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小説『かるいはおもい、おもいはかるい』

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#初めての小説

かるいはおもい、おもいはかるい 後編

かるいはおもい、おもいはかるい 後編

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「ごめん、実は今日帰らなきゃ。」

石山は眠りに落ちる直前の香苗に聞こえるか聞こえないかの声で囁いた。

「金曜日なのに。」

香苗はなるべく軽い音を出しながら、背中に感じる石山の腕を掴む代わりに心持ち深くベッドに腰を沈める。ビジネスホテルの硬いマットレスがぎいっと軋んだ。

毎月第3金曜日は石山夫婦の決まり事として、仕事理由以外での外泊が許可されていた。どれだけ仲が良く

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かるいはおもい、おもいはかるい 前編

かるいはおもい、おもいはかるい 前編

「コンビニのバイトを3日でクビになっちゃって、もう自分は誰かに雇われて働くのは無理だと思ったんです。」

教えて欲しい。どうやったらコンビニのバイトを3日でクビになれるのか。
私だったら。そう、3日で「社員にならないか」と誘われるんじゃないかと思う。

香苗は首から下げたIDカードでオフィスのコピー機のロックを解除すると、そう話した昔の友人を不意に思い出していた。一見バイトをクビになるようには見え

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