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◆一通の手紙、二人の幸せについて


とあるイベントの際に、夫から手紙をもらった。

わたしはとても泣いてしまって『あぁ、人は人生に何度、本当の嬉し泣きをできるのだろう』と思いながら
ただ「ありがとう」と、繰り返し言った。

あの時の気持ちを忘れたくはないし、たとえ手紙の内容を、そんなことがあったという出来事を、忘れたとしても
きっと心の隅に温かさが残っていて、それはたぶん夫への感謝と呼ぶべき感情の火種になり続けると思う。


今日、そんな手紙を再読した。
その手紙は、それほど長いわけではない。

ふたりが元気だとうれしくて、より一層幸せに思う
いつもありがとう、これからもよろしく

そんな気持ちを丁寧に綴ってくれていた。



冬、わたしは体調を崩しがちで、そのせいで仕事に遅刻したり、欠勤したりしていた。

最近はずっと、毎日きちんと出勤し決められた時間しっかり働くこと、
この社会人の基本的な生活を守れるよう、そればかり考えていた。

もちろん、それはとても大事なことだと思う。
わたしは、8:45に出勤し、17:45まで、60分の休憩を挟み8時間働くことを「約束」しているからだ。
おまけに、その「約束」を守ることでお金をもらっている。


でも、「一番大事」では、ない。


恥ずかしながら、手紙を再読して気づいた。

一番大事なのは、わたしの大切な人が、わたしの元気を喜び、幸せだと言ってくれるという事実である。

彼のために、わたしは毎日元気でありたい。

空元気ではなく、心の底から、身体の芯から、湧き出てくるような元気を、

雨空を晴天に変えるような、苦手もいつしか得意になるような、重い足取りが気づけばスキップしているような、

そんな力強い元気を彼と分かち合い、もっと幸せになるために元気になるのだ。



わたしは明日も仕事に行く。
でももう、今日までとはちがう、仕事のためではない。

働くことが好きなわたしが、元気に出勤できること。
朝、手を繋いで駅まで歩くこと。いっしょの電車に乗ること。
それは即ち、わたしたち二人の幸せでもあるのだ。


そして伝えたい、あなたの元気もまた、わたしの幸せなのだと。

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