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漏斗胸の治療記録(2. 手術〜退院)

この記事では、前回の下調べに続き、
入院時の所持品や入院中の過ごし方について、備忘録を兼ねて書いています。

  1. 下調べ

  2. 手術〜退院(この記事)


本題に入る前に添付がビフォーアフターです。

術前感じていた心臓周りの圧迫が、体感できるレベルで改善されたように思います。

また、私の場合は副次的に胃もたれも改善されたように感じました。
これは圧迫によって胃液が上がっていたのが解消された事によるものだと思っています。

経過は今後もTwitterでポツポツ更新していく予定です。
2期手術に向けて年単位になるため、もし同じ境遇の方がいらしたらぜひFFになれればと思います Twitter: @natsu

以降、本題です。


入院中に役立ったものたち

病院指定のもの

  • 印鑑、ペン

  • 院内ばき

    • スリッパNG、踵があるもの

  • 紙オムツ - 1枚

    • 前で止める男女兼用のもの

    • 病院の売店でも売ってる事が多い印象

  • マスク - 30枚入1箱

    • 枚数指定はないですが時事的なものなので入院日数に応じ

  • 持参薬

    • 普段飲んでいる薬やサプリなど

通常の持ちもの (ほぼ必須)

  • 着替え - 2〜3セット

    • レンタルの場合、遠方でも上下2セットあれば十分そう

    • ただ下着だけは、+ 2〜3セットあると良し(術後すぐは痛さと管だらけで着替えられないため、術前にすべて洗濯して抜管タイミングまで洗濯不要にできるとベスト)

  • ハンドタオル - 2〜3枚

    • レンタルに含まれていれば不要そう

  • 吸い飲み

    • ペットボトルのフタとして使えるものや、単体ポット式のもの

    • 術後、コップを持って飲むのは厳しいため必須級

  • 歯ブラシ、歯磨き粉

  • 使い捨てのカトラリー

    • 箸 - 4、50膳程度

      • 術後はとにかく痛みが響くので、割らないタイプがオススメ

    • スプーン、フォーク - お好みで

  • ドライシャンプー

    • 術後、何日か風呂に入れないため

  • シャンプー、ボディソープ

    • オールインワンで兼用のものがオススメ

  • 電動シェーバー(※男性の場合)

  • くし(※女性の場合)

  • モバイルバッテリー

  • S字フックとカゴ

    • ベッド柵に取り付ける用

    • 術後はパラマウントベッドで上体を起こす為、外すことになる

特に便利だったもの

  • クリアファイル

  • 紙コップ

  • イソジン

  • アルコールティッシュ

  • 箱ティッシュ - 1〜2箱

  • ポケット付きの薄手のパーカー

    • 病衣にポケットがない場合に便利

  • 延長コード

    • 1.5mほどあれば十分

  • レンタルポケットWi-Fi

    • 院内Wi-Fiより確実なため、10〜20日程度でレンタルしておくと何かと便利。

  • Air Podsなどのマイク付きイヤホン

    • 術後しばらくの間、スマホを手に持って通話することは厳しい為

  • Kindleなどの電子書籍

    • 術後動けない間役立つ

  • 小さめのエコバッグ

    • 売店に行く時に役立つ

  • レジ袋 - 3〜4枚

    • ゴミや諸々に多用途

反省

  • 現金の不足

    • 3000円程度のお札と500円程度の100円玉があると良し

    • 入院中、洗濯や自販機で使う事になるが、1000円札までだったりする為、場合により売店まで出る必要あり

    • 定期的に来ていた移動売店に救われました

入院時の状況

私がお世話になったのは漏斗胸手術で広い地域から人が集まる病院でした。

そのため看護師さん方も術後対応に手慣れている様子で、
タイミングごとに痛みの少ない身体の起こし方やリハビリ手段などを教わる事ができ、身動きがままならない中、心強かったです。

手術を担当頂いた先生方も、お忙しいなか術後はほぼ連日で、経過や困っている事の確認で病室まで足を運んで下さっていました。

以降は日ごとの経過を、当時のメモと覚えている範囲で記録しています。

入院初日(手術2日前)

  • 10:50 PCR検査

  • 14:30〜15:00 待機

    • 携帯に陰性の連絡を受ける

    • 窓口で入院手続きを済ませ、病衣等のアメニティを契約しつつ病室へ

    • 病棟やシステム周りの説明を一通り受け、当日は特に何もなく終わる

  • 21:00 消灯

    • 病院の消灯時間に慣れないながら手術に備え早めに寝る


入院2日目(手術前日)

  • 6:00 起床

  • 7:30 朝食

  • 9:40 検温、血圧測定

  • 9:50 主治医の先生とオペを担当される先生方が顔合わせに

  • 15:00 風呂、ワキ毛処理の指示

  • 15:30 術前説明

    • 絶飲食と手術時刻の説明を受ける

    • 術後用のオムツを用意しているか確認をされる

  • 16:00 外出許可(売店)

    • コロナ感染予防のため病棟から出られる時間が限定されており、この時刻に許可が出る

    • 術後用オムツ、お茶などを購入(術後は当然ながら動けないため、水やお茶は多めに買っておくと良し)

  • 18:10 夕食

  • 21:00 消灯

  • 24:00 絶食


入院3日目(手術当日)

  • 5:50 起床

    • 6時から絶飲のためお茶を飲んでおく

  • 6:00 絶飲開始

  • 7:00 看護師さんが術前確認に

    • 絶飲食してるかの確認とあわせ、術衣への着替えと弾性ストッキング着用指示を受け着替える

  • 8:00 移動

    • 時間ピッタリに看護師さんから呼び出される

    • 手術室まで本人確認を何度か繰り返す

  • 8:20頃 手術室着

    • 再度、本人確認と手術内容の確認を行い、手術台に乗る

    • 硬膜外麻酔の挿入で、おそらく多くの人は大丈夫なのであろうが、体内に管が入ってくる感覚により吐き気を催してしまい何度かストップをかけてしまった(担当医の方々に申し訳なさ)

    • 左手背から手術用の点滴が取られる

    • 酸素マスクを付けられた後、何かをやり取りした記憶があるがあまり覚えておらず、以降、完全に眠りに落ちる(全身麻酔)

  • 19:40頃 病室前?

    • 意識が戻る

    • 戻りはするはあまりハッキリしない状態。たしか全身が震えていた(全麻のあとは寒気があるそう)

    • 意識がハッキリしないためか、この時点で痛みなどの感覚はよく分からず

    • 続けて自身の病室の前だと気づく
      (時間はこの時は分からず、4日後くらいにスマホを持つ気力が戻り身内からの術後連絡があったとの連絡のタイムスタンプで把握)

    • ノドがイガイガする

      • 気管挿管の影響との事

      • 胃腸が動くまで3、4時間ほど水が飲めないため、代わりにという事で氷を頂けた

      • 氷がある間はノドの炎症が若干治まったが、繰り返すのでコップの氷でしのぐ。胃腸が動いていないからか、あまり氷を摂りすぎると吐きそうになる

    • 以降、病室でひたすら横になり耐える
      (特にしんどい時はナースコールして対応頂いていた)


入院4日目(術後初日)

  • 7:00 朝

    • 意識も戻ってきて、胸部全体に10〜20kgくらいの漬物石または米袋が乗っているような感覚

    • 仰向けで、少しでも身体をあげようとすると強い痛みが走るため、上半身は、はりつけの状態

    • このタイミングで朝食が再開(多分)

    • 腕を少し動かすので精一杯という状況のため、ベッドを起こして食べられる体勢を維持するのが大分厳しく、パラマウントベッドのリモコンで上半身を15度程度あげて、汁物を一口だけすすって終わった気がする

  • 8:00 回診

    • 検温、血圧測定など

    • 38度程度の熱(術後は熱が出るとの事)

    • 痛みからか顔から汗が吹き出していたようで、看護師さんが濡れタオルを渡して下さる

    • 抗生剤の点滴が入る

    • 以降、回診都度行う事となる「背中の硬膜外麻酔の管チェック」で、上体を前に起こすか横に向ける必要があり、これがかなりしんどい。
      身体で起きる事ができないため、パラマウントの柵に両手で掴まり上体を引っ張りあげる、といった動作を行う

  • 12:00 昼食

    • 体勢が厳しいのは変わらずなものの、ベッドを起こしなんとか数口入れる

  • 13:00-15:00頃? 1回目の歩行訓練

    • 看護師さんに手伝って貰いながら上体を起こし立ち上がろうとするも、立ち上がり後すぐに目眩と吐き気により歩行までは断念

  • 18:00 回診

    • 検温、血圧測定

    • 硬膜外麻酔の管チェック(覚悟が必要)

  • 18:30 夕食

    • 数口入れる。結局、術後初日は終日あまり食べられず

  • 21:00 消灯

    • まだつらい時間を過ごす。とくに夜間は気持ち的にも厳しい
      (痛みで眠気がこず)

    • 何度か吐き気を催してしまい、吐き気止めの点滴を入れてもらう

    • あわせて6時間のダウンタイムが上がる度、アセリオ(解熱鎮痛剤)を入れてもらっていた

    • 自身のタイミングで押せる硬膜外麻酔の流量を一時的に追加するスイッチが手元にありつつ、たまに位置が分からなくなる事があり、仰向けのまま顔を下に向けられないため焦る。

    • 流石にそんな事でナースコールできないので、たまに看護師さんが来た時にスイッチを手元に戻して貰っていた(冗談のようですが、本当に身体がねじれません)


入院5日目(術後2日目)

  • 7:00 朝食

    • 看護師さんにベッド上の身体の位置を調整して頂けた

      • 位置調整について、パラマウントベッドは部位ごとに上げ下げができるのですが、L字にして腰で上体を支えるようにすると上半身に力を入れず起き上がれるイメージです

      • しかし、折れる位置より腰が上である必要があるため、Lの前に一度アタマ側に傾斜をつけ、身体に力を入れないようにズラします

    • ありがたい事に食事を口に運べる体勢になり、このタイミングで初めて少し食事が摂れる

  • 9:00頃 看護師さんの回診

    • 身体拭きとともに、尿道バルーンの抜管がありオムツから通常の下着に

    • あわせて術衣から病衣に着替え

    • 以降トイレは自身で立って行く必要があるため、都度必ずナースコールとのこと(両脇腹に刺さっている胸腔ドレーンの機器が、壁の酸素を送る部分と繋がっているため)

  • 10:00頃 先生の回診

    • 痛みについての確認と、3日後に胸腔ドレーンの管が外れるタイミングでかなり良くなると励まして下さる

  • 12:30頃 昼食

    • なんとか自身で身体を移動させつつ食事を摂る

  • 14:00頃 歩行訓練

    • 術後初めて立ってトイレ前まで歩けるようになる(感動)

    • 立ち上がり時、上半身に力を入れられず、ふくらはぎをベッドに押し当て、足で支える感じで立ち上がる(靴が滑らないよう注意)

    • ただし少し歩行して目眩がしたためトイレ前まで行って戻り、またベッドへ

  • 19:00 夕食

    • 朝昼と同様にして食べる

  • 21:00 消灯

    • 以降、ドレーン抜去に思いを馳せ寝ようとする

    • 仰向けが続いているため、肩が痛くなってきたので、ベッドの頭部分をたまに30度くらいまで上げて肩にかかる圧を一時的に少しでも減らすなどを繰り返して誤魔化した

    • 痛さを紛らわすため、一晩ベッド柵にもたれかかり、時折聞こえる廊下の足音に人の気配を感じながら無の感情で痛みやり過ごす

    • 時計を見る度、2、30分程度しか進んでおらず朝日の気配を感じる5時半頃にうたた寝に近い形で睡眠がとれた


入院6日目(術後3日目)

  • 7:00 朝食

    • ノドのイガイガは取れた

  • 10:00頃

    • 術後からあまり寝付けておらず、寝不足からか光を眩しく感じ目眩が出始める

    • 夜間より日中の方が日差しによるセロトニンの分泌からか眠気を催したので、寝られるときに少しでも寝ていた

  • 14:00頃

    • 風呂に入れないため髪や身体が汗臭くなっており、回診のタイミングで洗髪の相談をしてみた(翌日できるかもしれないとの事)

  • 21:00 消灯

    • この日は回診以外に特にイベントはなく、痛みも2日目より大分マシになったものの、快復までの事を考え気が滅入っていた日だった


入院7日目(術後4日目)

  • 10:00頃 回診

    • 術後から左手背にずっと刺さっていた手術用の(点滴の)針が抜け、右手首のあたりでより細いゲージの物に変更に

    • 手背の針が抜けると思った以上にラクで、結構痛みがあったのだなと感じた

    • 新たに右手に刺した方はかなり細く、刺した感覚が全く無いレベルで痛みがない

  • 15:00頃 洗髪

    • 前日に相談していた洗髪をしてもらえる事に(忙しい中、感謝…)

    • 手術前に洗ったきりギトギトになった髪を洗髪してもらい、かなりスッキリする

  • 21:00 消灯以降

    • この頃に、体温の感じ方が普段と変わる

    • 若干の寒気が何かと考えていて、ベッド横の、胸腔ドレーンから繋がっている管から血液が流れるユニット(胸腔ドレナージユニット?)を見ると、血液が入る方の管のメモリが550ccに届くかというところで、多分貧血?のようだった。

    • 個室なのでエアコンを調整しながら過ごす事に


入院8日目(術後5日目)

  • 7:00 朝食

  • 9:40頃 ドレーン抜管

    • 先生方が何人かでいらして、太い管1本を抜き縫合、最後に細い管2本を抜きテーピングの手順で、ものの5分程度で完了する

    • 抜くときの痛みは全くなし

    • 管が抜けると、身体がかなりラクになる

    • 硬膜外麻酔も翌日抜けるとの事

  • 10:00頃 回診

    • 全身拭き、ベッドシーツと枕カバーの交換

  • 11:30頃 レントゲン

    • 抜管後の確認のためベッド上で。

    • 背中に板を入れるときに少し痛む

    • 全体で10分ほどで終了

  • 14:00頃 回診

    • 硬膜外麻酔の残量チェック

    • 少ないもののギリギリ翌日の抜管まで持ちそうとの事で交換なし

    • 以降は普通に過ごす

  • 21:00 消灯

    • この日は久々に家かのように寝られた(抜管が大きい)


入院9日目(術後6日目)

  • 7:30頃 朝食

    • この日、朝から何が起こったのかという激痛が…

    • 寝ている間に捻ったか?と考えつつナースコール

    • 硬膜外麻酔を抜管後に切り替える痛み止めの飲み薬は、今朝時点では出ていないという事で、とりあえず先生に確認頂きつつ待つ事に

  • 〜9:30 横になれず

    • ひたすら痛い。横になることもできないので、ベッドに座った状態で待つ

    • あらためて看護師さんがいらして、まだ薬が上がってきてないとの事

    • ひとまず繋ぎとしてロキソプロフェンを頂くもあまり痛みが引かず…

  • 〜10:00頃? 看護師さんが点滴を抜きに

    • ソルデム(輸液)が切れたので、以降は薬をすべて経口投与に切り替えるとの事で点滴を抜去

  • 〜11:30 麻酔科の先生がいらっしゃる

    • 硬膜外麻酔の残量が完全に無くなっていたとの事

    • 硬膜外麻酔は常時流れているものと別に痛みが強い時に(ダウンタイムはあるが)自身でボタンを押して流量を増やせるようになっており、減る量が読みづらいというのはありそうだったため、前日の夕方頃に減っていたタイミングでこちらから念の為交換してほしいと伝えておくべきだったかもしれない

    • 12:00頃? 鎮痛剤を頂く

  • 13:00頃 硬膜外麻酔の抜管

    • ラクな体制で抜いて頂けるとの事なので座ったまま抜いてもらう事に

    • 硬膜外の抜管も早業で終わり、テープを貼って頂き完了

    • このタイミングで身体から管が全て抜け身体が大分ラクになる

  • 21:00 消灯

    • この日から徐々に寝られるように


入院10〜13日目(術後7〜10日目)

  • 毎日のルーチン(朝夕の回診と、食事)

  • まだそこまで動けないものの、痛みが引いているときは極力歩行。キツいときはベッドでひたすら休む

  • 術後7日目くらいから自身でシャワーに入れるくらいまで回復

  • 術後9日目くらいで退院日が確定


入院14日目(術後11日目)

  • 少しずつ身体も動くように

  • 退院日が近づいてきたため、片付けを始める


入院15日目(術後12日目)

  • 引き続き片付けなど

  • 遠方の場合、重い荷物は宅配手続きを済ませておくとラク


入院16日目(術後13日目) 退院日

  • 朝食を済ませ、いつも通り検温、血圧、創部チェック

  • 午前中に支払いを済ませ、最後に部屋チェックを行ってもらい退院


さいごに

以上が入院前後の記録です。

ここまでお読みいただいた方は、おそらく手術を受けたor受ける予定の方も多いのではと思います。

術後、この記事に限らず情報で見るより自分の回復が遅い事もあるかと思いますが、日にち薬で必ず良くなるハズですので、まずは先生を信じて気を強く持ってください。

帰路は、私は遠方という事もあり空路の方が早かったのですが陸路で帰りました。退院直後は5kg程度の荷物を持つのも私は厳しかったので、可能であれば、どなたか身内に付き添いをお願い出来ると安心かと思います。

乱文ですが、この記事がなにかの一助となれば幸いです。それでは。

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