7年前の恋愛に叱られた日

ふと、いつもと違う音楽が聴きたくなって、Apple musicを開いた。For youの画面を少しスクロールしたところに、そのアルバムは現れた。

電車の中でこのアルバムを聞いていたらなんだかいても経ってもいられなくなって、家に帰ってこうしてnoteを書いている。



nano.RIPEは当時付き合っていたアイツから教えてもらって、好きになったアーティスト。
ヘビメタとアニメとネトゲが好きなアイツと付き合っていた当時のわたしは、なかなかのメンヘラだった。

LINEの返信は2〜3日に1回しかくれなくて、彼女といるより男友達といるほうが楽しいタイプで、わたしと付き合っていたのに他の女の子を好きな疑惑もあったし、別れた後に発覚したけどネカマだった。

なんだか思い出して文字に起こすと本当に最悪なんだけど、どうしようね、これ。
友だちが少なくて根暗でコミュ障で自己肯定感ゼロのわたしが、そんなアイツと付き合ってメンヘラになるなというほうが無理な話で。


そんな恋愛の最中、アイツが教えてくれたnano.RIPE。ちょっと重ための恋愛を歌う曲たちは、メンヘラのわたしにグサグサと突き刺さった。

ぼくはもうどこへだって行けるけど
ぼくはもうどこへだって行かない
朝がもうすぐそこで笑うから
ふたり目を閉じて 死んだふりをしていよう
-15秒
きみに出会うまで忘れたふりをして
誰にも言えずに隠してきたものが
ぼくの中で軋んで泣いた ここにいるよ
-パトリシア


アイツがどんなにわたしとの時間を作ってくれなくとも、たとえ他の誰かを好きだったとしても、わたしはアイツしかいないし、アイツにはわたししかいないと思っていた。そうでも思わなきゃわたしは立っていられなかった。

どうしようもないよね、ほんとに。



久しぶりこのアルバムを聞いて、美化されていたアイツの思い出が蘇った。あのころは本当にこの音楽に支えられていて、別れたと同時に聞くのをやめて。だからアイツとの恋愛イコールこのアルバムと言っても間違いではなくて。

そしてさんざん愚痴ってしまったけれど、アイツは不器用かつ恋愛の優先順位が低かっただけで、わたしだって反省すべき点はたくさんあった。

だからこのアルバムを聞いていると、わたしはあの頃の自分を思い出す。

意地を張って、素直になれなくて、伝えたいことを伝えられなかったこと。そのモヤモヤを一方的にアイツにぶつけ、困らせ、怒らせたこと。それらをすべて、アイツのせいにしていたこと。



今の彼と付き合っていてもわたしは定期的にメンヘラになるので、もうこれは性格なんだと思う。

でも彼はわたしがメンヘラに陥っても、自分で立ち直ることを求めてくる。自分勝手にメンヘラになって彼に八つ当たりしていることを諭すように、必要以上に介入しない。

だからわたしは結局いつも自分で立ち直っているのだけれど、今日このアルバムを聞いて、アイツと付き合っていた頃のことを思い出した。

意地を張って、素直になれなくて、勝手に不機嫌になって、彼を困らせて怒らせて。あの頃と同じことを繰り返している自分に、気づいた。



皮肉にもほどがあるよね。大切な彼を素直に愛せないわたし。7年前から同じことを繰り返しているわたし。その事実に気づかせ、叱ってくれたのがこの音楽だなんて。アイツだなんて。

ちょっとは成長したと思っていた。あの頃より大人になれたと思っていたけれど、結局根本的な部分は変わっていないんだな。少し悲しい。それでもわたしらしいなって思えるぶんだけ、まだマシなのかなあ?


なんか申し訳ないけれど、ありがとう、ね。こんなに時間が経ったのに、わたしを叱ってくれて。

今日この音楽を聞いたおかげで、わたしは過去を変えられたよ。思い出を美化したままにせず、反省し、今に活かす反面教師にすることができた。そして少しだけ、未来も変えられる気がしている。

あなたを大切にできなかったぶん、今度は彼を大切にしていくよ。あなたにはもう何にも返せないから、わたしがあの頃伝えた「好き」が、せめて一度くらいはあなたの傘になれていますように。




世界はそれを愛と呼ぶんだぜ