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七澄シロ
2021年4月24日 22:20
目の前には扉があった。無色透明、ノブさえ付いていないのに、それはどうしてか扉にしか思えなかった。透けて見える向こう側には空が広がっている。柔らかな風が肌を撫でる。その心地よさにゆっくりと目を閉じた。生まれてから今まで、どれだけの優しさをもらって、どれだけの優しさを渡せただろう。一番返したい人は決まってる。誰より愛して、信じて、そばにいてくれた人。それなのに、「いつか」と交わし