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あいちゃん《後編》

あいちゃんの取材記事、いよいよラストの後編です。
※中編はこちら

銭湯やトイレであったトラブルや、あいちゃんの素敵な夢の話を伺いました。

是非最後までご覧ください。
それではいきましょう!!

~Xで投稿されていて気になったことがあります。
銭湯好きだけど入り口で違う性別の鍵を渡されたり、じろじろ見られたりってことが多かったとか。

あいちゃん そうです。銭湯好きなんです。以前は頻繁に行っていました。行くときはスッピンで髪の毛をオールバックにして、できるだけメンズ感を強めました。それでも周りの男性と比べて肌は白いし、脱毛していて手足に毛もないからか、番頭さんから女風呂の鍵を渡されることが多かったです。
お風呂に入っても、視線をいつも感じていました。それもあって、お尻触られたり、広い浴場なのに絶対横に座ってきたり、見せつけられたりと、怖い思いをしたこともありました。
一番嫌だったことは、中高生とか大学生の集団がいたとき。友達同士で私のほうを見て話している声が聞こえるんです。「あれやばい!見てみろ!」とか言われたりしました。

~嫌な気持ちになりますね。丸聞こえですし。

あいちゃん 私は女性ホルモンの投与はしていないし、胸はないんですよ。にもかかわらず「胸がある」ってその人たちが話す声が聞こえました。
そういったトラブルが多くて、好きな銭湯だけど最近は控えるようにしています。

あとトイレでも嫌なことがあって。あるときデパートでトイレ行きたくなって多目的も埋まってることがあったんですよ。できるだけ普段は多目的使ってたんですけど。見た目が今よりメンズ寄りだったから、もう我慢できんって思って男子トイレ駆け込んだんです。
そしたら女子トイレに並んでいたおばさんに「ズルしてんじゃないわよ」って言われて。「何言ってんだ?」って思ったんですが、そのまま用を足しました。
個室から出たら、目の前に警備員が立っていたんです。おばさんが「女が男子トイレに入りました」って警備員に言ったみたいで。

~嫌なことがありましたね!それで、警備員さんに男だと伝えて解決したんですか?

あいちゃん それがならなかったんですよ。男ですよって言ったら、ほんとですか?って警備員さんに言われて。免許証見せたんですけど「これあなたじゃないですよね?」って。

~え!偽造するわけないですよね。それでどうなったんですか?

あいちゃん 喉仏あるでしょって。なんなら下触ります?みたいなやりとりがあって、最後は警備員さんから謝罪いただいて終わったんですけどね。
おばさんには「かわいくてすみません」って嫌味言ってやりました。

~かっこいい!
でもわかります。私でも女装してなくても男子トイレでおじさんが間違えたかと思って出て行くことがありますし。

あいちゃん そうですよね。どうしてもトラブルがあるから今は多目的を使わせてもらうようにしてます。
今後トイレ問題どうなってほしいって言われたら、
多目的トイレみたいに独立した個室のトイレを増やしてほしいですね。

~ほんとですね。スペースの問題はありますが、何も気にせず普通にトイレに行けるようになってほしいと私も思います。
次の質問させてください。X、インスタに加えて、ふわっちでライブ配信を始められました。こうやって自分を発信している理由を教えてください。

あいちゃん 私の生き方をみなさんに知って欲しいと思ってます。こんな生き方でもいいんだって思ってくれる人を増やしたい。
あと大きな夢なんですが、母校で講演会を開きたいと思ってます。

~すごく素敵な夢ですね!

あいちゃん その理由がけっこう個人的な話なんですが、私が今の見た目になるきっかけを与えてくれたクソ教師がいるんです。

~クソ教師なんですか!?(笑)

あいちゃん そう。中学校の卒業式のことでした。私ね、一応野球部だったんです。

~野球部だったんですか!今のあいちゃんからは想像できませんね。

あいちゃん こう見えて意外と上手くてレギュラーでした。それで卒業式の日、お世話になった顧問の先生に「何かはなむけの言葉もらえませんか?」って言いました。そしたらなんて言ったと思います?「お前はもっと男らしく生きろ」。ただそれだけ言われました。中学校最後の日に、どうしてそんなこと言われなきゃいけないのかすごくムカつきました。
はぁ?って思った。中学校最後の日に、男らしく生きろ。そんなんじゃダメだってなんで言われなきゃいけないのってすごくムカつきました。
私はそれが反骨精神に変わったんだけど、教育の現場って子どもに与える影響大きいじゃないですか。しかも学校って閉鎖的な空間で、そこだけの価値観で生きるでしょ?だからもし講演会をすることができたら、子どもたちに社会に出たらこういう生き方もあるよ、自由に生きていいんだよっていうのを伝えたいなって思ってます。

~めっちゃ素敵じゃないですか。是非叶えてほしい!

あいちゃん そのために、ふわっちで配信したり、Xとかインスタで私を知ってくれる人を増やしていきたいですね。SNSって誰が見てるかわからないでしょ?例えばテレビ関係者が見えてくれて興味持ってくれたり、いろんなつながりができるかもしれない。そんな目標を持って発信してます。

~すばらしいですね。

あいちゃん それが最後の目標ですね。ジェンダーレスの生き方についての講演会をしたい。同じような悩みを持っている人たちに響けば嬉しいし。あなたはおかしくないよ?ってメッセージを伝えたいですね。

~そんな素敵な夢をもつきっかけになった先生、今では感謝ですね。

あいちゃん ほんとそうです。その後成人式で再開したんですけど言ってやりました。「先生、あの時の言葉覚えてます?あなたのおかげで、私自分らしく生きれてるので、ありがとうございます」って。結局覚えてなかったんですけどね。

~こういうのは言った方は覚えてないんですよね。言われた方は一生覚えてるのに。

あいちゃん 反発して今みたいな自分になれたところがあるんで感謝ですよ。性格が明るくてよかったと思います。ひねくれものというか。ちゃんと自分の意見はしっかり言いますし。

~そうなんですよね。それがすごいなと思ってて。すごくはっきり自分の意見持ってますよね。私苦手だからうらやましいです。

あいちゃん 駄目ですよ。はっきり言わないと!

~がんばります(汗)
いろいろ話聞かせていただいてありがとうございます。

あいちゃん 私の人生を振り返ると、人並み以上に幸せな人生を歩んでいたと思います。性別で悩むことは確かにありました。学生時代は声を出せばオカマと言われて。かなり人の目を気にしていました。でもそれからたくさんの事を経験してきて、「自分が人にどう思われるか悩んでることって、人からしたら大したことじゃない」って気付いたんですよね。だから人の目なんて気にせず、自分がより輝ける見た目を追求したい。今となってはジェンダーレスな見た目に産んでくれてありがとうと両親に思っています。出会ってきた人たちも良心的な人達ばかりで、みんなに感謝の気持ちを持てるようになりました。

自分のやりたいことやらずに誰の人生を生きてるのか!って思うんですよ。

これからも私らしく生きていきたいと思います。

~取材させていただきありがとうございました。講演会の夢の実現に向け、私も応援していきたいと思います。
共通点が多く、わかる!わかるわ~だらけのインタビューでした。
強い意志を持ち、自分らしく生きるあいちゃんの魅力が伝わったら嬉しいです✨

最後まで読んでいただきありがとうございました!




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