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自分を飼いならす

自分の人生を上手く乗りこなしている人がたくさんいる中で、それを横目に「まだこのネジがそろっていないからエンジンがかけられていないだけ」と、ドライブどころか発車すらしていないのに、自分が無能であることを認められない大人がいる。

私もその種の下等な人間の一人だが、うまくドライブできずとも、自分を上手く飼いならすことならできている。それこそがまさに、私の中身がぺらっぺらな理由でもあるのだが、ある程度は機能している。下記のことが一つでも心当たりのある人は参考になるだろう。

  • 自らは何も行動に移していないのにやたら批評だけはいっちょ前にする。

  • 今の自分がパッとしないのは、社会が悪い・アイツが悪いからだ

  • 実は存在を認めてほしいだけで、野望はない

腐ったオレらの腐った思考

行動せずに批判だけいっちょ前。
これは典型的な「プライドだけ高くて何もできないヤツ」の特徴だ。自分が周りよりも優れていると思っている。そこで誰かがちょっとでも注目されようものなら、まず「どれどれどんな実力か?」を測ろうとする。

雲の上をいく存在だと観測すると一目散に立ち去り見なかったことにするか、その有能な人の仲間側であることを主張しはじめる。

しかし少しでも穴が見つかればあとは高みの見物だ。知識・技術・性格・容姿・属性…あらゆる観点から「どれだけダメか」を騒ぐ。それがただのひがみや嫉妬心とは知らず、すました顔で批評家を気取る。

話はそれるが、嫉妬心というのは実にくだらない感情だが、人類が手にした競争感情の中でも特に扱いがめんどうな存在である。

あれはある種、平行宇宙内の自分を見ているからこそ起きる感情だ。

「自分も成り得たのに」という成功可能性の高さから、その成功を手にしてない自分が不当に損している、搾取されたような気持ちになり、憧れで済まずに恨みに変わる。

その報復案として「そもそも大したことがない」「あいつの成功はまやかしだ」という結論をつけたくなる。

そのくせ「なら、自分がやればいいじゃない?」と人に言われるとあらゆる言い訳を瞬時に並べる能力だけは人一倍高い。

なぜなら、「やらない状態」を保たなければ現在の「イマジナリー勝利者」でいられなくなからだ。行動すれば・挑戦すれば、できない自分・負けた自分になる確率がぐっと上がる。だからまだ負けていない自分の方が上位だと思い込みたいのだ。

しかしそんなどうしようもないクズでも少しは何かをやってみようと思える時がある。一歩外に踏み出してみることが稀にあるのだ。いいぞいいぞ、行動したではないか!えらい!しかし世間の荒波は強い。どこからでも自分の無能さを真正面から照らしつけ、弱くて高すぎるプライドをモロモロに砕いてくる。

そんなときは必殺「○○のせい」を使う。システムのせい、会社のせい、あいつのせい、政治のせい、わからないお前らのせい…。

そう、その失敗が自分のせいではなくなれば、さっきの負けが無効票になるのだ。「今のはさすがにノーカンっしょ!」そう、そして負けていないのだから偉い自分にまた戻れる。

ただ、薄々自分でもこれが虚構の勝利でただの強がりであることは感じている。ではそもそもどうしてそんなに優れていると思われたいのか?

それは、実は何かを成し遂げたいという野望があるわけではなく、ただ周りの人に認めてほしいだけなのだ。

褒めて欲しい、必要だと思われたい。だってそうじゃないと自分の存在が揺らぐような気がしている。自分が生きている意味がなくなり、叫び狂いそうになるから、どうにか注目してほしくて必死なのだ。

この種の人はおそらく、人生のどこかの地点で今よりも自分の領域範囲内で社会的にピークがあった人なのだろうと思う。

周りよりも勉強ができた、周りよりも歌が上手かった、学校で1番絵がうまかった…

それで自分の自尊心と小さな社会からの高い評価が確立されてしまうと、それ以下の自分を「本来の自分」として認めたくなくなる。井の中の蛙は大海なんて知らなくていいからカエルの王様でいたいのだ。

カエルの王は「こんなはずではない!自分はもっともてはやされるべきだ!」という承認欲求だけが高まり、自分は「高い能力がある」という未熟な自己認識が根ざす。すると社会の求める「本当の能力の高さ」もしくは「エンタメを含む相互的なパフォーマンス性」のどちらにも研鑽できずに、自分だけは「現状のままでも分かる人がいれば高く評価してもらえるはず」という世間とのギャップが起きてしまう。

こうして腐ったオレたちの、ガラスのプライドと、強い自己愛の結晶が生成される。

さて、私の話をしよう。
概ね上記の醜くて軽薄な種の人間と大きな違いはない。ただ、ギリギリ周りから「その手のイタイやつ」と認識されない程度の「デキるヒト擬態能力」を身につけているだけに過ぎない。井戸にいながら海にいるふりをするのだ。

どうやってそんなことを…?
そう、それこそが今回紹介する私の生きる術、「必殺わらしべ長者」と「毎日成功してるフリ詐欺」だ。

必殺わらしべ長者

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