見出し画像

#9 「市場見学」という特権

風の丘ガーデンでの研修9日目。
今日は待ちに待った「市場見学」の日だった。

私は、一次産業の面白みを語る上で外せないのが「市場」だと思っている。

朝早くから開場し、バイヤーがこぞって競りを行う。おそらく、魚市場がイメージしやすいかもしれない。消費者に届けるために、生産地から出荷された最も鮮度が良い状態の商品が、一気に一つの場所に集まるのだ。

時は2年前に遡る。
宮城県石巻市にて水産業に携わっていた私は、仕事の関係で魚市場に行くことが何度もあった。
水揚げされた魚が無数に並び、競りがあちこちで行われる。
見たことない魚、規格外の大きさの魚を目の当たりにすることができ、いちいち感動したことを覚えている。
さらに、市場には権利が与えられた者しか立ち入ることができないので、”プレミアム感”を味わうことができる。

今回、「花市場」を見学できることになった。
テンションが上がらないわけがなかった。
移動中の車酔いが秒で覚めるほど、市場に着いた時の心は躍っていた。

都城園芸花市場

市場は一次産業の博覧会だと思っている。
事実、市場に入場すると、多種多様な花に出会うことができた。

ガーベラ、マーガレット、マリーゴールド。
知っている花はもちろんのこと、まだまだ知らない花種のオンパレード。子供の頃に来ていたら速攻で覚えられたんだろうけど、今年で25歳になる頭では自信が湧かないほど、花が四方八方に並んでいた。

ちょうど離任式シーズンだからか、
胡蝶蘭の数の多さが目立つ。

花言葉は「幸福が飛んでくる」
紫色の胡蝶蘭も見ることができた。

他にも、南国の宮崎が故なのだろうか。
トロピカルな見た目をした植物も。

博物館や植物園とはまた違う、
「この子たちはこれから売られていくんや」
という、観察だけでなく"送り出す"って感覚を持ちながら見られるのが市場の魅力の一つかなと思ったりする。

競り場

今日は「前取り」と言って、競り掛けられる前に好みの花を購入したので、競りの場を拝見することはできなかった。
花業界では、この前取りで購入されなかった花が翌日の競りに掛けられるそうだ。その場合、格安で買い叩かれてしまうこともあるので、全ての花に相応しい行き場が決まることを願うばかりだ。

そして、風の丘ガーデンがこの日購入した花たちはこちら。

手前左から「ブラキカム」「オステオスペルマム」「ローダンセマム」
奥左から「マーガレット」「薔薇」

特に印象に残ったのが、「薔薇」である。
この薔薇は「アンティーク」という種だそうで、白をベースにした花びらに薄ピンクがかかっていて、種名に相応しい洋風家具に馴染みそうな花だった。

市場を後にして一番に思ったことは、
「産業の流れを見ることは面白い!」ということだった。

昔から、何かに興味を持った時は細部まで知ろうとしていた。英語を勉強する時は英語の起源から勉強した。スポーツを観るときはルールを調べてから観るようにした。これは自慢でもなんでもなくて、ただの癖なんだと思う。

花に興味が湧いたからまずは生産から!

と思った自分の感性は特殊かと言われればそうなのかもしれないが、本人が楽しいので良しとしたい。

長いようであっという間だと思う2ヶ月の研修。
もっと花のことを知りたいなと思った1日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?