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不動産投資と金融商品投資のリスクの違い

最近再び不動産投資マーケットが勢いを増している。
老後への不安の解消に不動産投資を勧める業者が増えているのも事実のようだ。特に都内のマンション投資はバブル状態の様だ。

ただ、投資というからには必ずリスクが付き物である。
このリスクを理解していないと投資なのか、投機なのか、消費なのかがわからなくなってしまう。

金融商品の場合にリスクとリターンは分かり易い。
市場の変化によって資産が増えたり減ったりするので。

しかし、不動産投資になるとリスクが複雑である。
●物件価格の下落
●空室リスク
●修繕費・改修費
●賃料下げ
●地震や自然災害のリスク
●借入金利の変動

これらのリスクがいつどのように訪れるのかはわからない。
しかし、長期間保有するとなると必ず訪れる。
特に中古マンションで不動産投資を行う場合はこのリスクは高くなる。
築年数が経っている物件は収入より支出が多くなる場合も多い。

これらを踏まえて金融商品と不動産投資での違いを考えてみよう。

不動産投資リターンは賃料収入と売却益である。
借入無く自己資金で投資をやる場合は、賃料+売却額が購入価格より大ければ投資効果があるということだ。

しかし、ほとんどの場合は融資を受けて購入して、住宅ローンを払って家賃収入を得ているパターンがほとんどである。
住宅ローンも通常の住宅ローンではなく投資用のローンになるのでフラット35と比べると金利も高い。

この場合のリスクは空室で家賃収入がなくてもローンは払い続けなければいけない。
また、修繕・改修費は必ず必要になる。
中古マンションだとリノベーションも必要になるかもしれない。
そして、環境の変化で周りが賃料を下げれば同じように下げなければ入居率が悪くなる。

なので、ギリギリで収支を考えていると資金がショートして、投資どころか自分の資産をどんどん減らしていく可能でいもある。

それでも売却したときに取り返せばいいのだが、中古マンションで築年数が経っているとローンの残高に満たさない場合もある。
この場合は手放しても追い金しなければならない状態も覚悟しておいた方がいい。

最近では団信に加入しているので生命保険の代わりと謳い文句で勧奨しているのをよく目にするが、これらの臨時費用や収支のバランスが崩れた分の費用が生命保険に加入するより高額になる場合もある。

勧奨されるときのシミュレーション通りに収支が成る場合は極めて稀だと考えておいた方がいい。

不動産投資を成功させるのは運として捉えた方がいい。
実際に成功している人も50%を切っているといわれている。
いうなればイチかバチかの投資だ。

対象が公務員やサラリーマンの様だが、素人は決して手を出さない方がいいかもしれない。
それはローンという負債が常にあると考えておかなければいけない。
なので、途中ですぐにやめることはなかなか出来ない。
そして、リスクを自分で調節することは不可能なのだ。

一方の金融商品での投資はいつでも止められる。
そして負債は無いので追いつめられることはない。
何よりもリスクを調整できる点が長期運用に向いている。

ただ、金融商品でも先物取引やFXなどの証拠金取引は負債が生じるので決してお勧めしない。

大事なことはリスクは避けられないが、なるべく調整できるのであれば調整できる投資方法が望ましい。
逆にリスクが調整できない投資は投機や博打と考えた方がいい。

十数年前に金持ち父さん貧乏父さんが流行った頃に不動産投資のブームで安易に始めた人が想定と大きく違い、自己破産に追い込まれた相談を10年前に私の事務所でよく受けていた。

今回も数年後にこのような状態になる人が増えないか心配である。
その原因はリスクについての認識不足と判断・決定の甘さである。
業者の言葉を信じずに自分で調べることが大切だ。

そして、不動産投資を始める方は資金世余裕が無いと大変なことになるので、余裕が出来たら始めてもいいと思おう。
余裕がない人は危険な投資だと思った方がいい

そのためにお金の専門家はいる。
しかし、それをネットで調べても答えは解決しない。
直接専門家に合って話を聞かなければ、ネットの情報の罠にかかってしまいかもしれない。

最後に、これだけは言っておきたい。
不動産投資は決して悪いものではない。
ただ、リスクをしっかり把握してそれでも勝算がある物件ならば悪い投資ではない。

それはあなたの目利き次第である。

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