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Halekulani 奇跡の木

ハワイオアフ島 100年を超える歴史をもつHalekulani Hotel( ハレクラニ)のInside/Outside Bar「House without a key」、ここでカクテルを飲みながらワイキキの青い海、ダイアモンドヘッド、サンセットを眺めながら、キアヴェの木の下で行われる生バンドとフラショーを楽しんだ思い出がある方も、もしかしたら、これを目にしてる方の中にもいらっしゃるかもしれませんね。

「House without a key」という名前は、当時のホノルルは治安がよく、家にカギをかけなくてもよいくらいだったということに由来して名付けられたそうです。

私がハワイに住んでいた頃は、日本から来た家族、友人を到着日の夕方にまずここに連れてきていました。1杯飲みながら、リラックスして、柔らかい風にあたりながら眺める風景、聞こえてくる波の音とハワイアンを楽しんでると、これぞハワイ!!ハワイに着いたー!!と実感が最高潮に沸いてきます。このHouse without a key、皆さんもハワイに行かれることがありましたら、到着日の夕方に是非いかがでしょうか?ハワイ好き歴トータル20年のワタシが自信を持ってオススメしたい場所です。

ヘッダーの写真はそのHouse without a keyでのフラショーの様子ですが、もう10年以上も前のものです。この時はハレクラニのシンボルでもである「キアヴェの木」も気品をまとい優しく優雅にそびえ立っていました。

しかし、2016年8月の夜、樹齢129年と言われたこのキアヴェの木はゆっくりと倒れ込んでしまいました。当時、ハワイのニュースでも大きく取り上げられ、日本語版の新聞はこのように報じました。

同ホテルは、「21日日曜日の午前12時11分頃、木が倒れた」と発表。さらに「私たちが非常に憂慮したのは、木が倒れた時にそのエリアに誰もいなかったか、もしくは怪我などした人はいないかでした」と伝えた。また、「この木は1887年に植えられて以来、ランドスケープス・ハワイと契約を結び、同社の樹木医がケアーを行い木の健康管理を行っていたのですが、さらに適切なケアが必要でした」と述べた。  不運にも1世紀以上歳をとった木は、生き残ることができなかった。作業員たちは22日月曜日、公共の安全と危険防止から倒木した根幹の一部など危険部分を切り落とした。ただ、この木は、樹木医から今後どのように処理するのか連絡があるまでこの場所に置いておくと言う。

1977年からこのステージでフラを踊っているカノエ・ミラーさん(ヘッダーの写真の方で元ミスハワイでもある有名なフラダンサーさん)はfacebookでこのようにコメントをされていました。

「この木はいつも私たちの側に立ち、私たちを守ってくれました。私も多くの人たちも声を出さずに木に話しかけていた。この木の荘厳たる美しさは、ハウス・ウィズアウト・ア・キーの中のどこに座っても、この木が私たちに安らぎと喜びを与えてくれました」

この時私はハワイに住んでいましたが、本当に御神木のような存在だっただけに、私だけでなくハワイ中の人にとって大きな悲しみとなってしまったニュースでした。キアヴェは根を大きく大地に張る大樹なので倒れることは珍しく、おそらく原因は海水の浸食による影響ではないかということでした。数日後、知人とハレクラニに行き、横たわって休んでいるキアヴェにお礼を伝えに行きました。

そして今現在、その倒れてしまったキアヴェの樹は姿を変えながら今も尚、生き延び続け、「奇跡の木」と呼ばれ同じ場所で存在しています。(写真⇩横たわりながらも存在感のあるキアヴェ;ハレクラニのInstagramより)

写真の木の根元をよく見ていただくと緑色に覆われているのが分かると思うのですが、この倒れた木の根本に残っていた土には、なんとオアフ島の花「イリマ」が咲いているのだそうです。イリマの花は、古来からもっとも高貴なレイフラワーとしてハワイアンが栽培した数少ない植物ですが、この花は「フラの女神ラカ(Laka)が化身できる姿のひとつ」と呼ばれているそうです。なんという女神様の計らいなのでしょうか。。


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フランス人はじめ、世界中の人がショックを受けた昨日の「ノートルダム大聖堂の火災」。大きな悲しみとともに無常感を感じた人も多かったようです。永遠というものはない、形あるものはいつかは消える。本当にそう思わされるようなニュースでした。それでも、すぐに、多額の寄付金が集まり始めているというニュースも同時に目にしました。元の姿はもう人々の心の中にしかないと思いますが、それでも、人々の希望と寄付が集まり大きな力が動き出しているのであれば、新しく生まれ変わった姿でまた大聖堂が復活する日が来るのもそう遠くない未来かもしれませんね。

ハレクラニのこのキアヴェの木、伐採した部分はどうなったのかというと、地元のアーティストJohn Kogaの手によって大きなオブジェとなり戻ってきたそうです。ハレクラニのフロントの前で今日も暖かくお客様を迎えている姿が浮かびます。

過去と、現在と、未来を繋いでいく。とても大切なメッセージをもらったような気がします。

沖縄のハレクラニも今年の夏にオープンですね。どんな感じなのかな⁈

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました!

Big Mahalo!

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