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「三行で撃つ」、テンガロンハットのすごいおじさんを見た

(これはぜひ書き記さないといけない、と思う話をきいたので、忘れてしまう前に急ぎで書いています。読みづらかったらごめんなさい。)

9月の中頃、奨学金をもらっている団体の、ジャーナリスト関連の研修会にオンラインで参加し、近藤康太郎さんという方のお話を聞いた。

画面に現れたその方のお姿は、なかなかパンチがきいていた。テンガロンハットに、派手なシャツ。そしてずーっとウロウロしていて、「この人間違えて映り込んでる?」と思うくらい自由にしていた。

近藤康太郎さんは、朝日新聞の名物記者として有名な方らしい。『三行で撃つ』というベストセラーを出版されている。

近藤さんはまず、自分のこれまでについてお話しされ(それも全部面白かった)、そして文章を書くための心構えなどについても、惜しむことなく語ってくださった。近藤さんは「時間の関係上、これ以上は本を読んでくださいね、宣伝みたいになって悪いけど」と何度もおっしゃった。

できればまた『三行で撃つ』を読んで、改めてその内容についてもまとめたい。


質疑応答

今回、私の心に残ったのは、質疑応答での、ある学生とのやり取りだ。

学生は、こんな質問を送った。

「就活で、新聞社をいくつも受けましたが、すべて落ちてしまいました。しかし、どうしても諦めきれません。書くことを仕事にしたいです。絶対にあきらめたくないです。でも、どうしていいかわかりません。近藤さんなら、どう考えますか。」

いつもの研修会の枠組みをこえた、人生相談のような質問だった。近藤さんは、うん、うんと頷きながら、すかさずこう返答した。

「うん、この質問をしてくれたあなた。あなたは、僕の同志ですよ。同志。」

大変力強い言葉だった。質問をした学生に感情移入していた私は、その人の気持ちを思うと震えた。こんなふうに力強く肯定してくれることは、どれほど嬉しいだろう。

「あなたのような人は、ライターになるべきです。」

近藤さんは別に、お情けで言ったわけではなく、本当に質問者の夢をかなえる方法を、知っている人だった。

ここから先は、近藤さんの著書を読んでみればいいと思う。いろいろ過激な発言もされていたので、ここに書くことははばかられる。


そしてさらに、近藤さんは、ライターの第一条件は「機嫌よく生きる」ことだといった。

「けったくそ悪い世の中で少し面白いものを見つけるのがライターの仕事であり、それを見つけて、その通りに書くと、ウケる。」と。

そして、機嫌よく生きるということについて、更にもう少し踏み込んで話してくれた。

「笑って生きている奴は、決して人の邪魔をしない。そんな暇ないから。」
「仕事柄SNSをよく見るが、負のエネルギーが溜まっている。人の批判ばかり。あまり機嫌のよくない人がやってんじゃないの?」

だいたいこんなことをおっしゃっていたと思う。

これについてしっかりとした意見はまだ持てていない。SNSがどんな場所なのかを、私はまだつかめていないから。


全体の感想

少し驚いたのは、紙の記事よりネット記事のほうが、内容や表現などにおいて、ある意味不自由なのだという。「誰にでもわかる」ことしか書けないから。新聞や紙媒体のものは、ある程度マニアックだったり、専門性のあることを書いても、理解できる人が読んでいるらしい、と。

なるほど、と思いつつ、これからの「ネット記事」の場がどんな教養水準になっていくのだろうかと、心配になった。


さいごに(本題はもう終わり。蛇足です)


講演会についてのレポートは以上です。

私は基本的に、本や文学を紹介したくてnoteに参加しているというのに、つたない文章でお恥ずかしいな、と毎回思います。

私は正直、書くよりも、話す方が好きだし楽です。

でも、だからこそ、「もし私が、話すように文章が書けるようになったら、それはどんなふうに人に読まれるのかな」と思うし、やはり、大雑把で、無神経な性格の私には向いてないとは思いつつも、結局「よし、今回は前よりもっと良い文章を書くぞ」と思ってトライしています。

また、文章とは緻密なものでなければならないという(質が高く、論理的で、誤用は無い方がよい、というような)前提に立ってしまいがちですが、それもどうなのだろう?と最近思います。うーん

(今度こそ本当に終わりです。)

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