no.18 30代が振り返る、大学生時代の失恋日記

はじめに
何の飾り気もない記事を見に来てくれた方たちへ、ありがとうございます。
大学を卒業した後も、だいぶひきずっていたので、気が済むまで、書き続けます。
そして、同じことを何度も書きます。
失恋ってそういうものですよね、と思いながら読んでいただければと思います。

わたしが24歳の頃の日記。春。
大学を卒業して2回目の春が訪れました。

引越の作業をしている。

大学の頃に使っていたカバンが出てきた。
その中に、手作りの定期入れがあった。

似合わないよね、と笑った。あなたが裁縫が得意なこと。
わたしは、それを大事に大事に使っていた。

そして、とっくに捨てたと思っていた。
きっと、捨てるかどうかを迷って、見つからない場所に隠したつもりだったのだろう。
こんなところに隠したところで、いつか見つけることは想像に難くないだろうに。

定期入れは、フェルトがダマになって、汚れていたけど・・・これは捨てられないよ。
そのほかにもいろいろ出てきた。

入学して間もない頃のルーズリーフに書かれた落書き。
2回生の頃に取った授業のテキストに書かれた落書き。
二人で出かけたときに買ったおもちゃのキーホルダー。

忘れていたような気がするけど、見た瞬間に記憶がよみがえる。

こうやって、部屋を掃除するって、ぬけがら集めみたい。
かつての自分のぬけがら。そこら中にあったよ。

あれ、捨てたはずだったのになぁ。
あーぁ、これって未練がましいってやつだよね。

引越をする。
部屋の整理をする。
その過程で、たくさんの過去のわたしが見つかりました。
懐かしく感じるとともに、その当時の気持ちがよみがえっていました。
胸が締め付けられてもいました。

会いたいという気持ちが固まっていました。
大学の友人にそれを伝えたら、
「こういうタイミングで、そういうモノが出てきて、心が動くってことは、そういうことかもね」って言ってくれました。
わたしはその言葉に依存しました。

今の地続きが未来になるということを、どれほど深く考えていたのだろう。

引っ越しする前に、二人で過ごした場所を歩いたんだ。
二人で話したこと。手を繋いでときのあたたかさ。
他愛もない会話の内容。小さな小さなゲームセンター。
そこで取ったぬいぐるみ。バス停。
ぜんぶを、覚えているかぎりを思い出していた。

わたしは、別れるずっと前の、ふたりが本当に好き合っていた頃の雰囲気を思い出していました。

いま、もしも、元に戻ったとして、その頃に戻れるかを考えずに、
昔に浸っていました。
戻れるだろうだなんて思っていた。

付き合っている頃、わたしの家で雪が降っていた。
それをあの人にメールしたら、「こっちは降ってないよ~」って返ってきた。
夜遅くの、たった一往復のやりとり。

わたしは、雪が降っていたことを共有したかった。
そういうメールに、あの人は、反応して、外をみてくれた。
こんな何気ない日常があった。
小さい出来事。
わたしが、壊した日常。

取り戻したいのか。新たにつかみたいのか。
そういうことにも、考えは回っていませんでした。

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