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春の西旅・九州へ⑤

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私は観光地ではとりあえず展望台に昇ることを是としている。門司港レトロにも展望台があるというので行くことにした。マンション建物の最上階とのことで、トロッコの車内アナウンスで黒川紀章の建築だと教えられたが、見るからに晩年の作品でモダニズムとは離れた眠たい見た目が惜しい(今思えば丹下の都庁やフジテレビもそうであるように、こういう化粧コンクリートとガラス窓の構成が彼らなりの「ポストモダン」だったのかもしれないが)。

展望台に昇るとスタンドがあったので、遠慮なく地ビールを注文。それを傾けながら、関門海峡そしてそれを挟んで街が向かい合う一体都市「関門」を望む眺めはなかなか見事であった。

土産物屋を冷やかしつつ、少し早めの夕餉にありつくとしよう。門司港の名物と言えば焼きカレー。軽く調べてみると店によって当たり外れが大きいらしく、ここは奮発して少し高めの方に入った。ボリューミーで贅沢な一品。

さて、カレーを食べ終わるころにはいよいよあたりは日暮れになった。だがまだ宿には向かわない。門司港レトロは夜こそ美しいのだ。再び展望台へ向かう。

門司港レトロ
門司港駅
下関
関門

日本新三大夜景というものに選ばれているのだそうだ。「三大夜景」系は諸説あるので何とも言えないが、美しく見応えがあることは確かである。
夜景も満喫したところで、ホテルに向かう。

門司港駅と夜桜

門司港レトロは観光地なので宿がどこも高いうえ満室気味だったので、少し外れた場所に1箇所だけあるビジネスホテル(ルートイン)に泊まった。部屋飲みに関門らしくふくの缶詰をつつき、今日は寝台列車明けで寝不足でもあったので早めに就寝した。


翌朝。6時前に起床し、ホテルで朝食を済ませる。この日は移動日だが(同時に今回の旅のメインディッシュでもある)、門司港を離れるまで少し時間があるのでもうしばらく見て回ることにした。

ホテルから駅の方に向かう途中、偶然眺めの良いスポットを見つけた。陸橋から門司港駅構内を一望できる。右の方は一部が九州鉄道記念館になっているが大部分は留置線として現役で、本州との玄関口であった往年の大ターミナルの姿をよく残している。

駅舎まで来た。国指定重要文化財になっている駅舎には意外にもスタバが入っており、気になっていたコーラフラペチーノを飲んでみた。コーラの味ながら炭酸の刺激感とは対極的なまろやか・クリーミーさで美味しかった。

先程の場所に戻ると駅も動き始めていた

⑥につづく



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