シリコンバレー銀行破綻の件について

シリコンバレー銀行(SVB)は、米テクノロジー企業への融資で知られる中堅銀行で、米西海岸シリコンバレーのエコシステムの中核を担っていました

  • SVBは2023年3月10日に経営破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入りました。これは2008年のリーマン危機で破綻したワシントン・ミューチュアルに次ぐ米銀の大規模な破綻です。

  • SVBの破綻の原因は、長期金利上昇による金利リスクでした。SVBは長期債券やMBS(不動産担保証券)を多く保有していましたが、金利が上昇すると債券価格が下落し、資産価値が減少します。また、SVBは変動金利型ローンを多く貸し出しており、金利が上昇すると借り手の返済能力が低下し、貸倒れが増加します。

  • SVBの破綻は市場と経済にも影響を及ぼしました。SVBと取引関係にあったスイスのクレディ・スイス・グループやドイツ銀行など欧州の金融機関も株価急落や経営問題を引き起こしました35。また、SVBから融資を受けていた多くのハイテクスタートアップ企業も資金調達困難や事業停止など危機的な状況に陥りました。

  • SVBの破綻を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)は中堅銀行に対する規制強化を検討しています。特に長期債券やMBSなど流動性リスクや金利リスクが高い資産への投資比率や変動金利型ローンへの貸出比率などを厳しく監視する方針です。

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