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私を作り上げた3人の作家さん

好きな作家や小説家を3人挙げるだけで、その人の人柄が分かるそうだ。
私は好きな作家さんが無数にいるので3人に絞り込むのは難しい。
そこで、高校生の時に私の「土台」を作り上げてくれた作家さんというお題で3人紹介してみます。


山田詠美

一番最初に読んだ「ぼくは勉強ができない」は衝撃的だった。
当時進学校に通っていた私は、こんな生き方があるのか、と頭をぶん殴られたような思いで夢中になって読んだ。
名作に名を連ねているので今更詳細は書かないが、主人公の秀美くんに恋をし、またその自由奔放さに憧れた。
そして「蝶々の纏足」を読むに至り、私は決意する。

早く男を知ろう。

私がアウトローな道を歩み始めたのは、間違いなく山田詠美の影響だ。
だってエッセイでも「童貞と処女は人間じゃない」って言ってたし。

ドラマ化もした「賢者の愛」は現在の私にもすごく沁みる。



中島らも

次に食指を伸ばしたのが中島らもだ。
この人はマジでヤバい。

「アマニタ・パンセリナ」は時代が時代なら発禁図書になっていてもおかしくない代物だ。
何しろあらゆる薬物の摂取後の状態とその後遺症について自らの実体験から書かれているのだ。
おかげでらもさんは警察に逮捕されたこともある。

ちなみに私はこの本を「夏休みの課題図書」として感想文を書いたのだが、担任の先生に呼び出された。
まあ、そうだよね。
でもこの本のおかげで薬物がどんなに危険な物かを知ることができたので、啓発的な意味で書いたんだけど。

「今夜、すべてのバーで」も好きだが、最高傑作は「ガダラの豚」
これは今読み返しても本当に素晴らしい傑作だ。
らもさん、ご冥福をお祈りします。



京極夏彦

厨二病御用達、と言っても差し支えないかもしれないが、あの分厚くて真四角な「凶器になる本」と言われた講談社ノベルスのシリーズを当時収集した。

「姑獲鳥の夏」から始まった京極堂シリーズは「本格ミステリ」からやがて「妖怪小説」と呼ばれるようになり、新宿の紀伊国屋に鳥山石燕の「画図百鬼夜行」を買いに行ったのも良い思い出だ。
7千円もする本を買ったのは後にも先にもこの一冊だけ。

「いや」を「厭」と書くことを知ったり、本を片手に辞書を引いて言葉の意味を調べながら読んだのは京極夏彦が初めてだった。
それぐらいしなければ読めなかった。

余談だが私は京極夏彦先生にバレンタインチョコを送り、そのお返しに暑中見舞い葉書をもらったことがある。
直筆では無かったけど、ちょっと嬉しかった。


多感な時期の出会いによって人生が決まる

最近の高校生が影響されるのは、多分YouTuberとかTikTokerなんだろう。
私は本を神聖化していないし、別に本を読まなくてもいいと思っている。
現代において娯楽は無数にあり、本以外からも知識は吸収できるからだ。

もしも「本を読む」という現代では特殊な娯楽を持っている高校生がいたら、この3人の図書をぜひオススメしたい。
ちょっとレールから外れた「普通じゃない大人」も、ちゃんと生きられるんだよってことを知ってほしいなと。

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