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くじ引き100円寿司体験記

事の発端は、高校からの友人・Iちゃんに推しの円盤を見てもらっていた時のことです。

昨年秋から自分でも困惑するくらい推すこととなったアイドルグループの円盤(Blu-ray等のことです。一般的な略語ではないことを弟に指摘されて知りました)には、時として本編以外に舞台裏や特別企画を収めた特典盤が付いていることがありまして、その成人の日に私が彼女に見てもらっていたのはまさに2013年版のそれでした。

Iちゃんはまじでめちゃくちゃに良い奴なのですが、輪をかけて私が大好きなのはとりあえずなんでもやってみるし、勧めれば摂取してくれるところ。私にはできないことなので心の底から尊敬しています。

そんなIちゃんなので、


「わけがわからないけどなんだかめちゃくちゃにアイドルにハマってしまった。推しを見てくれ」


と要請した私に


「いいよ!😊」


と二つ返事。


コンテンツを知らない人でも概ね楽しめるであろうライブ本編だけではなく、ひたすらにメンバーがわちゃわちゃし続ける特典映像まで見てくれました。

そこで彼らがわちゃわちゃやっていたのが、【ジェンガをしながら、自分の番に引き抜いたジェンガ棒に書かれた寿司ネタが食べられる】というゲーム仕立ての昼食。

可愛いね、仲良いねなどと言いながらほのぼの2人で見ていたのですが、一部始終を見届けた私たちの口はすっかりお寿司の口になっていました。


「……100円寿司行かない?」

「いいよ!😊」


好き。


その日はIちゃんが家で夕飯を食べる日だったので、寿司の予定はあらためて翌週に入れ、円盤を貸しておひらきに。(借りてくれました)

そうしてやってきたのが地元のスシローです。

(あきんどって可愛いですね)


なんとこのスシロー、現代らしくアプリから予約ができるのです。そんなことはさっぱり知らなかった私はIちゃんに言われるがまま、彼女が運転する車の後部座席で予約ボタンを押しました。

スシローまであと20分ほどの距離を走る車内。ジェンガで寿司を食っていた彼らの気持ちを追体験できるね、と話しているうちにだんだん楽しくなってきた私は、より彼らの心境に近づきたいと欲を膨らませました。

あのゲームの醍醐味は、誰がどのネタを食べられるかジェンガするまでわからないところ。基本的には美味しいお魚ばっかりなのに、うっかりかっぱ巻きを引いて悲嘆に暮れるメンバーがいる、あの悲喜交交具合が美味しいのです。


「…食べるネタさ、くじで決めない?」


「いいよ!😊」


こうして我々は即くじ引きアプリをスマホに落とし、操作がよくわからず20分を棒に振った私の代わりにIちゃんがオリジナルくじを作成してくれたのでした。


スシローのネタは100種以上。それを打ち込むのには少々時間がかかります。テーブル席に通されて、湯呑みにドバドバ抹茶を投入しながら「お寿司久しぶりなんだよね」と呟くと、どうやらIちゃんは最近高校の友人2人と食べたらしく、

「えんがわってどんな味?ってきいたら“高橋一生みたいな味”って言われて俄然食べたわ」

えんがわ初体験をしていました。

高校の友人たちは、例えば「やあやあ」と挨拶すると「鎌倉武士みたいだね」と返してくる人間の集まりなので、相互にとてもフィーリングが近い。そう言われると、もう私にもえんがわはただの高橋一生にしか見えなくなります。※ファンの方申し訳ございません 素敵な俳優さんです



似てませんか?


噂をするとなんとやらで、ちょうどくじが完成するかというその時、高橋一生がレーンに乗って流れてきました。

(製造終了してたっぽいにも関わらず流れてきました)

景気付けに食前酒よろしく高橋一生を分け合い、いよいよ我々はくじ引き回転寿司に挑みます。


〜くじ引き回転寿司レギュレーション〜

・交互にくじを引きあい、当たったネタが注文できる。

・食べられないネタが出たら相手のネタと交換、どちらも食べられないネタについてはなかったことにして引き直す。

・レーンを流れてきたネタは好きに取っていい。お酒やサイドメニューも注文自由

・満腹になったらゲームセット。


初手:

Iちゃん→わさびなす

私→きゅうり巻き(きゅうりが苦手なためIちゃんのわさびなすと交換)



・・・お盆?


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2巡目:

Iちゃん→ツナサラダ

私→カニ風サラダ


3巡目:

Iちゃん→数の子松前漬け

私→シーサラダ



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Iちゃん「こんな写真映えしない回転寿司ないよ」


“寿司”とiPhoneに打ち込むと出てくる絵文字が「🍣」です。

こいつが5つ並んだ姿なんて「🍣🍣🍣🍣🍣」です。カラフル。

にも関わらず、あろうことか我々のもとには色構成がほぼモノクロで事足りてしまう面々が集結してしまいました。海苔が多すぎてなんか全体的に黒いし、そもそもサカナがいるかすら怪しくないか?

数の子は後発だったのか未だ届かず(そもタマゴですが)、精霊馬コンビに含まれる魚成分は0% 。そうなると、辛うじて魚を主張しているのはサラダ三兄弟になるのですが、正直どれが誰だかさっぱりわかりません。

このサラダたち、先発の精霊馬コンビに続いて3人仲良く連なって流れてきたことで私とIちゃんの笑いのツボを破壊してくれました。

考えてもみてください。こちとら2人連れの若いOLです。そんな席からいのいちばんにナスときゅうりが発注され、次点で元気よく鳴った通知と共に画面いっぱいに表示されるのがこれです。


ご注文の品が届きます!

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「シーサラダ」(シーサラダの画像)

「ツナサラダ」(ツナサラダの画像)

「カニ風サラダ」(カニ風サラダの画像)

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※参考画像

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私が店員なら、「…ちょっとサラダ好きすぎない?」と思います。次に2人組でサラダ奇数個を頼んできたことを訝む。「少なくともどっちかが2つ食べるんだよな多分……」と気になってしまうでしょう。

くじ的にそのサラダ好きは私となるわけですが、おかげさまですっかりスシローサラダに詳しくなりました。手前からカニ、シー、ツナです。


さて運命の4巡目。ここで事態が動きます。

Iちゃんのお新香巻(両者好まず無かったことに)→たまごを経て、ついに私が待望のサカナを引き当てたのです。しかも、、


200円皿 特ネタ大トロ!!


「ウワッ!!!魚!!!?」

「さかな!!!魚だ!!!!」


寿司屋で魚に大歓喜、到着すれば拍手喝采。

100種超えのネタ数の中、わずか4巡くじを引いただけでこんなに楽しめていいのでしょうか。


ありがとうスシロー。お野菜もお魚もとっても美味しかったです。

ありがとうIちゃん。聴いてほしい曲目50選のExcelファイルを受信してくれる友人を持って私は幸せです。おすすめドラマ、番外編まで見るね。


普段食べないネタも、食べてみると美味しさに気づけます。新鮮ですね。リーズナブルにハッピーな気分になれるので、お勧めできる日曜日の過ごし方だと思います。お寿司が好きな方、くじ引きが好きな方、今度の週末いかがでしょうか。


戦績

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※結局最後まで大真面目にくじを引き続けました

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