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「自分たちらしい編集部」に大切なこと

「『自分たちらしい編集部』どうつくる?」
メディアの運営に関わる人だったら、必ず通ったことがある問いだろうと思う。日々いろんなメディアが生まれては消え、生まれては消え……。みんなどうやって読者に愛されるメディアをつくっているのか。
1月28日の夜、サイボウズ@日本橋であったトークイベントに行ってきた。

個人的に大注目している「サイボウズ式」「soar」の人たちの話が聞けるなんて、めったにない機会。どっちも「あぁ、あのテーマを扱っているサイトね」ってイメージがしやすいメディアで、ファンも多い。とってもうらやましいのだ。

トーク内容は、それはそれは参考になった。詳細はレポート記事を待つとして、きょうは私が特に考えたこと、
①「自分たちらしさ」って?
②ビジョンの共有
についてピックアップしてみる。

①「自分たちらしさ」って?

まずは、自分たちらしさの定義というか、どういう面に自分たちらしさがあるのかという話。まずは「soar」

soar:「人の持つ可能性が広がる瞬間を捉える」webメディア
・会議の前の「チェックイン」(近況や体調をみんなで共有する)
・社会課題に向き合う
・ライターに書く意味を考えてもらう(主観)

soarならではのコミュニケーション、「チェックイン」。会議の前にみんなでそのときの気分や体調、近況を共有するらしい。soarのサイトも記事もやさしいイメージがあったけど、こうやって編集部のメンバー同士が相手の状況を知ることでリアルな空間にもやさしさが広がっているんだなぁ。

イベントに来ていた編集部の人たちの雰囲気は、なんとなく、みんな似ていた。soarが好きなメンバーが集まっていると言っていたけど、やっぱりやさしい雰囲気の人が多かった。そして、そのやさしさのもとは、編集長の工藤瑞穂さんのキャラクターにあると思う。イベント中、工藤さんの印象的な言葉があった。

「コミュニケーションは一つ一つの言葉がギフト。なんであなたに書いてもらいたいのか、あなたを取材したいのか。伝える言葉の一つ一つがギフト

言葉のセンスがステキだし、やさしさや思いやりがある。人とちゃんと向き合っていないと、「ギフト」という言葉は出てこない。それはそのまま、soar「らしさ」にもつながっているのだろう。

続いて、「サイボウズ式」

サイボウズ式:「新しい価値を生み出すチームのためのメディア」
・根底にあるのはサイボウズが大事にしている価値観
・企画する上で大切なこと(タイトル/ターゲット&バリュー/サイボウズとの結びつき/なぜ作りたいのかという思い)
・実用的な記事(編集者=黒子)

サイボウズ式を支えているのは、サイボウズの価値観。なぜサイボウズ式で企画を出すのか、サイボウズ式で伝えないといけないことなのか? の議論を徹底するそうだ。自分たちらしさをちゃんと意識する役割が編集会議なんだよな、と再認識した。ディスカッションを重ねれば重ねるほど自分たちのメディアと向き合って、「らしさ」を意識する機会も増えると思う。

②ビジョンの共有

2つのメディアはいずれも、メンバー全員が編集の方向性をちゃんと理解している。わかりやすく明確なビジョンがあるからブレないし、ブレても修正できる。

もちろん、編集部は入れ替えもあるので、最初からみんながビジョンを理解していたわけではない。編集部のメンバーは、話し合いの積み重ねで今の状態になったと言っていた。

最初、「なぜサイボウズ式がそれをやる意味があるのかを書いてください」と言われたときは、「え?」って感じでした。慣れというか、染まっていった。編集部の人たちと話すうちに、「これでよかったんだ」というのがちょっとずつ積み重なっていった。
最初はできていなくて、すりあわせが必要。誰に何を伝えたいか、なぜやりたいのか、その会話を続けていくと見えていく。

外部ライターに頼むときも、メディアのビジョンをしっかり伝えて、ライター自身に考えてもらうようにするらしい。そうやって周りにも理解してもらうことで、メディアがつくられていく。

「自分たちらしさ」とは「ビジョン」があってのものだと思う。いいチームをつくるための道しるべであり、迷った時に立ち返る原点。

そして、「らしさ」が読者に伝わると、共感が生まれて広がる。

当たり前と言ってしまえばそうかもしれないけど、当たり前のことも繰り返し意識していかないとすぐ忘れちゃうからね。

胸を張って「らしさ」を説明したい

私は普段、マスメディアの世界にいる。「マス」がない時代だとか言われるけど、まだ「マス」を前提にあーだこーだ試行錯誤しているところだ。

「マス」向けなので、サイト全体として具体的なペルソナやテーマ設定はないに等しい(サイトによる?)。サイトのコンセプトはあっても、大切にしている価値観は? ビジョンは? ってところで何度も迷子になっていた。一人でどうこう悩むことではないのだけれど。

今回のイベントで思ったのは、やっぱりビジョンを明確にしようということ。もう一回原点に立ち返る。そしたら「らしさ」も胸を張って説明できるはず。胸を張って説明したい。

マスでやっていると、読者の顔が見えにくい。誰に向けて書いているのかを忘れてしまいそうになる。だから、サイボウズ式編集長の藤村能光さんが「サイボウズ式第2編集部」をつくった動機は勝手に共感していた。

イベントで藤村さんが話していたことはこんな感じ↓

「読者のことをもっと知りたいと思った。メディアは読者がいないと成り立たない。数年前、サイボウズ式の読者はこの人ですって言えなかった。数字では見えるけど、手触り感がない。

改めて読者を知りたいと思って、第2編集部を作った。メディアの中の人が出し続ける以外のアウトプットもあっていい。もっともっと読者の人と知り合いたい」

手触り感っていいなぁ。編集長自ら読者とコミュニケーションを取りたいって、読んでる側からするととっても嬉しいと思う。


ちなみに、マスメディアも個々の企画レベルでは具体的な読者を意識しているし、方向性も意識してますよん。私も、もっといろんな人とコミュニケーション取りたい。

note書きます宣言

2018年秋くらいから、ずっと書こう書こうと思っていたnote。
初めてnoteに書いたけど、やっぱり文章を書くのは難しい…。
メディアで働いているのに、文章を書くのは得意じゃない…。
でも、サ式の人たちに刺激されて、アウトプットしていきたいなって思った。

ずっと客観の世界にいた私には、主観の練習が必要だ。

月1…いや、週1くらい、頭の中のことをアウトプットするぞ。

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