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3分間の魔法

悲しいニュースが物凄い勢いで駆け巡り、重く垂れ込めたそれにすっぽりと覆われた中で、音楽番組があることをふと思い出した。

少し懐かしいあの曲、あたらしいメロディー、新鮮なアレンジ。
88鍵と鳴り物、そして喉という生きた楽器。震える弦、風を歌わせる管。

膠着したような時でさえ、音楽は不思議と心を動かす。

いつかわたしが選んだそれが、立ち止まった誰かの心に届いたこともあったのかも知れない。
だとしたら・・・・・・いや、それはただのパス。パスを回しただけにすぎないな。

やがて魔法の時間は終わった。雲間から月が見えるような夜更けだ。

作り手の苦悩、病んでしまう人の多いこと、華やかさとは対称的なバックステージ。
必死に輝かせるための、無数の手による無数のライト。

届きましたよ。ここにも。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」