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京都の川に笹舟を流し、幸せについて考える
昨晩の飲み屋で「たぶん好きやと思うわ」とおすすめいただいた通り、京大近くの進々堂へ。薄暗くてすんごい静か。なるほど一人で行くのにちょうどいい。バイトのお姉さんのおぼつかなさと声の小ささももはや味。
そのまま歩いて銀閣寺。京都の皆さんが金閣寺をボコボコに言う流れの中で銀閣寺は庭園がいいと聞いていたが、本当にすてきだった。
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丁寧な手入れが風情を生むのであろうけど、仮に私が京都の趣あるおうちに住んだとしてもマメな手入れはできないだろうから使用人が必須だが、使用人を雇ってまで風情を求める価値観がわたしにはあるのだろうか、など考える。
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哲学の道で、ボランティアで笹舟を作っているというおじさんに「笹舟、川に流していきはりや」と声をかけられる。「写真も撮ったらええわ、ポートレートがええで」と撮影指南までいただき、橋の上から落とした笹舟は無事着水。
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「笹舟は人生を占うもの。お花を乗せたまままっすぐ流れていったからこれからの人生バッチリやね!」とおじさん。結果オーライだけど、そういう大事なことは笹舟を流す前に言ってほしい。
おじさんにわたしも笹舟を作りたいとお願いしたら、快く作り方を教えてくれた。「この笹船は誰かのことを想って流しや」と言われたので、今夜合流する友人を頭に浮かべて流す。無事着水するも、「ちょっと流れが早いなぁ。人生もうちょっとスローで行った方がええって言うといて」とおじさん。
楽しさとか幸せとか、こういうちょっとしたことでいいんだよなぁと考えていたら、哲学の道が終わった。蚊に二カ所刺された。
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あぶり餅を食べるために少し並ぶ。創業は西暦1000年あたりだそうで、もはや何年だかよくわからないながらに歴史を噛み締めようと思いきや、犬に待てをして写真を撮っている女性に目がいってしまう。
お行儀良くおとなしくしているパピヨン。きれいで愛らしい犬だったけど、人間の都合に合わせて媚びていてちっともかわいくない。犬の立場で考えたらたまったものじゃないけど、もっと勝手気ままでいてほしい。
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夜は仲良しのお友だちと合流。笹舟のおじさんの危惧通り、生き急いでいた。われわれの行動指針は「ダサいことをしない」。
「店員がすっごい無愛想なお店に行こう」と二軒目へ向かう。想像以上に無愛想。オーダーに対しても無反応。
ところが、依頼通りの料理はきちんと届くし、ラストオーダーを超えてもお酒を出してくれる。小銭がなくてもたもたしていたら10円おまけしてくれた。めちゃくちゃいいお店だった。
京都御所を横断して帰る。昔はこのあたりで辻斬りなんかがあったんだろうかと想像しながら歩いていたら、背後から若い男性が大きな声で歌いながら自転車で過ぎ去っていった。久々に身の危険を感じてどきどきした。
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