結婚式は花嫁のためにある
パンデミックのせいで、ここ数年結婚式の数が減少している。
私の世代は大方すでに嫁入り済みor離婚済みなので、友人の結婚式に出る機会もめっきり減ったが、若いカップルは「式を挙げるかどうか」で悩んでいることも多い。
そんな中、フォロワーの枝折(しおり)さんが今年結婚式を挙げる予定だと聞き、私は非常に嬉しく思った。
結婚式は周囲にも笑顔をもたらしてくれる幸せなイベントだ。
なんとなく自分の結婚式のことを思い出したので、少し記しておきます。
結婚式の変遷
結婚式は時代によってトレンドがある。
80年代はとにかくド派手。
大量のスモークの中、新郎新婦がゴンドラに乗って登場したり、一体何mあるのか分からないほど高さのあるウェディングケーキが好まれた。
90年代は海外挙式がブームに。
海外に行って2人だけで式を挙げ、帰国してから友人を呼んでパーティーを開くスタイルが流行った。
青い海に白い砂浜で見つめ合うふたり、な写真がマスト。
そして2000年代はレストランウェディング・ガーデンウェディングなど、パーティースタイルが流行していた。
私はこの時期に結婚式を挙げたのだが、悩んだ末に王道のホテルウェディングを選択。
遠方から来てくれる高齢の親戚が多かったので、披露宴が終わった後に移動無しでそのままホテルに泊まれたほうが楽なのでは、と考えたのだ。
さて、その当該ホテルは意外と早く決まった。
決め手は「料理」と「ホスピタリティ」
銀座にある某ホテルへ見学に行った時のこと。
施設がとても素敵だったので、自分の中ではほぼ決まりかけていた。
しかし披露宴で出される料理が気になっていたのだ。
当時は結婚式にまだ数回しか出席したことがなかったが、披露宴で出される料理をあまり美味しいと感じたことがない。
だから料理にはこだわりたかった。
ウェディングフェアを開催していない日に行ったため、料理の試食は出来ない。
ただし披露宴料理を担当するレストランは開いていた。
口コミでも高評価だったので「実際に食べて味を確かめてみよう!」となったのだ。
レストランへ赴き、スタンダードなコース料理を注文したところ、何やらメニューに載っていない料理が出てきた。
「こちら、実際に披露宴で出している一品です。ウェディングプランナーからお客様のことを伺いまして、数品だけですが召し上がって頂きたく…」
なんと、通常のコースに加えて披露宴用の料理をサービスしてくれたのだ。
もちろん味のクオリティは最高。
そして何と言ってもこのホスピタリティ。
夫と2人で「もう決まりだね」と即決したのだ。
ウェディングドレスにかける情熱
結婚前から、私は常々思っていた。
なぜ世の花嫁は披露宴の途中にお色直しでカラードレスに着替えてしまうのか、と。
純白のウェディングドレスは結婚式の花嫁にだけ許される特別な衣装。
そんな貴重なドレスをたった数時間で脱いでしまうなんてもったいない。
そこで私はお色直しをしないという決断をした。
だってずっと着てたいんだもん。
しかし担当ウェディングプランナーの女性・伊藤さんが「待った」をかける。
「お色直しには新郎新婦のトイレ休憩の意味合いもありまして。ですから中座をオススメします。けれども戻って来た時にまったく同じ格好だと、ゲストが少しガッカリするかもしれません」
なるほど。
さすがは百戦錬磨のウェディングプランナー。
そこで伊藤さんは、ウエディングドレスはそのままで髪型とブーケだけを変えるという提案をしてくれた。
雰囲気が変わるのでお色直し感も出せると。
もしかしたら「あら、お色直しのお金がなかったのかしら」と思われるかもしれないが、「こちとらレンタル料40万のドレスやぞ!!」と開き直ることにしたのだ。
一生の思い出
披露宴に出席した友人たちからは「カラードレスじゃないからビックリした!」と言われたが、私にはもうひとつミッションがあった。
ホテルから2次会の会場まで、ウェディングドレスで銀座を歩くのだ。
以前から思っていた。
2次会からの参加だと、花嫁さんのウェディングドレス姿が見られなくて悲しい、と。
2次会には花嫁さんが大抵お色直し後に来るので、カラードレスしか拝めない。
でもせっかくだからウェディングドレスを生で見たいのに…!
というわけで私は自分の結婚式の2次会はウェディングドレスで臨むと固く心に誓っていたのだ。
2次会の会場はホテルから徒歩10分ほどだったが、さすがに着慣れないドレスで歩くのは厳しい距離。
そこでタクシーで近くまで行ってもらい、途中で降りて50mほどの距離をウェディングドレスで歩いた。
もちろん道行く人々が足を止める。
「わー!花嫁さんだ!」
「おめでとうございます!!」
見ず知らずの通行人が口々にお祝いの言葉をくれる。
あぁ、これが私の人生のハイライトだ。
間違いない。
今でも鮮明に思い出せるほど、一生の思い出になった。
後悔するぐらいなら挙げるべき
結婚式を挙げないという選択もある。
「式にお金をかけるぐらいなら別のことに使いたい」「準備がわずらわしい」など、2人が納得しているならそれでいい。
ただ、昨今のパンデミックやおめでた婚など、「本当は挙げたいけれど挙げられない」という状況の場合は別だ。
どんなに遅くなったとしても、絶対に挙げたほうが良い。
なぜなら「結婚式をしたかったのに出来なかった」という女性の恨みは強いのだ。
人生でたった一度(数度の人もいるが)女子が主役になれる1日、それが結婚式。
一緒に生活していく中で、時にすれ違い時にケンカする日もあるでしょう。
そんな時、妻はこんなことを口にするかもしれない。
「なによ!私は結婚式も挙げてないのに!ウェディングドレスも着れなかったのに!!」
そんな悲しいことを言わせないためにも、奥様が望むならどうか結婚式を挙げてください。
大袈裟な挙式や披露宴じゃなくて良い。
ただウェディングドレスや白無垢で一緒に写真を撮るだけでも良い。
入学式や卒業式と一緒だ。
式をすることで、2人の歩んできた道筋の証明になる。
健やかなる時も病める時も、心を灯す思い出として在り続けてくれるのだ。
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