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常勤医を退職決意!決意後に考えること。

現在フリーランスをしてる40代の女医
なつ🌱です。

「大学医局を辞める」と自分の中で決めてからその後にどのように働くか、一人で悶々と考えていた時期があります。

医局辞める理由はこの記事です↓

そんな悶々と考えた自分の経験を踏まえて、
大学勤務や現在の常勤勤務を辞めたい
勤務場所変えたい
と決意した後、

「退職前に考えること」を今回具体的に話してみたいと思います。

①医者を続けるか。

まずここです。
医者続けたいですか?

共働きの夫婦で一方に十分な収入があったり、実家が資産家の場合は医者という職業自体続けない、または休職する選択もあるかもしれませんね。

平凡な家庭出身で慢性思考停止で医者を続けるのが当たり前と思っていた私は、旧知の友人医師(男性)に結婚した時と退局する時に

「夫医者で稼ぎあるんでしょ?何で働くの?お金困ってないでしょ?」
と質問されました。

とっさに返答に詰まり、ハッとしたことを覚えています。

男女問わず、医師免許取得者の大体は定年まで臨床勤務を継続する方が多いとは思いますが、医師免許があるから医者しかない、ではなくて

医師という職業を本当に自分はやりたいのか?何のためにやりたいのか?」

と、初心に戻って考えるのも
今後の医師人生にとって
良い機会かもしれません。
まったく参考にならなそうですが
わたしが思い悩むこんな記事もあります。↓


②自分がどういう医療をしたいか。

場所を変えても医師を続けると決めたら
次に何がしたいかですね。

今までやってきた専門科を続けるのか、専門は同じでも手術や侵襲的治療はせずに外来のみにするのか。
それとも思い切って開業や転科するのか。

外科の先生に多いかと思うんですが、大学や大きい病院でバリバリ長時間手術や長時間労働されてそれこそ医局を長年支えてきた先生が、転科されたり働き方を大幅に変えたりすることもよくありますよね。

元々やりたい医療が実は他にもあったとか、今までと同じような医療をできる場所がなかったとか、精神面体力面の問題だったり、理由は人それぞれだとは思います。

そういう話を聞くたびに単純に「あの経験をあの手技を生かさないなんてもったいない

なんて最初は思ってしまうんですが、逆に
「人はいつでも新しいことを始められるんだ」と励まされますし、

何より「新しいことに挑戦する」姿に勝手に尊敬してしまいます。同じ診療を変わらない場所でコツコツ継続する姿も尊敬に値しますが、「年齢、経験を経てからまた新しいことに挑戦する、勉強を始める」というのが本当に素晴らしいなと思います。

それにもったいないと思ってしまいましたが、
今までの医者としての経験が無駄になるわけではないですしね。今までの経験は場所を変えても必ず役に立つと思いますし、現にそういう先生方に私自身が助けられています。

③働き方、譲れない条件は?

医師を続ける、やりたい医療を決めた、その次は「働き方・給与など、契約条件」ですね。

週に何日働きたいのか、夏期冬期休暇のみではなく、有給休暇が取得できることが必要なのか、当直やオンコールはするのか、年収や月収、日給でいくらくらい欲しいのか、

色々考えなければいけません。

医局所属している時は、医局が病院側と労働条件を相談してあり大体条件が決まってるので、
そこから契約するかどうか、医局から医局員個人に提示されて考える形になります。
(若いとあまり拒否権はないかもしれません。涙)

が、医局を辞める場合は
個人で交渉する必要があります。

または派遣業者を介している場合は、業者に相談しながら結局自分で考えて交渉しなければなりません。(業者通すと相場も分かりますし後でトラブルにはなりにくいですよね、手数料はもちろん病院側が業者に結構取られますが。)

病院側から提示されて初めて考えて後手にまわるのではなく、予め自分の希望を考えておいて
早いうちに交渉先の事務長や紹介業者に伝えられるといいですよね。


④社会保険、雇用保険、福利厚生は欲しいのか?


これも③の働く条件とかぶる内容ですが、

社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険)
福利厚生(病院で学会費や経費がある程度認められる、系列サービスが使用できる、年収が年々上がっていく、、など)

上記は欲しいですか?
ないよりあったほうが良い。

というのがほとんどの人の意見ではあると思います。しかし、人によっては絶対必須!という人もいますよね。

大黒柱で働いている先生は社会保険はとても大事だと思いますし、公立病院なんかだと、私設の市中病院なんかより断然福利厚生が厚かったりしますよね。

公立病院で毎年有給20日付与されて、尚且つちゃんと有給消化できている医者がいると知った時はびっくらこきました。
大学病院夏休み、年末年始休みあったけど、有給、、、なかったよね?
本当に事情がある時、困った時は休ませてくれたけどさ。あれ?それ当たり前?

あれれ医局はやっぱりブラック?.com


⑤常勤or非常勤を決める

②から④を考えていくにつれて
自然と決まってしまうと思うのですが、

常勤医師になるか
どこにも属さない非常勤医師(フリーランス)


になるかを決めます。

非常勤は常勤より責任が軽く、病院運営に関する雑務もないことが多い、ブラック労働が多い医師勤務時間がきちんと定められている(非常勤残すと残業代でてしまうから)、というのが利点ですね。

基本的に社会保険は付かないことが多いし
非常勤の勤務年数が長くなっても、
時間給や日給が上がっていくことはあまりないと思います。
(むしろ昨今の医者の賃金事情を考えると、今後医者飽和している地域は安くなってしまうこともあるかも、、、)

常勤にするか非常勤にするか「私」が実際に悩んだ時の記事はこちら。
②から⑤の働き方、働き方、社会保険についても
個人的に考えています。参考までにどうぞ。


⑥次の職場探し

医者を続けることに決めて②から⑤まで考えて自分の理想・希望が決まったらその希望を叶えられる病院、クリニック(人によっては企業所属かもしれませんね。)はあるのか?と、次の職場を探します。

探し方は大きく3つあると思います。

1.人脈、コネを使う
2.医師派遣紹介業者に登録する
3.個人で直接連絡を取り交渉する

1の人脈、コネは使えたら一番安心な方法ですよね。
「信頼できる人からの紹介」は仕事内容も職場の人間関係もかなりリスクが低くなると思います。紹介はしてもらえなくても、気になる職場の雰囲気や人間関係など、貴重な情報はどんどん人脈を使って教えてもらいましょう。

「自分が退職を考えている」と言わなくても、世間話的に聞くだけで結構情報は集まります。自分の専門科の先生だけでなく、他科の医師や看護師さんなど誰が情報を持ってるか分かりません。医療界は狭いですからね。アンテナを張っておきましょう。

特に仲が良い先生や尊敬している先生、あの人と一緒に働きたい!という職場がある場合は、丁寧に下調べをして連絡を取りましょう。(医局が絡む時は、相手方に迷惑にならないように入念に策を練りましょう。)

2の紹介業者のメリットは、
広く多く求人情報を得られること、
交渉の相談や交渉自体を一緒に出向いて手伝ってもらえることです。

家族の転勤について見知らぬ土地に行き職場探しが必要な時は、人脈もコネも最初はあるわけないので、業者からの紹介が必要かと思います。

また長年やっている業者は、色んな場所の人間関係も知っていたりするので、頼もしいこともあるでしょう。個人だけで病院側と交渉しなくて済むので、交渉が苦手な方はとても心強いですよね。

また、紹介業者のネット登録はメールが増えて煩わしいこともありますが、早めに登録しておいて損はないと思います。その病院や地域で自分の専門科の人員不足があるとか、給与相場とかわかりますし、転職するかわからなくても、たまに眺めるのは良いと思います。

大体、病院探しは1、2の方法だと思いますが、私は意外と3の個人で直接連絡も有効だと思っています。

急に個人で知らない病院に連絡するのは、勇気が入りますが、意外とすんなり受け入れられることもあります。まずは募集しているか病院HPを確認して医者募集しているか確認。募集していなくても電話やHPに載っている人事お問い合わせメールに連絡することもできます。

求人は出していないけど、人手不足があり求人出そうか迷っているところは意外とあるものです。この方法は自分の家の近くだったり、ここで働いてみたいという場所、自分の一番希望の場所に連絡する方法です。

連絡をとってみて、人員充足で求人がなかったり給与や待遇が満足いかなかったりする場合は多々ありますので、ダメもとでやるつもりで。

知らない人に営業かけたり断られることが苦手な人は、この方法は向いていないかもしれません。
もうちょっと細かく書いた記事はこちらです。


⑦次の職場での勤務開始時期(現職の退職時期)を仮決定する


⑥の転職活動の際には仮予定でも勤務開始する時期を決定しないといけません。

もし現職から新しい職場への転職を休職期間を置かずにすぐ移るのであれば、現職の常勤先に退職希望を報告し(大学が絡んでる場合は医局にも)本当にその時期に辞められるか確認しなければいけません。
(実際には辞める時期までの猶予期間がどのくらいあるかで変わるとは思いますが)


辞める事を早い段階で周囲に言いたくない、直前で言いたい、など人によって考え方は様々かと思いますが、できれば現職にできるだけ迷惑をかけない方向でトラブルを起こさないほうが、恨みを持たれず今後の医者人生において得策かもしれません。

ただ、現職がブラック病院だったりハラスメントにあっていたり、職場内の人間関係トラブルで場所を変える場合は、労働基準法さえ守れば良いので、現職場に気を遣わず一刻も早く飛び出してください。

労働基準法より
民法の第627条1項には、解約の申入れはいつでもすることができ、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する
との記載があります。

パワハラからは逃げてください.com

辞めるタイミングはこの記事に少し書きました。
できるなら、各職場で反感買われない時期に辞めるのが良いとは思います。

まとめ

勤務医としての現職場を退職決意したら考えることでした。

医者を職業として続けるか
どんな医療をするか
どんな働き方をするか
それを叶えられる職場はあるのか

これだけ考えて準備すれば
不安なく次のステップに進めると思います。
ここまで読んでくれた方、転職本気ですね?
応援しています!


ここから最近の買ったもの。
最近アップル製品買い替えました。
まずM2MacBook Air

あと最近のレジデントは専門医試験タブレットをノートにして勉強してますよね。デジタルネイティブだなと感心する。
うちの子もそのうちタブレットで勉強するのかな。

と言うわけでiPadも新調。
持ちやすいiPad mini6。整備済み品安いし特に問題ないし良き。

これからおばさん女医もタブレットをノートにして勉強したりしたいからペンシルも買った。
失くすから正規品のApple Pencilじゃなくて安いやつ。

それではまた!

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