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つつみこむもの

リスクの高い人に送るための、気持ちばかりのマスクを作り終えて、今日も一日が終わる。
休日らしくない休日だけれど、ミシンのととのったリズムはなかなか心地良くて好きだ。

わたしが度重なる入院をしていた時に、手助けをありがとう。
いつも頼もしく感じています。
そんな言葉を縫い込むように、針は進む。

こんなに同じかたちのものを縫ったことは、多分これまでにはない。
気紛れに欲しいものを縫って、編んで、作ってきただけだから。
手洗いをして、マスクをして、アルコール消毒をしてから縫う、そんなはじめてのやり方。

素人仕事なのに、また欲しいとかありがとうと言われるのは、やはり嬉しい。
出来ることがある、することがあるというのは、気持ちをほんの少し軽くする。

風呂敷に感謝の品を包むように、生地に気持ちを包み込む。
どうか健康でいられますようにと。

次はどんな布を縫おうかしら。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」