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人類滅亡

「なあ、明日地球が滅びるならなにしたい?」

「うーん、なんだろ。セックスかなあ」

「でも考えてみたらさセックスの目的て種の保存じゃん?
 明日人類が滅亡するのにしたくなるもんかね。」

「たしかになー、わからん」

「1日しかないなら旅行もいけんもんな」

「ウユニ塩湖見に行きたくても着いたら滅びるしな」

「リアルに想像してみたら無法地帯だな」

「道路で青姦してるやつとかいそうだし」

「富士山登って崖から大声で叫びながらジャンプする奴もいそう」

「もしそれで明日滅亡しなかったら散々だな」

「じゃあ知らされないほうがいいのかな」

「うーん、そうだな。知らされない方がいいな」

「てかさ、みんなのほほんと暮らしてるけど明日滅亡するかもしれないんだぜ?」

「明日生きてる保証なんてないのになんで未来のことばっか語るんだろうな」

「うーん、それは未来の希望がないと生きられないからかなー」

「そうか、未来の希望ねぇ」

「ないよりあったほうがいい気はする」

「スティーブ・ジョブズってさ、毎日鏡に向かって明日死ぬなら今日なにをするか?って自分に問うらしいけどそれってどうなん」

「明日死ぬなら積み上げも意味なくなるもんな」

「積立ニーサとか資格の勉強とか全部意味なくなるじゃん」

「今書いてて思ったけどスティーブ・ジョブズっていい意味で刹那的だよな」

「なんで?」

「未来の目標立ててそこに向かって積み立てるんじゃなくて今を全力で生きた先に未来がつくられるって考えだから」

「今を全力かぁ」

「過去の積み重ねで今があり今の積み重ねで未来がある」

「でも彼は未来を見てるんじゃなくて今に没頭してる」

「だからもし彼が滅亡を知った時、いつもと変わらない今日を過ごすんじゃないかな」

「いつもと変わらない今日?」

「ああ、例えばもの作りしてるんならそれをやるし
プログラミングならそれをやる」

「そうか!なんか分かった気がする」

「なにを?」

「明日死ぬんなら何をしたいか、それが本当にしたいこと」

「でも何も浮かばないなー」

「何も浮かばないならぼーっとすることがしたいことなんじゃない?」

「なるほどねぇ、そうかも」

「でもさー、少なくとも今やってる仕事は浮かばなかったしょ」

「うん、浮かばなかった」

「じゃあ今やってる仕事は本当にしたいことではないんよな」

「まちがいねぇ」

「じゃあ辞めれば?」

「辞めたら生活できんしなぁ」

「じゃあ死ねば?」

「死ぬの怖いしなぁ」

「じゃあ続ければ?」

「うん、そうするわ。」

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