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【春になったら】第4話:細かすぎるあらすじ&感想

春になったら
第4話 2024/2/5(月) 22:00~

今期のドラマの中で今のところ1番泣いているドラマ、「春になったら」。
第4話のレポートです。

※ネタバレがありますので気になる方はご注意ください。


目次


●「春になったら」第4話

4-1. 片想い

8年4か月前、大学時代の回想シーン。瞳、圭吾、美奈子の3人が、撮った写真を確認しながら、写真部の部室で就活について話している。
既に助産師になることを決めている瞳と、これといって希望はないが人の役に立つ仕事をしたいと話す圭吾。圭吾のパソコンで開かれていたのは、瞳を映した写真。それを見てなんとも言えない表情の美奈子。

現在の一馬。結婚を待ってほしいと言った瞳のことを思い出し、自宅のリビングでぼーっとしてしまう。
一方、雅彦。結婚の話を忘れてと言った瞳のことを思い出しながらも、実演販売の職場で新人の指導にあたる。
「そろそろ引退ですし」と呟くと、社長の中井が「椎名さんなら70歳まで出来ますよ」と言う。

写真部時代の深澤さんの茶髪?赤髪?可愛かったです!(笑)
最初見た時は「え?」と思いましたが、すぐ目が馴染んでしまいました(笑)

圭吾は特別就活へのモチベーションが高いわけではなかったものの、「お金を稼ぎたい」「安定したい」といったことではなく「人の役に立ちたい」ということがぽろっと自然と出てくるところから、人柄の良さが感じられます。

大学時代、こうやって3人で写真を撮って、部室で話して、過ごしてきたのでしょうね。
本当にこの3人は、昔からの仲の良さ、特に、お互い波長があって居心地がよい3人組なんだろうなということが画面を通してよく伝わってきて、さすがのお芝居だなと毎回感心します。とてもナチュラルですよね。

この時既に圭吾に片想いをしていた美奈子。
その想いは絶対に打ち明けないと決めていたのでしょうか。
長い間、決して口にすることなく胸に留めてきた美奈子。
この3人の関係が大好きで、それを守りたかったのかな。

一馬も雅彦も、結婚を保留にした瞳の言葉が頭にこびりついて離れないようです。
父の余命を前にして、いつも通りの日常を過ごし、いつものように仕事をこなしている瞳。
こんな時だって、ずっと泣いているわけにはいかないし、過ぎていく時間の中で、弱いとか強いとか関係なく、日々を生きていかなければならない。
だけど、やっぱり「普通」ではいられないし、心は揺れる。考えも毎日ぶれる。
そんな瞳のリアルな揺れが、結婚を保留にしたことでも表現されています。


4-2. カウントダウン

瞳。助産院にて妊婦向けの講習を行っている。
二十歳の妊婦・亜弥と話すが、まだ両親とはちゃんと話せていないという。

帰り道、横断歩道の向こう側に阿波野の姿を見つけた瞳。二人は少し公園で話すことに。
-瞳「頭の中がぐちゃぐちゃなんです。父とどんな風に過ごしていいのかわかんなくて。出来る限り父に寄り添ってあげたいんですけど。先生は父が死ぬまでにやりたいことリストっていうのを作ってることご存知ですか?父の夢だから叶えさせてあげたいんですけど、でも、それが…なんて言うか、カウントダウンみたいで。」
-阿波野「お辛いんですか?お父さんは前向きな方ですが、もしかしたら本当は怖がってるのかもしれないし、瞳さんの事を心配してああいう風に振舞ってらっしゃるのかもしれない。バケットリスト。死ぬ前にやりたいことリストを実現させていくことがカウントダウンのようだっていうのはよくわかります。でもそれはお父さんにとって、残された時間を上手に生きるために必要なことなんじゃないでしょうか。でも瞳さん、ご自分のことも大事にしなきゃ。前におっしゃってたご自身の結婚のことは?誰かが癌になると家族全員普通ではいられなくなる。よくある話です。でもそれで大切なことを失っていくのはよくない。誰もがいつかは亡くなるんです。僕だって明日死んでしまうかもしれない。だからこそ今を生きるんです。どうか瞳さん、ご自分の幸せも考えてください。
-瞳「…はい。」

帰宅した瞳。カズマルとのことを気にする父を遮り、死ぬまでにやりたいことリストを見せてと頼む。「神に謝る」について、昔悪いことをしてしまい謝れていないから謝りたいという雅彦の話を聞き出す。

阿波野さんが瞳にとっても心のよりどころになってきていますね。
光石研さんが話す言葉は、すっと胸に落ちてきます。
光石さんて年間何本くらい作品に出演されているのでしょう。
いつもいてほしいところにいらっしゃいますよね。大好きです。

「残された時間を上手に生きる」というワードが、前話から引き続き今回も登場しました。
「上手に生きる」その生きざまが、残りのストーリーで描かれていくのでしょうか。
「上手に生きる」。
それは、雅彦にとってだけでなく、瞳にとっても、誰もにとっても、向き合うべきことなのかもしれません。
そしてその答えは、人生を終える時にしかわからないのかもしれませんね。


4-3. 神くん

スーツを着て、中央ゼミナールの講師になるための面接を受けている一馬。
採用されたら芸人は辞めると言う。

一方、瞳は雅彦の言っていた「神くん」を、SNSで探して見つける。
神健一郎。吉祥寺の喫茶店「WHAT A WONDERFUL WORLD」を営んでいるという。あっさり見つかってしまい、会えることに怯えだす雅彦。
神くんとは中学時代の親友で、中2の時に神くんが片想いをしていたオガワクミちゃんに代理で想いを伝えたところ、逆にオガワクミちゃんから「椎名くんのことが好きです」と告白されてしまい、その瞬間オガワクミちゃんを好きになってしまった雅彦は、神くんに内緒で付き合ってしまったという。
その後すぐに「他に好きな人が出来た」とフラれたが、裏切ったことを謝りたいと話す雅彦に、どんな深刻な話かと思ったらと呆れる瞳。
相手が忘れていたとしても、神くんを思い出す度にうしろめたい気持ちになるから謝りたいという雅彦。

別日、意を決して神くんの喫茶店を訪れた雅彦。
雅彦に気付かない神くんは、雅彦をカウンターに通す。

一馬、芸人を辞めてしまうのですね。
大会で結果を出せなかった一馬。
これが最後という気持ちで挑んでいたのではないでしょうか。
瞳との結婚のため、安定した職につくため、決意したのかと思います。
でも確かに、もともと頭脳明晰ですし、あの優しい話し口調などが子どもにはウケそうですから、塾講師も向いているかもしれませんね。

そしてついに見つかった神くん。
中井貴一さんきました!!!!!!!

何を謝りたいのか、さぞ深刻なことがあったのだろうと構えていた瞳。
蓋を開けてみたら、中学時代の恋の話ということで、「そんなことか」と驚き少し呆れてしまいます。
でも人って、こういう些細なことが、ずっと心につかえてひっかかったりするものですよね。

一言ごめんで済んだのに謝れなかったこと。
本当のことを言えなくて隠してしまったこと。
少し間違えてしまったこと。
ちゃんとしてあげられなかったこと。

そんな些細な後悔が、大切な人との距離を生んでしまって、もうきっかけもなくなってしまって、取り戻せなくて。

もし自分が人生の終わりを迎える時、思い浮かぶ「やりたいこと」って、そういうものを取り戻すことかもしれません。
もう自分の命が数ヶ月しかないという状況では、何か大きなことを成し遂げたいという気持ちよりも、些細な願いを叶えることや、些細な後悔を成仏させることに、心が向くかもしれません。
そんなところも、とてもリアルです。


4-4. まいた

喫茶店で、思い切って「神くん」と呼びかける雅彦。
少し考えて気付き、「椎名くん」と驚く神。
少し気まずそうに会話をする2人。
謝らなければならないことがあると切り出し、オガワクミちゃんの件を詫びる雅彦。
一方、神は、「え、そのこと?」と拍子抜けした様子。
神は気まずそうに「椎名くん、謝らなければならないのは僕の方だよ。まいたのこと。高校の時。」と切り出すが、雅彦はなんのことだか分からない。
「いいや…」と話を終える神。

帰宅した雅彦から神くんの件の報告を受ける瞳。
オガワクミちゃんのことを謝ったが、まいたのことはそれ以上聞けなかったと言う雅彦に、「このままじゃ気持ち悪いじゃん」と苛立つ瞳。
ちょうどそこに、一馬からLINEが届く。
「中央ゼミナールの講師になりました」の文字を見て、驚く瞳。

喫茶店でのシーン。
神くんが気まずくて雅彦をまっすぐに見ることが出来ない様子でした。
「まいた」とはなんなのでしょうか。
雅彦は、自分が一方的に神くんを裏切ってしまったことを後悔していましたが、神くんも神くんで、心につかえていたものがありそうです。

そして後半のシーン。
ここ、瞳がぬか漬けを漬けているのですが、糠を混ぜたり匂いを確認しながら父の話を聞く、という何気ない奈緒さんのお芝居が上手すぎて感動しました。
なんなんでしょう、あの自然すぎるお芝居…さすがです…。
ぬか漬け作業中にLINEが届いてスマホを指の第二関節でタッチする感じとかもうリアルすぎて…。
しばらく感動してしまいました。
私の中で、これはもう忘れることの出来ない、ぬか漬けシーン大賞です。(なんだそれ)


4-5. カズくんの夢

喫茶店で会う一馬と瞳。スーツ姿の一馬を見て驚く瞳。
駅前の塾講師はアルバイトではなく、研修を終えたら正社員になると話す一馬。
一馬は「やっと東大に入ったキャリアが生かされるよ」と話すが、瞳は「カズくん、芸人は?辞めちゃうの?」と聞く。

-一馬「瞳ちゃんに結婚は待ってほしいって言われたでしょ?瞳ちゃんがお父さんが心配なのはよくわかるし、だからもうこれ以上悩みを増やしたくないんだよ。」
-瞳「…ありがとう…。でも、カズくんの夢は?もういいの?」
-一馬「うん。もう決めた。でもこれはもう前向きな決断だから全然大丈夫。」

龍之介は、「後悔すると思うな。するね。後悔先に立たずってことわざ知らないの?」と冷静に淡々と一馬に言葉をかけたという。
「これが一番いいんだ」と言う一馬に、何も言えない瞳。

濱田岳さんも本当に素敵なお芝居されますよね。
一馬の優しくてほんわかしている人の良さや雰囲気が本当にずっと自然に表現されている。
スーツ姿で少し照れ臭そうにする姿なんてもう一馬やん。(一馬だよ)
自分の感情を押し殺しているようにも見えるけれど、根が優しいから、本当にこれが一番いんだと考えているようにも見えます。

一馬は一馬なりに、自分の人生を考えた時に、今そしてこれからの人生には、瞳と一緒になることがやっぱり一番なのだと思います。
だから、瞳とお笑いを天秤にかけたというよりも、瞳の悩みのタネをひとつでもふたつでも減らしてあげたい、というまっすぐな優しさからの決断なのかなと思います。

でもここでも、阿波野先生の言葉がふとよぎりますね。
「でもそれで大切なことを失っていくのはよくない。」
「どうかご自分の幸せも考えてください。」

「雅彦のせいで」「病気のせいで」なんて、誰も思っていないけれど、瞳も、そして一馬も、やっぱりそれに引っ張られて、決断や選択、心が動いていく。

一馬も瞳も、結婚は保留にしただけで、辞めるつもりはないから。
だからこそ、雅彦が生きているうちに、ちゃんと祝福されたい。
そのためにした一馬の決断は、夢を手放す選択だけれど、夢に破れたわけでも、夢から逃げるわけでもない。
瞳は、一馬の夢を誰よりも信じて応援していたけれど、一馬の想いも分かるから、そしてそれが自分のためだから、今はこれ以上何も言えない。
ありがとう、で、精一杯ですよね。

みんなが誰かを想ってる、優しい世界。
雅彦の病気だけが、なかったらよかったのに。


4-6. それぞれの仕事

実演販売にて、いよいよ店頭に立った新人の加賀谷と、それを見守る雅彦。
新人の前になかなかお客さんは足を止めない。

中央ゼミナールにて教壇に立つ一馬。
フリップ芸でも使っていた得意なイラストを使った授業で、子どもたちは皆笑顔。塾講師として、順調な滑り出し。

瞳、帰り途中に美奈子から「3人で飲まない?」とLINE。
圭吾はすぐにOKするが、瞳はお父さんの晩御飯作りがあるからと一度送るが、少し考えて、「ウチに来る?」と提案する。

雅彦の実演販売のシーン。
雅彦はきっと、自分の引退前に加賀谷を育てたいのでしょう。
積極的に現場に立たせて見守る姿に、自分が生きがいとしてきた仕事を手放す悔しさと引き継ぐよろこびの両方を感じられる気がしました。
この加賀谷の成長が、ひとつのキーですね。

塾講師の一馬。イラストを使うとは!さすがですね。一馬らしい。
子どもたちの反応も上々で、すぐに人気の先生になりそうです。
一馬がやってたカズマルくんのネタは、少しアレンジして子供たちをターゲットにしたらウケそうですよね。
小島よしおのスーパーおだやか版というか…(笑)
一馬はもしかしたら塾講師の仕事を通じて何かを見つけて、またお笑いに向き合う展開になるかもしれませんね。

塾の生徒の中に番家天嵩くんがいました!とても好きな役者さんです。
この子が何かきっかけを作るのでしょうか。
楽しみです。

あともうひとつ、一馬がしていた授業、おそらく国語の授業ですが、標題が「天までとどく」でしたね。
悲しみや感謝、感情についての設問を扱っていました。
物語のテーマに対して意味を感じます。


4-7. 瞳の実家にて

瞳の家にやってきた圭吾と美奈子。二人を迎えて張り切る雅彦。
圭吾のことは「岸井くん」と何度も呼び間違えるが、飲み物を買いに行こうかなどと気を遣う様子や、酒の飲みっぷり、食器の後片付けをする圭吾に好感触な雅彦。

4人で「神くん」のことと、「まいた」について話す。
未だに「まいた」にピンとこない雅彦。
圭吾がスマホで検索するが、「直行する2軸の両方の歯数が同じかさ歯車をマイタ歯車と呼ぶ」と歯車しかヒットしない。
「このままだったら死ねないよ」と呟く雅彦に、一瞬ドキっとする圭吾と美奈子。

帰り道、圭吾と美奈子の2人。
-圭吾「瞳のお父さん、絶対無理してるよな。瞳も。なんか悔しいよ。俺には何にも出来ないもん。ほんとに結婚しちゃうのかな、アイツ。絶対そんな気分じゃないと思うんだよな。」

俯いてそう話す圭吾と、そんな圭吾を見て切なげな表情の美奈子。

雅彦にすっかり気に入られた圭吾。
圭吾が葬儀屋に勤めていると知り一瞬驚いたような表情を見せた雅彦。
自分の葬儀を圭吾に頼むのではないかなと予想しています。
圭吾が学生時代に言っていた「人の役に立ちたい」。
瞳のために、そして瞳のお父さんのために、葬儀の相談に乗るのではないでしょうか。
帰り道に美奈子の前で呟いた言葉からも、「何もしてあげられない自分」が悔しいと言っていました。
瞳のために、雅彦のために、今の自分が出来ること。
雅彦の葬儀に繋がっていくのではないかと考えます。

「まいた」の件で圭吾が検索した歯車ですが、実際ありました。

>直交する2軸の両方の歯数が同じかさ歯車をマイタ歯車と呼びます。
>変速の必要がない軸の回転方向を変えて伝えるだけのときによく使われます。


これは何かの伏線でしょうか?そんなに意味はないかな?

雅彦の心にずっと引っかかっていた「神くん」の現在の居場所は、瞳がスマホで検索したら簡単に見つかった。
それに対して、神くんが言っていた「まいた」は、検索しても簡単には見つからない。
人は探せても、思い出はそう簡単に見つからないということの喩えでしょうか。
何かこの何気ない圭吾の台詞に意味があるように感じます。


4-8. まいたパンと告白

「まいた」の手がかりを得るため、雅彦が通っていた高校にやってきた雅彦と瞳。懐かしさに大興奮の雅彦だが、「まいた」はなかなか思い出せない。
「やっぱり神くんに聞くのが一番早いよ」ともう1回会うよう提案する瞳だが、街を歩きながらふと立ち止まる雅彦。
高校時代によく通ったパン屋がなくなりマンションに変わっているのを見つけた雅彦は、そのパン屋が「まいたパン」だったことを思い出す。

美奈子ともんじゃ焼きを食べている瞳。
「まいたパン」を思い出した雅彦だが、深刻な顔になり、それ以上何も話さなくなったという。雅彦は以前のように神くんとの友情を取り戻したいのではないかと話す瞳に、頷く美奈子。

-美奈子「瞳。大変な時に本当申し訳ないんだけど、タイミングが今じゃないっていうのもわかってるんだけど、驚かないでね。私、岸くんのことが学生の時からずっと…」
-瞳「知ってた。」
-美奈子「え?」
-瞳「好きなんでしょ?…いや、え、そんなん知ってた知ってた!」
-美奈子「あぁ…なんか…でも岸くんは瞳のこと好きなんだよね。」
-瞳「え?え、嘘でしょ?え、岸くんだよ?」
-美奈子「だって私と2人きりになったらいつも瞳の話題になるんだもん、あいつ。友達だから瞳は。全部正直に話す。私は、瞳に幸せになってほしいって思ってる。これは本当に。だから瞳がカズくんのこと大好きなら、2人の結婚を心から祝福したいって思ってた。でも、もしかしたら…もしかしたら、瞳が結婚すれば…どっかで安心する自分がいるのかもなって…。ずっと言えなくてごめん。はぁ…もう本当最低だ私…。」

「まいた」のこと、完全に思い出した雅彦でした。

美奈子。岸くんのことが好きだと打ち明けましたが、瞳はそんなこととっくに知っていたとのこと。
知っていたけど、特に聞いたりもせず、触れたりもせずにいた瞳。
無理やりくっつけてやろうと勝手に動くようなこともしないところが、瞳らしいですね。

思い切って打ち明けたつもりが、瞳にはとっくにバレていたことを知り、驚いたような、情けないような、安堵したような様子の美奈子。
瞳にはバレるほどきっと溢れていた「好き」なのに、圭吾は全然気付かない、本当に鈍感なんですね。
一方瞳も、圭吾からの好意には全然気付いていなかったという。
圭吾も瞳も、自分のこととなると超がつくほど鈍感なのかもしれません。
そんな鈍感さに苦労しつつ、でもある意味どこか救われながら、3人の友情を守ってきた美奈子。
美奈子の目線で考えたら、この3人組を友情で結びつけて守ってきたのは、美奈子が黙ってきたからこそなのかもしれないですね。
自分が気持ちを打ち明けたら、友情が崩れるかもしれない。
そこで一歩踏み出せなかった美奈子も、誰かを想い過ぎるがゆえに、自分を後回しにしてきたのでしょう。

ところで、圭吾が瞳を好きだということも、瞳に伝えてしまった美奈子。
これは賛否両論あるようですが、ここでの美奈子には悪意はなくて、もうずっと黙っていて苦しかったこと、罪悪感、最低な自分をすべて、親友の瞳には打ち明けたい、という気持ちからぽろっと出てきてしまったように見えました。
瞳に、自分のずるさをただ謝りたかったんだろうな。

もしもですが、瞳が圭吾に振り向いて、2人が結ばれても、美奈子は祝福するのかなと思います。
大好きな瞳が、幸せなら。

でも勝手に人の気持ちを伝えてしまうのは、よくないか。
よくないですよね。
ここからまたこの3人にも展開がありそうです。


4-9. まいたパンの真相

式場を一人で訪れた一馬。
芸人仲間の余興をやめ、招待客も減らすと言う一馬。
瞳には優先すべきことがあるから自分が責任を持って決めると話す。

一方瞳は、一人で神くんの喫茶店を訪れる。
瞳が雅彦の娘だと聞いた神は、驚きながらも瞳を店内に通す。
「まいたパン」について、何があったのかと神に聞く瞳。話し出す神。

高1の時、まいたパンの裏で先輩に誘われて煙草を吸おうとした時、パン屋の店主に見つかり逃げた神。その場に偶然居合わせた雅彦が喫煙をしていたと突き出されてしまい、2週間の停学をくらってしまったという。
雅彦はそのせいで大学の推薦も受けられなくなってしまったが、神は本当のことが知られたら野球部が甲子園予選に出られなくなるからという理由で本当のことを言い出せなかった。停学明けに以前と変わらぬ様子で話しかけてきてくれた雅彦だが、申し訳なさから、神は前のように話せなくなってしまったという。そのまま高校を卒業し、2人は会っていなかった。

-神「椎名くんがここに来た時、そのことを言われるのかって身構えました。でも、しかし彼は全然違う話で僕に謝ってきた。でも僕は椎名くんがあのことを忘れてるとは思えなかったら、最後まで彼の顔をまともに見られなくて。彼がそのまま帰っていった時は、ほっとしたというより、むしろどんどん気が重くなってしまって。」
-瞳「父は本当に忘れてたみたいです。父らしいと思います、そういうとこ。でも、今は神さんが話してくださったこと、思い出したんでしょうね。なんか思い詰めてるというか、神さんのことを怒ってるとかじゃなくて。とにかく、昔のように戻りたいって、どうしたら戻れるのかってそれを考えてるんだと思います。神さん、娘として、あなたにお願いがあります。」

勝手に圭吾の気持ちを伝えてしまった美奈子。
勝手に式の事を決めていく一馬。
誰かを思うがゆえの勝手さも、色々です。

一馬が一人で式の準備を進めていくところ。
芸人を辞め、雅彦が生きている間に瞳をちゃんと幸せにするという覚悟を見せ、祝福されたいという、一馬の覚悟が感じられます。

まいたパンについて、真相が明らかになりました。
二者の間でこじれた時、こんな風に第三者がいることによってほぐれていくことってありますよね。
瞳と雅彦の親子が、阿波野を通じてほぐれていったように。
瞳、圭吾、美奈子の3人組も、そうなるのかな。

まいたパンの件、雅彦は本当にさっぱり忘れていたのでしょう。
思い出して、神くん側にも自分と同じように、ずっと引っかかっていた後悔があったということを知った。
相手がそれだけ胸に抱えていたことを、こちら側はまったく覚えてもいなかったということが、逆に申し訳なく感じてしまうこともありますよね。
瞳のお願いは、もう一度父と会ってほしいということだと思います。


4-10. 許してやるよ

マキの花屋にやってきた一馬。
スーツ姿の一馬に驚くマキ、芸人を辞めたことを聞いてさらに驚く。
マキから、雅彦が大会で一馬に投票をしたことを聞き、驚く一馬。
「残念がるかもよ」とマキ。「え…」と一馬。

瞳は、雅彦をもう一度高校に行こうと誘い、連れ出す。
校舎に入り、3年2組の教室に入り、昔を思い出して興奮する雅彦。
瞳はカメラを片手に、そんな雅彦の様子を撮影する。
するとそこに神が現れる。雅彦に内緒で、瞳が神をこの教室に呼んでいた。
廊下に出て、教室に雅彦と神を残す瞳。

-神「本当に悪かった。あの時の僕は本当に卑怯だった。君に罪をなすりつけて本当に最低なことをした。」
-雅彦「何言ってんだよ、もうあれは40年以上前のことじゃないか。」
-神「その四十何年間、ずっとしこりみたいな重いものが僕の心の中にあったんだ。なんであんなことをしちゃったんだろうって。」
-雅彦「いや、だからもう、俺が勝手にやったことじゃないか。それと、俺と神くん親友だったじゃん。」
-神「でもあのせいで椎名くん、志望校の推薦入試に…」
-雅彦「何言ってんだよ、あれはさ、俺の成績が悪かっただけだよ。関係ない。神くん、わざわざここまで来てくれてありがとう。」
-神「僕を…許してくれる?」
-雅彦「許すも何も…。許す。許してやるよ。」

手を差し出す雅彦。その手をとる神。教室で、握手をする2人。

-神「…ありがとう。本当にありがとう。」
-雅彦「…やっと元に戻れた。ありがとう。」

涙をこらえながら握手をし笑い合う2人。廊下でほほ笑む瞳。

もうひとつ謝らなければならないことがあると切り出す神。
オガワクミが今は神の奥さんだと言う。
それを聞き驚く雅彦と瞳。雅彦は驚きながらも、神にハグをして「おい!神!!」と嬉しそうに笑う。それはまるで、高校時代の2人の姿だった。

オガワクミちゃんが奥さんになっていたオチには笑いました(笑)
驚いたノリさんの表情と、嬉しそうに「おい~!神~!」と抱きつく表情、よかったな~。
中井貴一さんと木梨さんの、気まずいながらも本当に仲良かったんだろうなというお芝居が素敵でした。
大人の、おじさんの、友情っていいなぁ。
ここに中井貴一さんを使う配役が素敵すぎる。
自分の余命のこと、いつか雅彦が話した時、最後に力になるというか、また一緒に遊んだり、思い出をつくれる二人になってくれたらいいな。
そしていつかオガワクミちゃんと雅彦も再会してほしいです。

40年以上二人の間にあったしこりが、本当に簡単にほぐれていった。
人の関係って、そんなもので、些細なきっかけで距離が隔たれてしまうこともあるけれど、些細なきっかけで元通りになることだってある。
雅彦のひとつの心のつかえが、成仏されてよかったです。

雅彦は、まいたパンのことは本当に忘れていたし、本当にたいしたことないと思っていたのでしょう。
でも、「許す」と自分が言ってやることで神くんが救われることを知っているから、あえてちゃんと「許す」と口にした。
自分がもしもそれを言わずに死んでしまったら、神くんの中にしこりがずっと残ってしまうから。

ここでの雅彦の優しさには、泣けました。

雅彦も神も、どちらも、お互いを許す許さないなんてないくらい、本当に些細なことだったけれど、今あらためて許し合って救われましたね。
許されたいという気持ちを抱えたまま過ごすことは、苦しい。
許すことと、許されること。
それが人を救うことって、たくさんあるんだろうな。


4-11. 元通り

美奈子と2人で会い、神くんのことを報告する瞳。
-瞳「美奈子。40年経っても一緒にお茶してね。一緒にもんじゃ行こうね。私さ、美奈子が岸くんのこと正直に話してくれたの嬉しかったの。でも、ずっとしんどかったよね。私もほんと鈍感で…自己嫌悪。ごめん。」
-美奈子「私こそごめん…」

顔を合わせて笑う2人。
「美奈子、私美奈子に相談したいことある!!」と、一馬が芸人を辞めることを切り出す瞳。

一方一馬、塾講師をしながら、間違った生徒の回答に、「どんまいどんまい、僕は好きだよ」とナチュラルに声をかけて笑う一馬。
その言葉を聞いた生徒の一人が、驚いて一馬を見つめ、「カズマルくん?」と聞く。ざわつく教室。「違う違う、はい静かにして」と一馬。

自宅にて、雅彦と瞳。雅彦は消化した項目をリストから消していく。
「最近カズマルの話しないけど何かあった?」と聞く雅彦に、「別に何もないよ」とかわす瞳。
「あ、あとさ、うちにきたあの彼、岸くんって言ったっけ。彼いいな、性格もいいね。瞳、彼、また会いたいね。父さん、彼の事気に入った。気に入った!」と雅彦。

瞳と美奈子も、元通り。女の友情、いいな。
別に美奈子は岸くんに想いを伝えるわけでも、瞳が岸くんと距離を置くわけでも、きっとない。
3人組も、いつも通り。今はそれでいい。

そしてカズマルくん、ちびっこに人気ある説がやっぱり急浮上!!!
大会に出た影響ですね。
実際こんな風にしてバズっていくことってあるんだろうな。
慌てて自分の正体は隠した一馬ですが、無邪気な子供からカズマルくんを求められるうちに、お笑いへの気持ちがやっぱり顔を出してくる展開になりそうですね。

最後、雅彦は岸くんのゴリ推しを始めました!笑
雅彦は瞳の様子から、一馬と別れたと思っているのかもしれません。
雅彦は雅彦で、一馬の事を口では色々言いながらも受け入れ始めてきていたし、やっぱり雅彦だって、瞳を一人で残すことは辛いから、瞳が選んだ大切な人と、一緒になってほしいと願っていますよね。
次回から岸くん岸くん言い始めるのか?!

次回予告で、雅彦の葬儀に関する話も出てきていました。
今回は、友情がテーマのストーリーで、ほっこりしてしまいましたが、来週はまた余命と向き合わざるをえない展開になりそうですね。
次回はもう5話。折り返しです。本当にあっという間だな。

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