2024年3月中旬市況(USDJPY GOLD)
トピック
サマータイム(夏時間)開始
サマータイムが3月10日から始まったことで、欧州、米国の取引時間が変わわることに注意が必要である。
サマータイムに伴って、経済指標の多くも21時30分や23時00分に30分前倒しで発表されるため、注意が必要である。
日銀政策変更 マイナス金利解除
日銀が3月19日(火)の金融政策決定会合でマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げを行うことを決定した。イールドカーブコントロール(長短金利操作)を廃止し、ETFの新規購入を停止することとなった。黒田総裁が2013年4月に始めた大規模な金融緩和政策が終焉を迎える歴史的な日となった。
実際に日銀は11日 東証株価指数(TOPIX)が午前の取引で2.3%下落したにもかかわらず、ETFの買い入れを見送っており、2021年4月以降の「暗黙のルール」を覆す異例の対応となった。
経済指標
3/8 米国雇用統計
雇用者数の伸びは健全さを維持したものの、失業率が2年ぶりの高水準に上昇した。雇用と賃金の伸びはやや落ち着いた。
今回の雇用統計は、労働市場が徐々に減速していることを示した。インフレ再燃リスクがそれほど高まらずに米経済が拡大し続ける可能性が示唆されたため、米金融当局にとっては、年内に利下げに踏み切る余地が生まれる。
3/12 米消費者物価指数
物価上昇は続いているものの、先月よりは上昇が鈍化した。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月に続き市場予想を上回る伸び。
3/20 連邦公開市場委員会(FOMC)会合
FOMCは3月19、20日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定した。金利据え置きは5会合連続。
2024年の利下げについて0.25ポイントを3回という従来予想を示した。
USDJPY
日足
3月のドル円を日足で眺めると、2月中旬からのレンジを抜け、月初から開始する下落により、4営業日の間に150.4円から146.4円まで約4円もの円高が進行。
その後、8日(米雇用統計)の際につけた安値を底に、12日(CPI)以降円安に転換し、約2周間にわたり上昇を続けている。その際に2月13日の高値をブレイクし、今年の最高値を更新、2023年11月13日の高値(151.90円)に迫っている。
週足
週足で見ても、三点天井で、2022年10月21日の為替介入直前の高値水準に迫っている。当時のレートは、151.94円。
なお、この水準をブレイクすると、1990年6月以来の円安水準に到達する。歴史的な光景を目の当たりにすることになる。
GOLD
日足
3月6日に史上最高値を更新、連日高値を更新し続け、8日(米雇用統計)に最高値をつけた後、一度調整に入った。
3月中旬は7営業日横ばいが続いたが、FOMCの結果を受け、今週21日のアジア時間に再びレンジブレイクし、再び史上最高値を更新した。
GOLDの動きは、ドル円とはやや異なり、米国の利下げ観測が強まるタイミングで高騰し、一度方向性が決定されると一気に相場が動き、その後は次の重要指標までレンジを作る。ここ数週間のGOLDの上昇は、ドル売りが主導であり、経済指標の発表をもって半月の動きの趨勢が決まっていくような傾向がある。
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