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京都の人に東京の何を勧めろというのか

道路沿いを歩いていて、どうもうるさいなと思っていたら自分がイヤホンをしていないからだった。こんなに音の聞こえ方が違うのか。

今朝は仲良しのお友達がおすすめしてくれたパン屋でモーニング。隣の席がうるさかろうと、「朝ごはんをここのイートインで食べたら幸せな1日が始まった記憶しかない」とお友達が言うのだから私の1日がハッピーであることは間違いない。

西陣エリアをうろうろしていたら市場的なものが開催されており、西陣織があちこちに。チラ見しながら通り過ぎ、私はユニクロ西陣店へ。昨日に続き豊さについて考えさせられたが、目当てのものが購入できたのでこれはこれで豊かである。

終日雨予報だったが、午後には曇り。私はなかなかの晴れ女であり、私が外に出れば雨は止むと信じている。盲信のあまりずぶ濡れになったことは一度や二度じゃないが、それはそれで楽しくもある。晴れ女というか、雨を気にしないだけなのかもしれない。

夜、勇気を出して入った至極入りにくい飲み屋は女性店主が一人で切り盛りする小さなお店。カウンターのおじさまとおじいさまの間の席でお二人にお相手いただく。

左隣のおじさまは近々東京の江東区で仕事があるそうで、「東京何がおすすめ?」と問われ途方に暮れてしまった。観光名所なのか、歴史的見どころなのか、古き良き飲み屋なのか、最新スポットなのか、パンケーキなのか。幅広すぎる上、たかが江戸以降に栄えてきた東京が、脈々と歴史の水も甘いも積み重ねてきた京都に何を勧めろというのか。

そもそも私は東京の中央から西エリアに生息してきた人間であり、東は未知。西葛西にインド人街ができつつあるらしいですよというマニアックにもほどがある情報提供をして終わった。無力。

そんな不甲斐ない私に、おじさまは焼酎をご馳走してくださった。おじさまは辛いものが好きらしく、何かの縁だからと韓国の激辛麺もお裾分けいただく。思い出やな!と明るいおじさま。ありがとうございました。ちゃんと辛かったです。

「このお店は元鉄板焼き屋だったんですよ」というお姉さんの説明に「へー!」と頷く右隣のおじいさま。「前にも話しましたよ!」と突っ込まれていた。酒飲んだら忘れるよね、と親近感。本当はもうちょっとご一緒したいんやけど酔っ払っちゃったから帰るわ〜とおじいさまは去っていった。

店主のお姉さんは長くアパレル店員で、前身の鉄板焼き屋の常連だったそう。お店をたたむタイミングと、お姉さんが転職を考えるタイミングが偶然噛み合い、予期せずお店を開くことになったのだとか。「人生何が起こるかわかりませんよ〜」とお姉さん。

今夜の銭湯も番台から脱衣所が丸見えなオールドスタイル。ふと高校生の時に鹿児島で間違って全裸で混浴に入ってしまった時のことを思い出す。東京から遠く離れた鹿児島だし、お風呂にはおじいさんしかいなかったし、まぁいいかと羞恥心を納得させた。

そんな話を後日父にしたところ、「生い先短いじいさんに若い娘の裸を見せてやったんだからお前はいいことをした」と褒められた。一体どういう親なんだ。

京都の風呂は深い。掘りごたつスタイルで、風呂の底に座ると沈む。そんなところもなんだかおどろおどろしい。

ぼちぼちハロウィン。京都では渋谷ほどの盛り上がりはないらしいが、妖怪ストリートなる通りもある百鬼夜行な土地であり、和製ハロウィンのポテンシャルはかなり高いのではなかろうか。

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