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#7 Dr.SEED (ドクターシード)
日曜日が終わり、風の丘ガーデンでの研修7日目が始まった。明日の出荷準備をしたり、カーネーションの水やりをしたり。研修が始まって1週間、最初に比べて幾分か作業の勝手が分かってきたように思える。
さて、今日は嬉しいことがあった。
先週の木曜日に植えたポーチュラカの種が見事発芽したからだ。種植えの様子は「#4 水やり3年/種まきマシーン」にて詳細を書いているので、是非見て欲しい。
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ちなみに、ポーチュラカはこんな花。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/75236387/picture_pc_21d9076e617fdfe2f5be1f6b14ed6298.png?width=800)
夏の暑さにも負けない元気な花
それにしても、種まきから3日ほどで芽が出るなんて発芽室の威力は凄まじや…。
ポーチュラカの発芽を確認したあと、今度はサルビアの種を植えることに。
すると、オーナーの渋田さんが作業場の冷蔵庫を開けた。
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/75236811/picture_pc_0ffc9c758bfbbdb73fc7533088d1c080.jpg?width=800)
全部、「種」である。
表記を見ると英語のものが多い。
海外から取り寄せた種のようだ。
聞けば、3年前から保管している種もあるらしい。
ここで一つ疑問が生まれた。
「種って生きてるのか?」
という疑問だ。
動物の卵の場合、
卵ができる=生命が宿ったことを意味する。
そのため、卵ができた瞬間から命はスタートする。
しかし、種子は環境が揃わないと命をスタートさせない。
気温、湿度、日光の有無など、発芽に適した環境が揃って発芽する。そうでなければ、冷蔵庫で保管されているように、発芽することなく種子のまま存在を続ける。
生きてもないし、死んでもない。
渋田さんの言葉を借りれば、種子たちは「仮死状態」にあるそうだ。
私はこの話を聞いたとき、ある漫画が思いついた。
「Dr.STONE」である。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/75237669/picture_pc_1bdc1d465eef8e0675502abf121ccc0d.png?width=800)
【あらすじ】
ある日、謎の光によって地球上の全人類が石化してしまう。
そこから約3700年が経過。人類が築き上げた文明の影は無くなり、地球は広大な大地と自然が広がる惑星へと退化していた。そんな世界で、本作の主人公・石神千空が奇跡の復活を遂げる。彼は16歳にして科学の天才。次々と仲間の石化を解き、0から科学文明を築き上げていく。
根っから文系脳の私でも理科を勉強し直したいなと思わせるほど、ジャンプらしい熱血感を失うことなく科学の魅力を伝えてくれる超名作。子供に読ませたい漫画ベスト3に間違いなくランクインしている。
ストーリーの肝となる「石化」について。
ここで重要となるのは、石化した人間は死んでいないということ。意識は無くなるし、自ら動くこともできない。しかし、「硝酸」をかけることによって石化は解かれ、中の人間は特に問題なく復活することができる。
つまり、
「硝酸がかけられる」という環境があって初めて石化が解かれる。
そうでなければ、半永久的に物質として存在し続けることになるのだ。
この漫画を読んでいた時、主要人物以外の世界中の石化した人々はどうなるんだろうと考えていた。硝酸をかけてもらわないと、死んでもないのに、生きることもできない。
種も同じだ。
発芽する環境が整わないと、死んでるわけでもないのに、命を宿すことができない。
死んでるわけはない。
でも、生きてもいない。
この不思議な感覚を「Dr.STONE」という漫画を通すことでイメージすることはできるかもしれない。
でも、実際に自分が石化することはないだろう。
となると、やっぱり植物について完璧に共感することは不可能だなと思う。ちょっぴり悔しい。
この意味のわからない、理解不能な生き物がまた少し可愛いらしいと思った日だった。
ちなみに、今回のタイトルに深い意味はない。
単純に漫画のタイトルをもじってみたかっただけ。
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