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愛犬とのお別れ

こんにちは。

今日は少し、かなしい話。


15年一緒に過ごした愛犬とのお別れをしてきました。


家族になったのは15年前、わたしが高校3年生の5月。


知人の家で仔犬が生まれたと聞き、
飼う予定はなかったのですが
ちょっと見に行ってみようか、となって
母と二人で知人宅を訪れました。


初対面の瞬間を、今でもはっきりと覚えています。


母犬にべったりくっついてる2匹の可愛い仔犬。


そのうちの一匹が、

まだやっと歩き出したくらいのよちよち歩きで

わたし達に近づいてきて匂いを嗅ぎながら

じーっと目を見つめられた瞬間、

母と同時に

「・・・これはヤバいね(笑)」と。


帰りの車内では、

「飼いたいけど・・」

「ねぇ・・」

同じ会話の繰り返しでした。


実はこの半年前に、飼っていた愛犬が亡くなったばかりで

まだ傷心していたこともあり、

生き物を飼うことに対してかなりの抵抗がありました。

同じような経験は、辛すぎてもうしたくないと思っていました。


やっぱり、飼うのはやめておこう。

この日はこう決断をしました。


しばらくして、たまたま別の用事で
同じ知人宅を訪れることになりました。

「まだあの子たちいるんですか?」と尋ねると
「一匹は飼い主さんが見つかったよ」とのこと。


この時わたしはなぜか瞬時に
「まだいるのがこの前の子だったら、連れて帰ろう」
そう思ったんです。本当に、唐突に。

なんとなく、本当になんとなくなんですが
亡くなった愛犬が、それを望んでいるような気がして。

今思えば、いつまでも落ち込んでいるわたしを見て
想いを届けてくれたのかなぁ・・なんて思います。


なんとも言えない心境で犬小屋に行くと

母犬の足元からひょこっと顔を出したのは、あの子。

一瞬で「名前は”まるこ”にしよう」と決めました。


飼いたい旨を知人に伝え、帰って家族に相談をしました。

最初は驚かれましたが、すぐに喜んでくれました。


家に迎える準備を整え、母と二人で知人宅へ。

血統書の説明を受け、犬小屋へ行くと

母犬が全てを悟っている目で、わたし達を見ていました。

これは本当に印象的でした。


「寂しい思いをさせてごめんね。
でも絶対大切にするから、安心してね」

わたしは母犬に、言葉で伝えました。

それでも母犬は辛かったでしょう。

でも優しく賢い子で、知人がまるこを抱いても

じっとその様子を見つめていました。


初めて抱っこしたまるこは

両手のひらから少し溢れるくらいのサイズで、

不安そうな顔をしていました。

家に連れて帰ってからも一週間くらいは元気がなく、

じっとして遊びもせず、ご飯もあまり食べずでした。


「だいじょうぶだよ」

わたしは毎日毎日、まるこに気持ちを伝え続けました。


一ヶ月も経つとすっかり慣れ

椅子やテーブルをかじって、父に怒られるくらい(笑)

我が家に馴染んでくれました。


まるこの元気な姿を見る度に、

亡くなった前の愛犬のことも

悲しい気持ちではなく、

明るい気持ちで思い出せるようになっていました。


この気持ちは、ふたりがわたしに教えてくれたもの。

感謝しかありません。



それから15年、まること過ごした毎日は

本当に楽しくて、しあわせで。


高校を卒業して家を出て、たまにしか帰って来れなくても
いつも変わらずに「おかえり!」と迎えてくれたまるこ。

わたしの車の音を覚えていて、
いつもわたしが帰ってくる少し前から
しっぽを振って鳴きはじめていたと家族から聞きました。

本当に甘えん坊で、かまって欲しいときは
自分でドアを開けて家に入ってきたり、

でも優しくて、いつも顔を合わせると
「散歩行くー!」とアピールするのに、
わたしの体調が悪いときは一切しなくて。

甥っ子達と4人で散歩に行けるようになって、
二人だけだった散歩がもっと楽しくなったね。

車に乗せて、お出かけもしたなぁ。
我が物顔で助手席に乗るまるこが可笑しくて、愛しくて。


まるこがいなかったら味わえなかったしあわせを

たくさん教えてくれました。


15歳を迎え、視力も聴力もほぼなくなって
足腰の力も弱まり、歩けなくなって
家族みんなで覚悟をしはじめたばっかりでした。


もう歩けなかったので、首輪の紐も繋がずに
雨に濡れないよう庭の軒先に連れて来て柵で囲んでいたそうです。

わたしは福岡にいたので、その様子を随時家族から聞いていて
17日に会いに帰ろうと思っていた最中。

16日に母から電話があり
「実はまるこが13日にいなくなって、
大雨の中、家族みんなで探して
近所の人や警察にも聞いたけど、見つからなくて・・」

頭が真っ白でした。

動揺を見せたら母も心配するだろうし、
まだ仕事もあったので必死に冷静に、と
自分に言い聞かせました。

家に帰ってから、一晩中涙が止まりませんでした。

夜になって父から電話があり、
電話越しに弱々しく謝り続ける父の声は、初めて聞くものでした。

首を動かすのかやっとくらいだったので、
そう遠くには歩いて行けないはず。
家の周辺は探したけどいないから
もしかしたら家のすぐ横の川に・・・
との話でした。

夫が「明日の朝になったら、すぐ帰って探そう」
と言ってくれ、わずかな希望だけを持って帰りました。


せめて、見つけてあげたい。

この一心でした。


雨の中夫とあちこちを探しましたが、見つからず。

雨で増量した川が、ただただ無惨に見えました。


父は紐を外した自分の責任だと言っていましたが
そんなことは一切思っていないよ、と伝え。

わたしが福岡に引っ越してから、
一番まるこの面倒を見てくれた父。

まるこがいなくなってから
3日もわたしに連絡ができなかった心情が
痛いほどわかります。


探している間も、涙が止まりませんでした。

今でも気が緩めば涙が溢れてきます。


最期は家族みんなで送り出してあげたかった。

体を撫でながら、ありがとうをいっぱい伝えたかった。

最後の最後にひとりぼっちにしてしまって、ごめんね。


まるこの過ごした場所を片付け、

大好きだったごはんをお皿に入れて

まるこのまん丸の目にそっくりなひまわりを
10本買ってお供えしました。

目を瞑り、手を合わせて
伝えられなかったありがとうを、何度も何度も
心の中で言いました。


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「もう歩けなかったのに、最後の力を振り絞って
どこに行こうと思ったんだろうって考えたんだけど・・
あなたに会いに行こうとしたのかもね、なんて思うよ」

母に言われて涙が止まりませんでした。


嘘みたいな本当の話なんだけど、

13日に見た夢にまるこが出てきたんです。

早く会いに帰りたいな・・とずっと思っていたから

夢に出てきたんだろうな、と思っていたけど、

そうじゃなくって

ちゃんと会いにきてくれたんだなぁ。


夢の内容は、ありがとうとかバイバイじゃなくて
なんかいつものように賑やかい夢だったけど(笑)

それでも、うれしいよ。


まること過ごした15年の毎日は宝物。

ずっと忘れないし、ずっと大好き。

何度でも夢に出てきてね。


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これが最後に会った日、8月2日の写真。

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どうかまるこも、うちに来てしあわせだったと

思ってくれていますように。


まだまだ涙が出てしまうけど、

少しずつ寂しさに慣れていくかな。


寂しさに慣れることはあっても、

寂しくなくなるわけではない。


これからも日々、まるこを想い続けます。


ありがとう

何度も言うけど、大好き!!


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2021年8月25日 くもり

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