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CDショップと、熱量と。

 予算がない、と確かに言っていたはずなのに、円盤が3枚増えた。CDのみならず、なぜかレコードも増えた。
 最近円盤の増えるスピードがはやいな、春だからかな。

 第13回CDショップ大賞2021が発表になった。
 新人に贈られる《青》は、藤井 風さんの「HELP EVER HURT NEVER」が絶賛を浴びて選出された。
 そして《赤》は、音楽シーンを席巻した米津玄師さんの「STRAY SHEEP」が受賞。

あれ?

お気付きだろうか・・・・・・。

めちゃめちゃ聴いてるー!!
ショップ大賞は好みとかぶることが多いのだけれど、今回も大賞2作品はめちゃめちゃど真ん中でした。
ちなみにSIRUPさんが「CIY」(2020)ではなく「EP2」(2018)なのは、2020年にやたらマッチしたから。「CIY」大好きで愛聴しているけれど、昼間に聴くと後半で溶けてしまい一日が終わる。破壊力。

↑わたしランキングの番外「CIY」SIRUP

 《青》《赤》どちらも長く愛されるだろう名盤。ちょっと、いやかなり特殊な年だった2020年のわたしを、どれほど支えてくれたかわからない。


 感染症の流行でAmazonなどを利用することが増えた。確かに便利だ。でもやっぱりCDショップが好きだ。
 ディスプレイが熱量高めだとグッとくるし、POPが素敵だとまたグッとくる。躍る文字に、色使いに、陳列の見せ方に心が動く。

 フィジカルリリース(円盤リリース)の何が好きか、それはもう「現物だから」。待ちわびてワクワクしながら買いに行って、実際に手にする喜びがある。お会計の最中、レジの向こう側に見えるそれの、なんと魅力的なこと。
 アートワークも重要な世界観の一部だとわたしは思っている。ジャケ写も紙質もフォントもクレジットも全部まとめて「CD」。浸りたいのだ、どっぷりと。
 音だけでも作品として十二分に素晴らしいもの、そこに異なる表現が丁寧に重ねられてCDという現物になる。今回の大賞2作品は、アートワークも魅力だ。かねてよりイラストレーションやアニメーションを自ら手掛ける米津玄師さんは勿論のこと、藤井 風さんの初回盤もまた素晴らしい。付属のフォトブックから漂う優しい花の香りは、タイトルの意味「常に助け、決して傷つけない」を象徴するかのようだった。

 サブスク隆盛の今はちょっと前ほどではないかも知れないが、数多世に送り出されているCD作品。それを日々扱うプロフェッショナルが選ぶ賞は、やっぱりいいなあと思う。コメントに、ビデオメッセージに、ショップならではの熱量を感じる。作り手の熱量にショップの熱量が乗って、受け手に届く。


 各賞でまだ知らない作品、気になる。各賞のみなさま、本当におめでとうございました。


 

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」