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◆傘のさし方

街を歩いているとき、お母さんが子どもに傘のさし方を教えている場面に出会った。

「こうやって、肩に乗せるの。もうすこし前、もうちょっと!……そうそう」

はじめて傘をさしたのだろうか。なるほど、たしかに雨がかからないように傘を上手にさすのは難しいかもしれない。

わたしだっていつかどこかで傘のさし方を教わったのだ。だから今、雨に濡れずに歩いている。


当たり前に思えることも、いつか教わったから当たり前になったのだなぁ。そんなことを考えて、妙に感動してしまった。


はじめて自分で傘をさして歩いた雨の街、わたしはどこだったのだろう。

憂鬱だった数日の雨予報も、わたしは上手に傘をさせるのだからへっちゃらだね、なんて思った。

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