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【詩】「私信」

とても久しぶりにあったあなたは
やはりとてもキレイだった

あのときに今の僕でいたら
抱きしめていただろう
そう思っていたけど

手を振り背を向けた
あなたの理由を知りながらも

ずるくなりきれない僕がいてる
変わらなかったところもやはりある

もう次はないことを
分かっていた 分かっていたけど
もうあげられるものがなかった

僕の言葉に
困ったような笑顔を浮かべた
いつか見た笑顔だった

「少し安心した」
その言葉を言ってくれてありがとう

あのときに今の僕でいたら
抱きしめていただろう
その想いはゆっくり薄れていった

もう「また」はないことが
分かっていた 分かっていたから
ただ静かに短く言ったんだ

いつまでたっても僕は僕だよ
いつまでも「ここ」にいてる

もうあなたに届くことはないだろうけど
とても久しぶりにあったあなたは
いつか幼い心が求めたあなたは
やはりとてもキレイでした

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