はじめまして。 ワインの話をします。

ワインが好き。大好きだ。

 ここは、私がいかにワインを愛しているかを語り記録に残すスペースにしつつ、それだけだと誰の得にもならないので、私なりにオススメのワインを紹介したり、役立ちそうなワインの豆知識なんかをお知らせしていけたらいいなと思う。

 今日は、まず、私がワインに出会った日のお話から。。

 22歳、社会人なりたての春に私はワインと出会った。会社のとある女性の先輩が、丸の内にあるワインバーに連れて行ってくれたのだ。この先輩はすでに退社されているのだが、美しく仕事もできた。そして、まだ何者でもなく、なんなら「ダルいんで明日から会社行くのやめます」なんてバックれるかもしれない得体のしれない小娘を、惜しげもなく高級ワインバーに連れて行ってくれる、そんな懐をお持ちの方だった。 ワインエキスパートの資格を持っているというその先輩は、お店でソムリエの方と「白が美味しい季節になってきましたね」なんて話していて、なんだかとてもキラキラしていた。

 さて、これまでお酒は居酒屋でのサワーが専門だった小娘。初めての「いいワイン」のおいしさに度肝をぬかれる。 華やかな香りとほどよい酸味と甘み、そして何より、ワインと合わせることでお皿の上の食事が格段に美味しく変化することが衝撃だった。今でこそ、「マリアージュ」なんて言葉がさらっと出てくるようになったが、当時はそんな単語すら知らない。 ソムリエを「ワインとの相乗効果で食事をより美味しくすることができる人」と認識し、心の底から尊敬した。

 その時いただいたワインは、マコンの白。シャルドネのスタンダートとも言えるワインだ。 目に黄金色が美しく、洋梨や花梨のような香りが馨しかった。

 次の日私は、前夜の余韻を引きずったまま早速ワインショップに走った。会社の隣がデパートなので、こういうフットワークだけは軽い。初めてのワインショップ。しっかり「マコンの白ワインをください」と言えた。

 しかしここでひとつの難題が訪れる。店員さんに「おいくらくらいの物をお探しですか?」と聞かれたのだ。当然である。やばい、ワインの相場がまったく分からない。当時はスマホでもないのでささっと調べることもできない。ここで3000円とか言ったらもう相手にされないのだろうか、と逡巡し、咄嗟に口を突いて出た言葉は、

「1万円で買えますか?」

。。。うん、買えるに決まってる。むしろ、君には高いよ。

 まだ初任給ももらっていない分際で、昼休みに突然1万円のワインを買った小娘。なかなかやるな、と今になって思う。

 その時買った一本は、もったいなくてなかなか飲めず、管理も悪かったのでいつしかお酢になってしまった。残念。

 そんなわけで、「マコンの白」から私のワインライフは始まり、今にいたっています。 今でも時々飲むと、あの夜のキラキラした感情が蘇る、そんなワインです。

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直近飲んだマコン白。西麻布キッサコさんにて。

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