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エコーチェンバー現象を防ぎたい

【エコーチェンバー現象】
SNSにおいて、価値観の似た者同士で交流し、共感し合うことにより、特定の意見や思想が増幅されて影響力をもつ現象。
攻撃的な意見や誤情報などが広まる一因ともみられている。

「デジタル大辞泉」より

類は友を呼ぶ、という言葉があるように、人は趣味嗜好や考え方が似た者同士で集まるものです。
それ自体は特に悪いことではなく、むしろ周囲に肯定される状態に身を置いたほうが精神の健康も保たれます。

ただしSNSなどの特定の環境においては、このエコーチェンバー現象により、極端な考えに走る人も出てくるのです。
多くの賛同を得ている意見なのだから間違っているはずがない、と暴走することも。

ではどうすれば防げるのか。



増え続けるカリスマ

インスタグラマーやユーチューバーなど、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人たちは年々増加している。
当然マーケットの規模も拡大傾向。

「インスタラボ編集部」より引用

彼ら・彼女らには情報拡散力がある上、「一般人」という親しみやすさがある。
そのため今や芸能人よりも経済訴求効果が大きいとすら言えるだろう。

さて拡散力があるということは、有り体に言えば信者が多いということだ。
「この人が言うんだから正しいに決まっている」と考え、情報の真偽を確かめず鵜呑みにしてしまうファンが多い。

昨今ネット上にデマが流布したり極端な意見に走る人が増えてきたのは、一部のエコーチェンバーに陥ったインフルエンサー&信者のせいでもあるのだ。



閉じた世界が人間をダメにする

まだネットが盛んでは無かった時代でも、エコーチェンバー現象と似たようなことはいくらでも起きてきた。

90年代のオウム真理教事件の際は「高学歴な人が何故あんな事件を」と話題になったが、人は閉じられた世界にいると同じ考えに染まっていくものだ。
宗教でなくとも、北九州監禁殺人事件のように特殊な環境下に置かれると、思考力が低下し善悪の判断がつかなくなってしまう。

ネットはあらゆる場所とリンクしているため、本来はひとつの空間に捉われる機会は少ない。
ところがサジェスト機能やビッグデータ技術の向上により、ネットが個人の嗜好を把握した上で情報を提供するようになってきた。

「あなたはこれが好きですよね?」「こちらもあなたの趣味に合うはずです」と勝手におすすめしてくれるのだ。

こうなってくると、自分の興味のある情報しか入ってこなくなる。
フィルターバブルという現象だ。

インターネットの世界は無限に広がっているように見えて、実は狭い



対策その1 複数のコミュニティに所属する

ここからは具体的な対策をご紹介する。

SNSのメリットのひとつがニッチな需要に応えてくれるという点だ。
普段の生活では出会うのが難しいような趣味仲間や、特定の事柄について話せる人を簡単に検索することができる。

これを利用し、普段から自分の興味があるジャンルのコミュニティを複数持っておく

例えば「アイドル」と「料理」という2つの趣味を持っている人の場合。
アイドルについてとことん話せるグループと、料理レシピを紹介するようなグループでは、集まる人の傾向も異なってくる。

性質の違うコミュニティに身を置いておくと、どちらかが極端な意見に走り始めた時に「これはおかしいぞ」と自分で気付くことができるのだ。



対策その2 正反対の人をフォローしておく

気の合う仲間同士で集まるほうが楽しいに決まっているので、SNSを利用する人はつい自分と同じ意見の人ばかりをフォローしがちだ。

そこで、自分と違う考え方の人もチェックしておく

私は基本的に気の合う人・面白い人をフォローしているが、ひとりだけ自分と正反対の人をあえてフォローしている。

欲望に忠実に生きている私とは違い、その人は規則正しく生活し、健康にも気を配っている。
そしていかに怠惰が人間をダメにするか、ということを訥々とつとつと語る記事をアップし続けているのだ。

私はその人の記事を読むとお説教されている気分になる。
いや、むしろお説教してもらいに行っているのだ。

大人になると叱られる機会も減るので、自らを戒めてくれる存在は貴重である。
読んだからといって私が自分の生き方を変えることはないのだが、「驕っていないか」「調子に乗っていないか」と立ち止まって考える時間をくれるのだ。

読むことで自分が傷つくような人をフォローする必要はないが、少し異なる考えの人はエコーチェンバーを防いでくれる。



発信源としての責任

私は仕事柄、情報のソースにはかなり神経を使います。
万が一間違った情報を書いてしまえば、私だけでなく相手先の会社の信用にも関わってくるからです。

もちろんnoteでは肩の力を抜いているので、そこまでガチガチに調べ上げずに書いてしまうことも多い。
ただ、嘘八百だけは書かないようにしたいし、人を扇動するような書き方をしないように気を付けています。

色々と怖がらせるような話になってしまいましたが、同じ意見の人で集まって過ごすのは悪いことではありません。
むしろSNSは「同好の士」と楽しむためにあると思っています。

だからこそ自分のバランスが偏らないように注意しながら、これからもnoteで愉快な人たちと楽しく過ごしていきたいのです。


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