【SS】井の頭公園で読書

「最近読んだ本の中で面白かったものは何ですか」とよく聞かれてきた。どうもそれがうまく答えられない。「最近は、無い」としか言いようがない。

読書をほとんどしなくなった。本を読んだとて全然集中力がなく読み切れなくなった。

だから、偶に書いている。わたしは自分の書く文章が一番好きだし、自分の経験してきた事と、独自の表現を合わせて存分にオナニーしている。時々、自分のオナニーを見て、面白がったり楽しんだりしてくれる人がいたらという気持ちで公開している。

好きな人のオナニーなら見たいし、見たくもないものは見に行かなかったらいい。文字というのはパッと見てちんこだと認識できないからいい。見たくもないちんこがありそうだと気づいたら避けて通ればいいから。

連日男の子と遊んだりするようになる前は、井の頭公園で静かに一人で読書のできるような少女だったというのに。読んだ本の冊数を競うような宿題では誰もが追いつけないほどトップだったし、十代の頃は本当にたくさんの本を読んだ。

大学生の頃は、予定のない日は朝から晩まで図書館にこもっていた。帰りのバスで読むための本を毎日のように無料で借りられてパラダイスだと感じていた。学費に相当するくらいは本を読んだと思う。深夜はキャバクラに出勤して遊ぶお金と学費を稼いでもいた。とてもタフだった。

今の私は本も読まずにオナニーばかりしている。でも、大人になったからオナニーし放題だ。パラダイスだ。

思い出した。最後に読み切った本は、確か『クリトリス革命』。ジェンダーを語り合える人にしか紹介できない題名だ。

合コンで答えるためにはどんな本を読んでおけばいいだろう。そもそも合コンなんてものは、もう平成の遺失物になってしまっているから、気にしなくてもいいか。

生徒に本を紹介する機会も私にはもうなくなってしまったのだから、エロい本を読んでエロいことばかり書いていて大丈夫。もう誰かのお手本になんてならなくていい。