おしいんですよね。

ドラッグストア、すきだな!うん!
 


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