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誰かのための、楽譜。  演奏後記①

Armarium初のコンサート、
今回の前半プログラムはこちらでした。

バッハ  フランス組曲第5番より
     アルマンド/ガヴォット
     コラール〝目覚めよと呼ぶ声あり〟
メンデルスゾーン  無言歌集より
          狩の歌/詩人のハープ
シューベルト  ます/子守歌
ドビュッシー  「子供の領分」より
        小さな羊飼い
        ゴリヴォーグのケーク・ウォーク
フォーレ  組曲「ドリー」より 子守歌

テーマは
【誰かのために書かれた音楽】

作曲家は遠い歴史上の人物、偉人の一人ではありますが、私たちと同じように日常を重ねて生きていたひとりの人間。
だからこそ天才!とも思うんですが、音楽以外の時間が創造のモチベーションでもあったということを、作品から立体的に感じていただたらなぁ、とそんな選曲にしてみました。

バッハ

バッハのフランス組曲は、再婚した妻 アンナ・マグダレーナのために書かれたもの。
ソプラノ歌手でもあったアンナへの音楽家としての想い、そして旦那さまとしての愛が込められた、コンパクトだけれどとても素敵な小品たちです。
バッハ家ではきっと、みんなで弾いたり歌ったり…日常的に音楽が流れていたのでしょうね。

この曲は発表会で弾いたことのある子たちもいたかな?

〝目覚めよと呼ぶ声あり〟のメロディは、知らない方はいないんじゃないかしら。
でもコラールとして聴くことは少なくて、のちにオルガン曲として自身で編曲したもののほうが有名です。
ライプツィヒの教会で音楽監督として後半生を過ごしたバッハは、毎週教会の音楽を書き続けていました。
今年は就任300年の記念年でもあるんだとか!
聖書の一説が描かれたコラールを、今回はお楽しみいただきました。

メンデルスゾーン

そのライプツィヒで、ドイツで初めての音楽教育機関を設立したのはメンデルスゾーンです。
友人シューマンも講師として務め、体系的な音楽教育の土台を整えました。
日本で西洋音楽を初めて作曲したことで知られる瀧廉太郎も、ここで学んでいます。
またオーケストラの充実にも心を砕き、指揮者、作曲家、演奏家として多彩な活躍をした彼が遺したものなかに、美しい「無言歌」というジャンルがあります。
字の如く、言葉のない歌。
聴衆の心に詩が浮かぶような、美しいメロディがたくさん詰まった曲集から2曲を聴いていただきました。


会場について

小黒恵子童謡記念館、その名のとおり童謡作詞家として活躍された小黒恵子さんの記念館です。
数多くの作品を遺されて、この記念館も皆さんに楽しんでもらいたいという思いから、オルゴールや蓄音機を集められたんだそうです。
昔の建築ならではのホールが生む豊かな響きが、本当に素敵な会場でした。
童謡ーー子どもたちのために書かれた音楽。
ここからヒントを得て、今回のプログラムを組んでいくことになりました。
後半は次回に…♪


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