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遺書No.807 漢(おとこ)の研究。

※この記事は2004年7月6日から2009年7月5までの5年間毎日記録していた「遺書」の1ページを抜粋して転載したものです。

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2006.9.26 漢(おとこ)のチャレンジ精神。
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ケッ!(`д´メ)
どーせ俺は腐ったミカンさ!





こんばんわ、みーくんです。




いや、冒頭の文章には、
特に何の意味も含まれてはいないんですけどね。

高校生の頃。

私は自分の生き方について、
いつも自問自答していた。

その命題の一つに、

漢(おとこ)とは何ぞや?


という問いかけがあった。

とにかく、私はカッコイイ男になりたかった。
カッコイイ男になって、
周囲に一目置かれたかった。

だから、漢(おとこ)と呼ばれるには、
一体どうしたらいいのか?
そんなことばかりを考えていた時期があった。



・・・その日の私は、
いつもより家路を急いでいた。

ルパン三世の再放送が見たかったからだ。

もしかしたら、
そこに漢のヒントが隠されているかも知れない。
そう思ったのかどうかは覚えていない。

自転車通学だった私は、
学校から家までの12kmという距離を、
ひたすらママチャリを漕いで通っていた。

その日の帰り道も、当然チャリンコだ。

『早く帰らないとルパンを見逃してしまう』

その思いが家路を急ぐ気持ちと、
ペダルを漕ぐ力に拍車をかけていた。

そして、
家まであと3kmという地点に差し掛かった所で、
500mほどの長い直線の道に出た。

その先が車では通れない細い道となっているので、
滅多に車両とすれ違うことがない道だ。

その道を走りながら、私は考えた。


「10秒間目を瞑ったまま全力で自転車をこぐッ!!それが漢ッ!!」


我ながら、勇気リンリンのアイデアである。
もちろん、救い難きおバカさんでもある。


もし成功したならば、
私には漢ポイントが2つ与えられる。
誰が与えてくれるのかは知らないが、
とにかくもらえる。

そう思っていた。

道は対向二車線の道路で、
車が通らないわりには広い。

しかし、誤って道を外れれば、
落差1mほど下にある田んぼに突っ込むことになる。

まさに生死をかけたチャレンジだ。

そんな状況下でも、私にためらいはなかった。
一度決めた事は何があっても実行する。
それが『漢』という人間だ。


私は、やる。



・・・ゆっくりと目を閉じ、

10秒をカウントし始めた。



1...







2...







3...





4..



5..


6.


89ッ!



1(jiッ・・・!!!!






ドッガッシャァああああァァッ!!!!
















・・・途中、

インチキしてカウントを早めたにも関わらず、
歩道側にある縁石に乗り上げで宙を舞い、
そのまま歩道の幅も飛び越えて道路脇にある、
およそ1m下の田んぼまでダイブする俺。

・・・いや、漢(おとこ)?



んぐっッ・・・・くっフゥん・・・・泣









・・・・ _| ̄|○  ・・・・




↑ とにかく猛烈な痛みでうずくまりつつ、
しばらくこの体制のまま動けないでいたのは、
語らずとも察して頂きたい。


そして、

俺、カッコわるぅ~!(;´Д`)

いや、てゆか、もうね、


漢(おとこ)とか訳わかんない。


※真に訳わからんのはおまえの頭の中な訳だけど、もはや訳が分かってないから許すとしよう。


こうして俺は、何かを得て、何かを失った。


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2022.10.28
毎日遺書を書き始めた当時807日目の投稿内容。
夏に帰省して20数年ぶりにその道を通ったら脇の田んぼがなくなってた。


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。