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日記と短歌

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その日その日に起こったことや感じたことを短歌一首とともに記します。
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記事一覧

いなくなってしまった凄いレジのおばさん[日記と短歌]24,10,1

かなしみが20円ぶん乗っていて20円安くなる大根/夏野ネコ スーパーマーケットを選ぶ際、価格や品揃え、立地などと並んで「レジのひとの能力」も割と重要じゃないかな、と思っています。 そのレジスキルで凄いおばさんが近所の地元系ストアにおり、ほどよく良心的な生鮮の品揃えもあって、私は優先的にそのお店を利用していました。 世の趨勢はセルフレジですが、おそらくそのストアにはそこまで投資を回す余裕がなかったのでしょう、パートの方たちが相変わらず手打ちで頑張っていました。 中でも彼

ほぼ完全麦食となった昨今の私について[日記と短歌]24,9,16

大麦を鍋に一合さざ波と聴こえて凪を待ちわびるなり/夏野ネコ この夏日本を襲った令和の米騒動ですが、すでに新米も出回りはじめたものの需給バランスの関係か価格は少々お高めです。 もともと私は白米をそのまま炊いて食すことは少なく、ストック用に炊くにあたっても米3:麦7の麦ごはんなので、主食における米消費率自体がそもそも高くありませんでした。 なので改めて「私にとって君は必要なのだろうか」「本当に君じゃなきゃダメなのか」と、新米の幟のもとに鎮座する高価な白米さんと対峙して思う

早寝癖のせいでやらかした[日記と短歌]24,9,09

うたた寝を共にした時すこしだけ交換される未来すぐ来い/夏野ネコ 先日、LINEオープンチャットでの歌会に参加したのですが、遅刻した上に速攻で寝落ちしてしまい事実上ほとんど会話に参加できなかった、というやらかしをしてしまいました。 その日は早朝から外出の予定があり、帰ってきたのがちょうど歌会開始の21時、で手早くシャワーを浴びて軽くお腹になんか入れて、念の為(なんのだ)レモンサワー1缶を用意して21時半ごろにチャットへ入りました。 とここまでは良いのですが、ハタと気づくと

北原白秋の家に遭遇した[日記と短歌]24,8,26

足音は月より来たりただいまと言うがごとくに屋根を照らせば/夏野ネコ 私は歩くことが好きで、10キロくらいなら普通に歩いてしまうから、休日の散歩などでもけっこうな距離になったりします。 この日はウォーク&ジョグで気ままにテトテト回っていました。 熱暑も一息ついた朝方は思いのほか涼しく、お、これはいけるぞと軽快に進んでいたものの気温はグングン上昇し、携えたペットボトルの水も尽きた所で途中の公園に寄り道して水を補給しました。 で、そこにあったわけですよ。北原白秋の家が保存さ

秘伝のタレを作ると料理が捗るよ[日記と短歌]24,8,21

果たせない約束だから簡単に破らないまず米を炊きます/夏野ネコ 料理は効率的な栄養摂取の手段、なーんて嘯いている私ですが、振り返るに食べ物や料理にまつわる日記が多いんですよね、ははは、ひねくれているな! 少し前に「二段熟成仕込み」なる強そうなお醤油をいただきました。 これがけっこうな濃い味なので主として煮物に使っていたのですが、いかんせん用途が限られるので鮮度のあるうちに使い切れません。 なのでその子をベースに久々に秘伝のタレを作ったのでした。 と言っても簡単なもので、

お盆の類型的風景に泣きそうになった[日記と短歌]24,8,14

君という石に幾重と滲みゆく水よりのぼり立つ夏の雲/夏野ネコ ひさしぶりにお盆に帰省をしました。 わたしの郷里は内陸の山の中にあって、日本各地と最高気温を競っているような町なのですが、ゆえにこそ最高気温がその名のごとく最高潮に達するお盆のころにはぜんぜん帰省をしていませんでした。 だってまあ暑い、本当に暑い。 ああでもこんな感じだったな、と、お盆を迎えた郷里に久々降りたって思います。 ふんわりと香ってくるお線香の匂い、蝉時雨、ばかみたいに青い空と入道雲、どこからか聞こえ

少しずつ遅くなってゆく8月の朝を愛でる[日記と短歌]24,8,12

気づかれぬよう愛しあう時をまた伸ばして青い八月の朝/夏野ネコ 夏至からはや1ヶ月半、いやもっとか。 8月は、始まった瞬間から終わりが定められているような切ない月です。この暑いさなかにほんのりと涼しい空気が混じる8月特有の瞬間が、だから愛おしくも寂しい。 如実にわかってしまうのは朝の遅さです。 私は毎朝5時には起床するので日々少しずつ朝が削られていくのをリアルタイムで眺めています。 夏至の頃は、5時といえばすでに日が昇っていたのですが、8月に入りお盆シーズンの最近では、

長くなりたがる文章を飼い慣らしたい[日記と短歌]24,8,8

雄弁をなつかしむよう金色の夕陽は君の手紙へと降る/夏野ネコ 身辺雑記に短歌をつけるnoteを書き始めて、もう1年と9ヶ月がたちました。そっかもうそんなになるのか、と改めて最初の頃のnoteを読んでみたのですが、短いんですよね全般的に。 翻って最近はというと長文傾向に加えて更新も少ないので、うーん、これはちょっと意識して改めた方が良いかもしれないと思いました。 いったいに文章というやつは、特に書くことに慣れるに従って長くなりたがるんですよね、私の場合かもですが。 なんだ

熱中症に気をつけないとね!な真夏のジョギング記[日記と短歌]24,8,5

夏雲が陽を遮った数秒のエンドロールを君に見ている/夏野ネコ 仕事とストレスとアルコールで雑巾みたいになりながら終電で家へと帰った土曜日でした。 このままだと本格的に何も成し遂げない休日になりそうだったので、む、これはやばいと心を入れ替えて熱暑のさなかジョギングを敢行したら、熱中症、とはいかないまでも予想を超えて疲れ果てたという情けない話です。 もともと体を動かすのは好きで、平日毎朝のプチ筋トレも欠かしません(たまに欠かします)し、ぼちぼちジョギングもしています(まぁまぁ

夜を二つに分けて真ん中を私のものとした[日記と短歌]24,7,24

夜へ石を投げて波紋は足元に置いたケーキをわずかに揺らす/夏野ネコ 朝の早起き習慣が定着して以来、しっかり眠るためにはなるべく早く寝なければならず、早寝実現には仕事の段取りや人付き合いはじめ生活のさまざまな場所に影響が及びます。 中でも影響を受けたのは私の場合「睡眠そのもの」でした。 通常は朝5時前、ジョギングなどするときは朝4時前に起きるのですが、それで7時間睡眠を人並みに確保しようとすると遅くとも22時、早ければ21時までには床につかねばならず、現代の大人の感覚ではけ

調子の出ない一週間を生きるためのつくおき [日記と短歌]24,7,22

月曜のベッドの中は圏外でパイナップルを食べたっていい/夏野ネコ 週休二日のお仕事に従事しているので土日は基本お休みです。お休みと言いつつ割とアクティブに遊び回る事も多いので逆に体は休まっていないかもだけど、でも心は回復できていたと思います。今までは。 それがここのところアクティブさが後退してしまい、呆然と休むことが多くなってきています。何をしているのかよくわからない、せめてネトフリで面白いの観るとかなら良いのですがそれもなく、まして本を読むでなく、次の週に向けた買い物や

短歌におけるエモってなに? [日記と短歌]24,7,16

感動に耳をすませば途中下車したことのない街からの音/夏野ネコ エモーショナル禁止令、という名の短歌ネプリに参加しました。総勢88名の歌人がそれぞれに思うエモーショナルを封印して歌を詠む企画です。 で、作歌にあたって思うわけです。禁止するからにはそのエモーショナルをまずは定義しないとならんよね、と。ふむ。 と正面から行っても語釈として大きいので、そこから派生して日本語化した「エモ」「エモい」をひとまず禁止しようと思いました。とはいえエモいってなんだよ。 emotion

ゆる宣言、お酒アンインストールします、したい [日記と短歌]24,7,03

溢れさすように歩いた私から飛び散るモノは拭かないでいて/夏野ネコ いろいろと食らうことがあり、天気が微妙だったのも手伝って土日の予定を取りやめた私は、週末ほぼ家に引きこもっていました。 軽度のアルコホリックを自覚している私なのでもう明るいうちから飲んで、なにをするでもなくただボンヤリと休日は終わってしまいました。 それが全面的に悪かというとそうでもなく、浄化はされないまでも多少マシにはなりました。でもお酒の力で得た安寧に過ぎないので当然のように反動もまた来るのです。

ゆる決意、なるべく忙しいって言わない [日記と短歌]24,6,17

行き先が回送となる瞬間に私はそっと世界へ還る/夏野ネコ 朝5時くらいにのそのそ起きて、7時前には家を出て、8時から概ね19時、20時くらいまではたらく。繁忙の時はビバ残業なので22時くらいまでははたらく。ひとなみに、まぁまぁ忙しい。と思う。たぶん。 いろんなことに忙殺されると本当に心を亡くしてしまうから、こころないゾンビとしてふらふら生きながらTwitterにも上がらなくなりnoteも更新しなくなりThreadsも放置し、うたの日にも出なくなる。そうしてたまに浮上する時