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変わっていく君と変わらない自分

棒きれみたいだった手足が丸みを帯びて見上げていた身長も追い越した頃、別の生き物なんだと気がついた。
木の上から呼ぶ俺に「何やってんの」って笑って降りてくるのを待っている。
その顔がやけに大人びて見えて、なんとも言えない気持ちになった。
多分、あいつがこの木に登ることはもうないんだろう。

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細っこかった手足が骨ばって見下ろしていた身長が追い抜かれた頃、別の生き物なんだと気がついた。
中身は変わらず馬鹿ばっかりやってるのにどんどん知らない人になっていく。
成長するほどに離れていくなんて思わなかった。
大人になったらって約束、覚えてる?
聞けないまま、また今日が終わっていく。

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