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わたしは一人が好きなんだろうか

一人行動が得意で、大抵のところは一人でいけてしまう。

居酒屋、バー、焼肉、牛丼チェーン、ラーメン、映画、舞台、ライブ、カラオケ、国内外の旅行などなど、「一人で行きにくい場所」の検索結果はだいたい経験済み。

遊園地とボーリングは未経験だけど、そもそも遊園地はあまり好きじゃないし、ボーリングも自発的に行きたくないだけで、行こうと思えば行ける。

なんなら最近ちょっとディズニーに行きたくて、でも一緒に行ってくれそうな人がいないから一人で行こうかと考えている。

一人行動は気楽で好きなのは間違いない。特に私は一人で酒場に行くとき異常なコミュニケーション能力を発揮するので、知らない人とその場限りの話をするのが楽しかったりもする。

今日もバーで「築地市場に比べて豊洲市場はめちゃくちゃつまらない」という飲食店の人の話を聞いて大変興味深かった。本当に評判悪いらしい。

ただ、たぶん周りから思われているほど、一人が好きなわけではないのだとも思う。

たしかに人とどこかに行くとき、ふと一人になりたくなる瞬間はある。実際、ふらりと勝手にどこかに行くこともある。好きなことも読書など、一人で完結することだったりする。

そんな感じだからか、まだ社会人になったばかりのころ、一緒に旅行に行った人から「一人が似合うね」と言われたことがあった。

これは本当に受け止め方が難しくて、いまだに時々思い出しては考え込んでしまう。

その人は褒め言葉として言ってくれていて、私は自立心が異様に高いこともあり、一人が似合うのはカッコ良いことだし、うれしいはうれしい。

ただ、それでいいのか?と思う気持ちもある。

たしかに一人でふらふらするのは好きだけれども、実は誰かと過ごしたいタイプだったりもする。

旅先ではお風呂に一緒に入ろうとねだり、心許した人にはベタベタに甘える。誰かにどこかに誘われれば大抵行くし、実は二次会、三次会とダラダラ付き合ってしまう。

そう、わたしは誘われれば大抵出向く。

これはどういうことかというと、自分から誘えないのである。誘えないから、誘われたら行く。

人を誘うとか、誰かを巻き込むとか、そういうことが致命的にできない。近年は気軽に誘える人が減ったこともあり、なおさらハードルがあがった。

しかもタチが悪いことに、先々の予定を入れるのが好きじゃない。「これから飲み行こう」がベストであり、1週間先の予定は調子が悪いと数日前から鬱々としてしまう。行けば楽しいのに、断り方を考えてしまう。だから余計誘えない。

つまりわたしの「一人が似合う」は、人を誘えない性質ゆえのことなのではないか。一人が似合うのではなく、一人でしかいられないのではないか。

だからこそ、「一人が似合うね」に考え込んでしまう。

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