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ワーママ女医が法人を作った理由

こんにちは。
40代の女医なつ🌱です。
数年前に大学医局退職常勤医を辞めて、現在フリーランスとして働いています。大門未知子みたいではありません。あんなの現実にいたら迷惑です。

私は退職と同時に、法人を立ち上げました。
時々医者で小さい法人を持っている人がいますが、私もその怪しい医者の仲間入りをしました。私の場合はなんで法人を作ったのでしょうか。
今日は世間話のように簡単に話してみます。


一般的に法人とは

馬鹿にしてんのか、って感じですが基本から行きましょう。

法人とは会社です。

もっと厳密に言うと
法人とは法人設立手続きを行い、権利や義務などを持つ法律上の人格を認められた組織のことです。

昔は株式会社を設立するのに資本金1000万が必要な時代もあったそうですが、2006年の会社法成立で現在は1円から会社を設立することができるようになりました。
(と言っても1円じゃ会社のお金無さすぎて何もできないですけど。実際には10万くらいあれば最初の設立に必要な印紙代など払えるのですぐ設立できますよ。)

要は法人設立手続きをして法務局に登記さえしてしまえば、今の時代、誰でも法人を持てるということです。

法人は事業内容や規模により様々な形態がありますが、医者が法人を持つとなると開業医の医療法人、MS(メディカルサービス)法人、または1人社長のマイクロ法人が多いのかなと思います。

私の法人は

開業医ではなくフリーランスをしているので「1人社長のマイクロ法人」を設立しました。

まず、法人最低でも月5万程度の売上となるような事業をどうにか考えて確立させします。(ここが1番ハードル高いかもしれません。)
私もどうにかこうにか考えました。

まぁでも正直法人は赤字を10年繰越せるので、売上なくても最初の何年ずっと赤字でも大丈夫です。

ちなみに医者なら思いつく、非常勤勤務している病院から法人に勤務した分の「給与」を「報酬」に変えて法人の売り上げにする、っていうスキームは認められません。

以前に税務調査が入り、裁判になり裁判所に否認された先生がいらっしゃいます。病院やクリニックが所有するPC、電子カルテ、機材などを使った医師診療行為の対価として受け取る収入は、医者個人の「給与」収入としか税務署は認めないそうです。

実は放射線科と病理は別です。
病院からPCに画像を送ってもらえれば、法人の所有の機材のみで読影や診断行為ができますので、報酬として認められると聞いたことがあります。なんじゃそら、ですよね、どれも診療行為なのに。遠隔で仕事もできて羨ましい限りです。

私が法人を作った理由

どうにかこうにか事業を考え法人を作った理由。それはズバリ社会保険です。

医局を辞めて常勤退職をすると考えた時、生活はどう変わるのか、何がデメリットとなるか様々考えた時に社会保険がデメリットの一つにあがってきました。

退職前に色々考えた記事はこちら。

常勤退職すると翌年の社会保険料が高くなります。

常勤正社員で雇われている間は社会保険料の半分を雇用主が負担してくれていましたが、退職すると全て個人で払わなければいけません。任意継続したとしても国民健康保険に切り替えたとしても、ある程度高額になることが予想されました。

また翌年以降も、フリーランスである程度収入があると、社会保険を医師国保にしても国保にしてもやはり社会保険料はかなり負担にはなります。

上記私が何を言ってるか、わからない方はこちらの記事で社会保険を勉強してください。有料じゃないところまでで社会保険のおさらいはできると思います。

医者やある程度の高収入所得者にとって、現代の社会保険料はかなり家計への攻撃力が高いです。他の税金も加味すると、常勤で働いていた時は、終了5日のうち2日は税金のために働いていると思ってました。

この社会保険料対策を考えて調べているうちに、退職して常勤場所のないフリーランスの働き方になるなら(社会保険適用となる「週20時間以上同一施設で働くこと」をしない)

自分で法人を立ち上げてその法人で自分を雇い社会保険を適用した方が良いのでは?と気付き、その手法を取ることにしました。

自分の法人なら給与額も調節しやすいので社会保険料も低額に抑えることができます。

個人的に、マイクロ法人はワーママフリーランスと相性が良いと思っています。特に医者フリーランスは。給与収入なので給与所得控除も使うことができるのでかなり相性が良いです。

まぁ個人でどれだけ収入があるか、法人収入をどれくらいにするか、あるかで、バランスは人それぞれなので断言はできないですが。
ここらへんはマニアックで簡単には説明できないし、世間一般に話す内容でもないので、いつか有料記事でお話しできたらなと思います。


法人作ってみて結局どうだったか


感想は、私の場合は法人を作って本当に良かったと思いました。

設立する第一の理由だった社会保険の不安はなくなったし、何よりとにかく世間勉強になりました。

医者は医療以外のことには本当に無知で世間知らずな人が多いです。私も例に漏れず医療以外の世界の話に疎く世間知らずという自覚があり、それが長年コンプレックスでもありました。

法人設立するにあたり勉強はある程度しました。

「常勤辞めたいかも、、、。」と、悶々とする日々の不満を、法人設立の勉強のモチベーションに変えていた気がします。
(変態っぽいですが、興味が出たらとことん疑問が晴れるまでコツコツ勉強するのが医者っぽくて気に入ってはいます。)

勉強時間は子供の寝かしつけ後で、睡眠時間はかなり削られました。この法人勉強期間は仕事も大変だったので、睡眠時間減は、かなり辛い日々だったような気もします。

ただ、自分が差し迫って知りたいこと、必要としていること、新しい世界を知っていく喜びで勉強自体はとても面白かったです。卒試、国試勉強よりは全然簡単ですしね。大人の勉強って学生時代より楽しいですね。

勉強したのは、法人設立の流れ、簡単な会社法、個人・法人の税金の勉強はもちろん、事業の仕組みや帳簿の付け方、青色申告、個人事業と法人の違い、自分の場合の計算比較など本当に様々勉強しました。
その過程で簿記3級とFP3級も取得しました。

これだけ勉強すると事業の仕組みやお金や税金知識もかなりつくので、「世間知らず」というコンプレックスもなくなりましたし、何より研修医レジデント以来の自分の急激な成長を感じられて嬉しかったです。

設立後に運営できるか、結局フリーランスワーママに法人はおすすめか。


私の場合はある程度勉強してから法人設立しましたので、社会保険を受けることができたり、売上に関わる仕入れは経費にできたり、なんだかんだ上手く法人を利用し運営できていると思います。

私はもともとお金に興味があるし、性格的に地味な作業をコツコツ継続するのが得意で、経理労務職も向いてそうなタイプだったので(今回やってみてわかった)日々の法人運営があまりストレスないのですが、

これは性格により違い、当然人によりますので、苦手な人は税理士さんと顧問契約する必要があります。その契約料や法人維持費用を差し引いても自分にとって法人設立が益があるかは、個々の条件で分かれるので各々考えなくてはいけません。

なので、フリーランスになったからと言ってフリーランスワーママ全員にお薦めできるとは思ってません。
ただ、コツコツ勉強できる方で、ある程度お金に興味ある人はできると思います。税務労務は小学生レベルの読解力と算数ができればいいので、ぜんぜん難しくはないです。めんどくさいだけなので、やる気と興味の問題だと思います。

おわり

私が法人を作った理由と、ワーママフリーランスに法人設立運営はけっこう相性良いしお薦めだよという話でした。

必要とあらばコツコツ勉強する女医さんやバリキャリ女性なら、法人について興味さえあれば勉強するのは楽勝だと思うのよね。

興味ある人はまたお金や法人系の記事も書くので読んでください。
それではまた。


社会保険料系の話で、医者の週3定期非常勤の話。

これも医者が読むと「へー。」ってなります。知ってる人も多いと思いますが。


【紹介コーナー】

法人興味あるけど全然わからない。何から勉強すればいいの?って人は、まずFPの勉強からしたらどうでしょう?
3級の勉強するだけで試験受けなくても、社会保険の基本、生命保険医療保険、資産運用と投資の話、税金、相続まで勉強できますよ。
法人作らんでも人生生きていく中で知っといた方が良い知識ばかりです。基本的に義務教育に入れた方が良いと思うんですが、、、。

私は以下の本で勉強しました。

友人はこちらの本で勉強したみたいです。

そのうち2級にもチャレンジしたいと思ってます。


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