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暑い夏から暑い秋のトマト栽培

 大玉トマトの裂果が酷い。

 桃太郎ファイトを抑制で作っているが、例年なら11月最終日まで収穫が続いて、北陸の時雨模様の曇天続きで日照不足で最後の段のトマトが青いまま収穫ができずに片付け作業に入るのだが、今年は暑い夏がやっとおさまったと思ったらまたぶり返して暑い日が続き、朝晩はそれなりに涼しいの寒暖差がある状態。


 灌水は欠かさず、青い小さい実が大きくなるまでに割れてしまい、それが大きくなるにつれ深い割れとなり、赤くなる頃には割れたところにカビがついて傷みやすくなってしまっている。


 灌水をやめると軟果玉になってしまうし、灌水すると割れて汁まで出てしまい、そこからさらに傷むという負のスパイラル状態だ。


 せっかく花が咲いて着果もした3段目以降がずっと割れた実が多いので、ほとんどまともに出荷できない。


 一段目は花が少ないし、ホルモン処理をしても着果したのが少なかったし、空洞果が目立った。

 二段目も同様で、さらにいつもの通り4つ残そうとしたら大きく伸びずに小さいとか、そのうちの2つくらいしかまともな実がなかったとかで、下の段で着果しなかったんだから樹が暴れるのではないかと追肥を迷った。


 樹が弱いから通常の量をやるか、着果負担が無い分少なくするか。


 後者を選び追肥の量を少なくしたら、樹が弱いままで大きくなった。


 四段目以降はようやくまともな実が着き、数も大体4つずつ着いて、これでどうにか今年のトマトの出荷もできると思っていたのに、裂果が始まった。

 毎日割れたトマトを収穫する悲しさ。

 毎年ある程度割れてしまう実が出てくるけれど、全体の2割程度でおさまっていたのが、今年は8割。

 割れてない実はほとんど小さいものばかりで、大きい実ほど割れが酷い。

 
 北陸は11月には日照時間が減り、天気も悪い日が多いので青いトマトが赤くなるまで時間がかかる。

 なので、加温しないハウスではホルモン処理を9月20日前後までとして、収穫も11月いっぱいで終わる、という栽培の仕方をしている。


 でも、天気予報で暖かい冬の予報だったので、収穫が早まるのではないかと考えていた。

 ここまで早くなるとは思っていなかった。

 11月も三分の一が過ぎたところで、あと2段ほど実が残っている樹がほとんどで、全部収穫してしまった樹もあったり、これは11月の最終週の状態と同じなのでかなり早いペースで進んでいる。


 今年はトマトの値段が異様に高く、それは各地でかなり栽培に苦戦したからだろうなと、手元の青いのに割れたトマトを見て思う。

 今になって他の産地のトマトが入ってきたので、市場価格は下がったけど、出荷できないのだからお金にならないので、今年はトマトの収入は絶望的だ。

 一方、試験栽培している麗月は割れていないが、赤くなるのが遅く、これでは最後まで収穫しきれないだろうとエスレルをかけて熟すのを促す処理をした。


 涼しい日が何日か続くのを見計らってスプレーで一つひとつ実に液剤を吹きかけていったが、そのあと思ったより暑くてしかも一瞬日中も寒くなった時があったけど、立冬でも暖かい状態。


 麗月も赤くなり始めた。


 しかも3段目をやっと収穫し始めているが、つやなし果が多い。


 上の方は割と良い実が着いているので、ここさえ乗り切ればまた良い実が収穫できるのではと期待しているが、過ごしやすくなったためコナジラミが増えてきた。


 このまま何もせず逃げ切って収穫を終わらせられるか、一度防除をした方がいいのか。


 天気が下り坂になっていくので、またも判断に迷いながら作業を進めている。


 そして、来年は今年学んだことを反映させるような実験をしたり試験品種を増やしたりして、うまく作れるようになりたい。


 結局ものにならなきゃ農家の仕事は意味がないのだ。


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