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映画「北極百貨店のコンシェルジュさん」

 映画「北極百貨店のコンシェルジュさん」をひとりぶらりと鑑賞。

 予告が面白そう+しろくまカフェ好きなので系統近いかな+音楽tofubeatsで気軽に観に行ったはずが、ぽろぽろと泣いてしまった。

 バックヤードならともかく、お客様に見える場所で走っているコンシェルジュは見たことがないなあ・・・・・・とちらり思った序盤の自分、撃沈。
 ひたむきさ、誰かが誰かを思う真っ直ぐな気持ち、自分の身を置くべき場所についての懐疑。ほんとうにそういうのに弱い。

 登場する人(と動物)たちに次々と感情移入してしまい、柔らかいタッチの中に入り込んだかのよう。
 美しい循環と円環。
 そして展開とともに明らかになる百貨店のバックグラウンド。テーマ性をしっかりと帯びつつ、見せ方にキツさがない。この案配がいい。作品のタッチを活かしたまま、全体をまとめ上げている。

 ファンタジーをファンタジーとして楽しめて、そこに込められたメッセージを受け取れる人におすすめしたい。
 丁寧なつくりの、あたたかくも決してそれだけではない作品。良作。

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なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」