美しい景観で世界文化遺産に登録されたオルチャ渓谷

紀元前3～2世紀に建設が始まった古代ローマのカッシア街道は、ローマからアレッツォ、フィレンツエを通り、ティレニア海のルナまでを結んでいましたが、現在カッシア街道と呼ばれている国道2号線は、古代よりも海寄り、ローマからシエナを通りフィレンツェまでを結んでいます。

そのカッシア街道、ローマから約150km北上し、エトルリア時代に主男神ティニアの住処といわれた火山アミアタ山を左手に後にすると、なだらかな丘が連なるオルチャ渓谷を通過します。

美しい緑のグラデーションの中にまざる桃色の花、まっすぐ天を目指し立ち並ぶ糸杉、澄み渡る空に浮かぶシュークリームのような形の雲、高台につくられた中世の要塞。

普段、遺跡巡りしかしない私が、友達の下見に付き合い、南部トスカーナを巡った1日は、ドライブ中の楽しいおしゃべりとともに、普段のストレスを忘れさせてくれる一日となりました。

でも、やっぱり私は木々に覆われたウンブリアの丘の方が心が落ち着くのだけれども。